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 ■ 仕事としての翻訳                  井口 耕二
 ■ 翻訳業界雑記 第39回 「MemoQ」の続報        吉野 陽
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
 ■ トランネット便り 〜 A Chicken in every pot
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 ■ 仕事としての翻訳

 このメルマガを書き始めてから、品質、品質とずいぶん書いてきました
 が、翻訳の「品質」とはどういうものでしょうか。何をもって品質がい
 い、あるいは悪いと言うのでしょうか。

 ●翻訳の品質に関するさまざまな見方

 以前、「翻訳に品質の上下などない。あるのはクライアントの気に入る
 か気に入らないかだけだ」とよく言われる比較的大手の翻訳会社の方が
 おられました。トライアルの合否はお見合いのようなものだという意見
 もよく耳にします(私は「トライアルお見合い論」などと呼んでいます)。
 こちらも翻訳は品質より相性であって、客観的な品質評価はないに等し
 いという文脈で使われます。

 たしかに、翻訳の品質評価は人によって大きく異なります。プロ翻訳者
 が集まって勉強会を行ったとき、どの翻訳がよいか投票で選んだことが
 ありますが、票は大きく割れるケースが大半でした。毎日、自分で翻訳
 を行い、かつ、品質向上の意欲が強いプロ翻訳者が集まってさえその状
 態です。ましてソースクライアントなどでは、翻訳の評価をする力がま
 ったくなく、相性だとしか言いようがない評価結果になることもありま
 す。

 それでもなお、私は、翻訳には品質というものが歴然と存在すると考え
 ています。

 たしかに、100人に聞いて100人が「いい翻訳だ」と答える翻訳はほとん
 どないかもしれません。それどころか、100人に聞いて100人が「これな
 ら許容範囲だ」と答える翻訳だってなかなかないかもしれません。

 でも、100人に聞いて30人が「いい翻訳だ」と答え、50人が「これなら
 許容範囲だ」と答える翻訳ならあるはずです(80人が合格点をつける翻
 訳)。一方、100人に聞いて5人が「いい翻訳だ」と答え、10人が「これ
 なら許容範囲だ」と答える翻訳だってあります(15人しか合格点をつけ
 ない翻訳)。トライアルだって、10社受けて9社、10社とほとんど通る
 翻訳がある一方で、10社受けて1社しか通らない翻訳だってあります。

  もちろん、10社受けようが100社受けようが、
  トライアルにまったく通らない翻訳だってあります。

 こういう違いもすべて「好み」「相性」で片づけることができるのでし
 ょうか? 片づけてしまうのでしょうか?
 
 ここには大きな違いがあり、その違いが「翻訳品質の違い」だと考える
 のが論理的だと私は思います。少なくとも、ここに違いがあると考え、
 差別化のポイントとするのが、翻訳を生業とする者にとって得策でしょ
 う。

 ●翻訳の品質評価が難しい理由

 このように、翻訳に品質の良し悪しがあるのは確かですが、それを客観
 的に評価するのは困難です。それどころか、自分自身の主観的な評価と
 しても、簡単には良し悪しを判断できません。

 良し悪しの判断が難しい最大の理由は、評価軸が山のようにあるからで
 す。短距離走のように評価軸が速度だけなら評価も簡単だし評価をあげ
 る努力の方向も簡単にわかります(実現できるかどうかは別問題ですが)。
 ところが翻訳は評価軸が山のようにあり、しかも相反する部分を持つ評
 価軸が多く、ひとつの評価軸における評価が最高になるようにすると別
 の評価軸における評価が下がってしまうのが普通です。

 問題点をごくおおざっぱにまとめると、以下のようなります。
 ・どの評価軸を用いるのか(人によってタイプも数も違う)
 ・どこでどのように評価軸間のバランスをとるのか
  (バランスの判断も人によって異なる)

 評価軸の一部を思いつくままに挙げてみましょう。このほかにもまだま
 だ数多くのポイントがあるはずです。

 ・原語で書かれている内容を正しく表現した訳文になっているか
 ・訳文にターゲット言語としておかしなところはないか
 ・対象読者が理解しやすい文章になっているか
 ・文書の使用目的に応じた硬さになっているか
 ・複数の解釈がなりたつ訳文になっていないか
 ・対象読者に適した文体、用語、表記になっているか
 ・専門用語の訳を間違えていないか
 ・指定された訳語を間違いなく使っているか
 ・文脈に応じて変化する単語の訳を固定していないか
 ・原文に沿った訳文になっているか
 ・原文に字面で沿いすぎた訳文になっていないか
 ・原文と訳文の字面が不必要に離れていないか
 ・段落や文書全体を通じて視点が揺れていないか
 ・単語や表現が言外に持つニュアンスが原語と同じか
 ・価値判断を含む訳語を使って訳文に色をつけていないか
 ・原文の単語に含まれる価値判断を訳文で落としていないか
 ・不要に長い訳文になっていないか
 ・詰めすぎて分かりにくい訳文になっていないか
 ・入れ子構造の訳文でわかりにくくなっていないか
 ・ぶつ切りで短くしすぎていないか
 ・文と文が適切なつながりを持つ訳文となっているか


