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 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二
 ■ G20ロンドン・サミットへの期待            田村 洋一
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
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 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二

 ◆ツールの使いこなし−使われてはいけない(続き)

 前回は、ツールを使うとき、選ぶとき、どのように考えるべきかを紹介
 しました。今回は少し具体的な話をしましょう。

 ●ツール使いこなしの実例

 ツールの使いこなしというと、なにかたいそうなことのように感じるか
 もしれませんが、実は、ごく身近なもの、すでに使っているものを徹底
 的に活用するだけでも大きく違います。すべてを詳しく書けるほどの紙
 面はないので、IME関連の工夫についてだけ、簡単に触れておきましょ
 う。

 ◎IMEの工夫

 IMEというのは日本語の入力を行うときに使うソフトのことです。日本
 語への翻訳では、思ったとおりの漢字がスパッと出るかどうかで能率が
 格段に違ってきます。

 Windowsに付属するMS IMEを使っている人が多いと思うのですが、それ
 以外にもいろいろと市販されています。ちなみに私はもう20年以上、
 ATOKを使っています。アレがいい、コレがいいとうんちくを傾ける人も
 いますが、最近はどのソフトもそれなりのできなので、どれを選んでも
 いいでしょう。一番大事なポイントは、使い込んで慣れることと自分に
 あわせてカスタマイズすることです。

 カスタマイズの第一歩は、よく使う単語の登録。たとえば、私が使って
 いるATOKには、「懸濁」という単語が「けんだく」という完全な読みで
 登録してあります。「けん」という漢字は50もあるのでこの登録がなか
 ったら大変なことになります。「この漢字、前にも出すのに苦労したな」
 と思ったら、どんどん登録するべきです。

 とてもよく使う単語は、短縮読みで登録すると便利です。たとえば私は、
「地球温暖化」という単語を「きて」という読みで登録しています。
「きて」とは、「Global Warming」の頭文字「GW」の位置にあるカナです。
 私はカナキー入力なので、このように「英単語の略になるキーを短縮読
 みとして使う」ということをよくやります。頭の中で「Global Warming
 は……」と考えながら「GWは」のつもりでタイピングすると「きては」
 と入力され、漢字変換すると「地球温暖化は」となるわけです。翻訳な
 らではのIMEカスタマイズだと思います。

 当然ながら、ローマ字入力でも同じことができます。「Global Warming」
 なら「gw」という読みで登録すればいいし、「Active Carbon」なら
「あc」という読みで「活性炭」を登録すればいいわけです。

「きて」や「gw」なら2ストロークですが、「ちきゅうおんだんか」では
 11ストローク(シフトキーや濁点にも1ストロークずつ必要)、ローマ
 字入力で「chikyuuonndannka」と入れるなら16ストロークも必要になり
 ます。このように、入力の手間が大きく減り、その分、スピードアップ
 するわけですが、この方法のメリットはそれだけではありません。入力
 ミスが減るのも大きなメリットです。正直な話、私には、「ちきゅうお
 んだんか」や「chikyuuonndannka」を、毎回、すばやく正確にたたける
 自信がありません。そんな私でも、「きて」や「gw」を打ち間違うこと
 はまずありません。

 打ち間違いと言えば、自分がよく打ち間違えるパターンも登録してしま
 うと便利です。私は、「まする」→「ます。」「あるる」→「ある。」
 などを登録しています。「。」を入力するときに左手小指のシフトキー
 が遅れることが多いからです。「すまる」→「ます。」などという変わ
 った登録もあります。なぜか、「ま」の前に「す」をたたいてしまうこ
 とがけっこうあるのです。他に、「ぎじゆつ」→「技術」(「ゅ」のシ
 フトキーが間に合わない)、「けんきゅぅ」→「研究」(シフトキーを
 はなす前に「う」をたたいてしまう)なども登録してあります。気づい
 たら、都度、登録するといいでしょう。

 よく使う記号も登録してしまいましょう。「から」→「〜」「みぎや」
 →「→」などです。「どそ」→「゜C」「どは」→「゜F」なども便利で
 す(読みは「どC」「どF」の意味)。化学記号も、「くそり」→「HCl」
 といった具合に登録することができます。

 このようにソフトウェア側をカスタマイズするだけでなく、入力をロー
 マ字からカナキーに切り替えるという人間側のカスタマイズも考えられ
 ます。日本語の入力を行うとき、ストローク数が3割から4割ほど減り、
 基本的にスピードもあがるし楽にもなります。英語キーボードと混乱す
 る心配はありません。覚えてしまえば、何も考えずに英語のときは英語
 の配列、カナのときはカナの配列で打つようになります。ただし、しば
 らくは効率が落ちてもがまんして練習する必要があります。

 IME関連のヘルパーアプリも便利です。私は「秀Caps」というフリーウ
 ェアを使っています(http://hide.maruo.co.jp/)。IMEの起動・停止
 やCapsLock、カナロックの切り替えなど、ごく細かい部分のカスタマイ
 ズになりますが、使い慣れるとなしではつらくなるくらい便利です。

 ☆本編及びバックナンバーはこちら↓
 http://tran.blog.shinobi.jp/Category/16/

【著者プロフィール】
  井口 耕二(いのくち・こうじ)a.k.a. Buckeye
  技術・実務翻訳者、翻訳フォーラム共同主宰、社団法人日本翻訳連盟
  常務理事
  高品質・高価格をめざして翻訳の現場で日々努力するとともに、オン
  ライン・オフラインの各種記事、セミナーなどさまざまな場で翻訳者
  という立場からの提言や主張を行っている。
  著書に『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)、訳書に『スティー
  ブジョブズ−偶像復活』(東洋経済新報社)、『ウィキノミクス−マ
  スコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(日経BP社)などが
  ある。
  ホームページURL: http://buckeye.way-nifty.com/translator/

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 R360ショップでは、商品レビューの投稿をお待ちしています。たとえば、
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 ◎実際に使ってみた感想
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 =1円として、R360ショップでのお買い物にお使いいただけます。

 同じような内容の連続投稿は、1件のみの掲載とさせていただきます。
 また、知らない商品(未購入)についてレビューを乱発したり、他の
 サイトなどからレビューを転載したりする行為はご遠慮ください。

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                     (ネット販促課・竹村) 
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 ■ G20ロンドン・サミットへの期待           田村 洋一

  ほとんど経済恐慌と言ってもよいくらいの世界規模の景気後退の中で、
 翻訳業界にも影響が出始めています。クライアント企業は徹底的なコス
 ト削減を迫られ、新規発注を手控えたり、発注先を減らしたりしている
 ようです。海外企業が日本市場から撤退したり、日本企業が海外市場か
 ら撤退したりするケースもあり、これらもマイナス要因です。さらに印
 刷メディア全般の長期低落傾向と、それに代わるネット系メディア/コ
 ンテンツの今後の伸びが翻訳業界に与える影響も、見通しはまだ不透明
 です。なにぶん欧米の大手金融機関が事実上国営化され、自動車の「ビ
 ッグ3」という表現が死語になるかもしれないという状況ですから、私
 たちもしばらくは我慢を強いられることになるでしょう。

  破綻した世界経済を再び軌道に乗せるために何をなすべきかが「G20
 ロンドン・サミット」の大きなテーマです。実質的な会期は4月2日の1
 日だけで、討議するというよりは世界のリーダーが一堂に会して決意表
 明をするところに意味があります。会合に向けての根回しは周到で、例
 えば日本では2月に「日英21世紀委員会・第25回会議」が開かれたこと
 や、2月13日に公表された日本のIMF(国際通貨基金)に対する1000億ドル
 もの巨額融資も、その一環と考えられます。既に3月29日付で今回のG20
 サミットのコミュニケ草稿が公開されており、この私の小文が公開され
 るころには決定版が発表されていることでしょう。

  このG20サミットを主催する英国首相Gordon Brown氏は自他ともに認
 める経済通ですから他国からの期待も大きく、腹心の蔵相Alistair 
 Darling氏ともども、具体的な成果を目指して大変な力の入れようです。
 米国のBarack Obama大統領にとっても初の国際的な大舞台で、その発言
 が注目されます(例のスピーチライターは経済問題にも明るいのでしょ
 うか?)。今回、IMFや世界銀行が誕生するきっかけとなった1944年のブ
 レトンウッズ(Bretton Woods)会議の再来を望む声が多い反面、多くを
 期待しすぎてはいけないという声もあります。しかし、著名な投資家
 George Soros氏が言うように、このG20サミットは「a make or break
 event」であり、失敗すればさらに深刻な事態を招くことは明らかです。

  このような大きなイベントは、経済問題について考えてみる良い機会
 になるのではないでしょうか。例えば、「tax havens」の実態は? 
「fiscal stimulus package」と「財政出動」は同じニュアンスなのか?
 各国政府は数千億ドルもの景気対策資金をどこから調達するのか? 
 …等々。少し調べてみると日銀の「銀行券ルールと長期国債の買い入れ
 限度」などという問題が出てきて、金融政策の難しさと奥深さを実感し
 ます。白川日銀総裁が自ら「中央銀行として異例の対応」をしていると
 述べているように、現状はいわば手探りに近い状況のようです。

 ●G20ロンドン・サミットについて:

  日本政府の表記は「第2回金融・世界経済に関する首脳会合」で、
 2008年11月に米国ワシントンD.C.で開催された第1回首脳会合の続編と
 いう意味。G20サミットに先立ち、ロンドンでG20財務相・中央銀行総裁
 会合が開催され、3月14日にコミュニケが発表されている。

  G20は「Group of Twenty」の略称で、正式には「G-20」と書く。条約
 などで規定された会議ではないという意味で「an informal forum」と
 称する。通常のG20会合のメンバーは、G7(カナダ、仏、独、伊、日、英、
 米)、G7以外の主要12カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、
 中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビ
 ア、南アフリカ、トルコ)、およびEU(欧州連合)議長国(現在はチェコ)
 の財務相と中央銀行総裁。さらに、ECB(欧州中央銀行)総裁、IMF専務理
 事、IMFC(国際通貨金融委員会)座長、世界銀行総裁、IMFと世界銀行の
 合同開発委員会(Development Committee)座長が出席する。

  今回のロンドン会合では、上記20カ国(EUを含む)のリーダー、国連事
 務総長、ASEAN議長国タイとNEPAD議長国エチオピアの代表、EC(欧州委
 員会)委員長も参加することから「サミット」と呼ばれることになった。
 英紙The Guardianによれば、参加国全体で世界のGDPの90%、貿易高の
 80%、人口の64%を占める。

 ●参考リンク
 ・G20公式サイト:
  http://www.g20.org/
 ・英国政府のロンドン・サミット公式サイト:
  http://www.londonsummit.gov.uk/en/
 ・IMF - A Guide To Committees, Groups, And Clubs:
  http://www.imf.org/external/np/exr/facts/groups.htm
  ※先進国主体のG5、G7、G8、G10、G20、G22、G30、G33と、これらと
   は異なるG15、G24、G77などの説明。

【著者プロフィール】
  田村 洋一(たむら・よういち)
  東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートル
  ズ世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を
  目の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を
  信じる美術愛好家でもある。
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 レードは「Ver.2.x」以降からとなり、「Ver.1.x」のお客様には新規の
 製品を購入いただくことになるそうです。
 なお、「Ver.3.1.1」へのアップグレード版はまだ販売していますので、
 旧版をお持ちの方はご利用下さい。

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  ※連載毎に読み返せるので新たな発見があります。
 ※コラムに対するご感想・ご意見お待ちしております。
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 ■ 後 記

 駅など、いわゆる公衆の面前で思い切り抱き合っている男女がいます。
 まあ大概の場合「そんなキミ、誰も奪いはしないよ」という感じの方々
 がそういうことをなさる傾向にあるようです。この間も駅の連絡通路で、
 臆面もなくからみあっている方々がいました。で、その脇を通り過ぎよ
 うとした時、横のオジサンが「欧米か!」と漫才師をまねて仰りました。
 熱烈な抱擁・・・
 仏蘭西や伊太利亜の方ならまだしも、確かに日本人には似合いません。

                              (青)
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