 ☆本編及びバックナンバーはこちら↓
 http://tran.blog.shinobi.jp/Category/16/

【著者プロフィール】
  井口 耕二(いのくち・こうじ)a.k.a. Buckeye
  技術・実務翻訳者、翻訳フォーラム共同主宰、社団法人日本翻訳連盟
  常務理事
  高品質・高価格をめざして翻訳の現場で日々努力するとともに、オン
  ライン・オフラインの各種記事、セミナーなどさまざまな場で翻訳者
  という立場からの提言や主張を行っている。
  著書に『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)、訳書に『スティー
  ブジョブズ−偶像復活』(東洋経済新報社)、『ウィキノミクス−マ
  スコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(日経BP社)などが
  ある。
  ホームページURL: http://buckeye.way-nifty.com/translator/
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 ■ 翻訳業界雑記 第39回 「MemoQ」の続報        吉野 陽

 前回取り上げた翻訳支援ツール「MemoQ」の続報です。11月14日にやな
 さ株式会社より日本語版の正式販売が開始となったようです。

 http://www.yanasa.co.jp/articles/170/1/MemoQ-aeeceaeaeaaa/aaa1.html

 日本語版の無料体験版もアップされていたので、私も早速ダウンロード
 してみることにしました。体験版には「セットアップ&アクティベーシ
 ョンガイド」も同梱されているので、インストールもスムーズに完了し、
 無事に起動画面まで進むことに成功。そして以前のデモの内容を思い出
 しつつ操作してみました。ところどころ忘れているところがありました
 が、それなりに体験することができました。ただ翻訳メモリが初めての
 人には、少々敷居が高いかもしれません。

「日本語マニュアルがあればいいのに」と思い、サイトをあちこち見て
 回ったところ、以下のページで「クイックガイド」を発見しました。

 http://www.yanasa.co.jp/Manuals/MemoQ/

「クイックガイド」だけあって、基本的な操作や主な機能の説明が掲載
 されています。これであれば初めての方でもスムーズに操作できるので
 はないかと思います。欲を言うとサンプルデータがあれば、より実際の
 仕事での実感がわきやすく、理解を早めることができるのではと思いま
 した。

 その他よくある質問をまとめたQ&Aのページも充実しています。疑問点
 が出てきた場合は、こちらのページをご覧になると参考になる情報があ
 るかもしれません。

 http://www.yanasa.co.jp/ActiveKB/categories/MemoQ/

 個人的には関心の高いツールですが日本では利用者の情報がまだ少ない
 ようですので、今回の日本語版の登場をきっかけに利用者が増え、情報
 が集まることを期待したいと思います。

                    (アメリア事務局 吉野 陽)
                http://www.amelia.ne.jp/userTop.do
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 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

 今年もあと1ヶ月をきりました。ということで、セールの季節です!

 今日から【恒例!冬のセール】を始めました。いつかは手元に‥ と思
 っていたあの辞書この辞書、この機会を是非ご利用ください!

 ・期間は2009年3月31日まで
 ・「CD-180万語対訳大辞典」をはじめとする日外のCD-ROM商品をすべ
   て30% off
 ・SHOP内商品のどれを買っても送料無料(国内のみ)

 ★「対訳君」がマイナーレベルアップされました
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (株)MCLの翻訳支援ツール「対訳君」シリーズがリニューアルされま
 した。
 ツール本体の機能に変更はありませんが、・メニュー画面新設 ・内蔵
 データの増大 が今回の変更点です。商品名もパッケージも新しくなり
 ました。

  対訳君Standard
    定価 ¥8,800 → 辞書SHOP特価 ¥7,920(税込)
  対訳君Professional
    定価 ¥38,000 → 辞書SHOP特価 ¥34,200(税込)
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 https://www.tranradar.net/taiyakukun_new.html
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 ■ トランネット便り 〜 A Chicken in every pot

 President-elect、Barack Obamaがメディアを騒がしている昨今に因ん
 で、大統領選にかかわる語の話題を……。
 表題は、例の1929年大恐慌時の、第31代アメリカ大統領Herbert Clark 
 Hoover (1874-1964 共和党) が選挙キャンペーンに掲げたpolitical 
 symbol(標語)、「それぞれの家の鍋に鶏肉を」ご参考までに、次の一
 文をご覧下さい。

 The Republicans fought their campaign on the basis of the greatest
 prosperity the country had ever known, a chicken in every pot, 
 two cars in every garage, every sales girl and every elevator boy
 cleaning up on the stock market.
 (Irving Stone, “They also run,” p.342)

 とくに訳文を掲げることもないと思いますが、every sales girl and 
 every elevator boy cleaning up on the stock marketのくだりは、現
 今のアメリカ経済の体たらくに照らせば感慨一入というところ……。
 なお、引用文書名のalso runは、「競馬、選挙戦などの等外者」を指し
 ます。とくにHoover当時の大統領選では、候補者が乱立、one who did 
 not come close enough to winning は、メディアでは ‘also run’
 と十把一絡げに片付けられたそうです。


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  【英 語 版】http://www.trannet-japan.com/ep/tjc_top.asp
  【日本語版】https://www2.trannet.co.jp/jwh/jp/jtjc_top.asp

《Publishing House Japan》
   >>作家が出版で世界戦略を立てる、新たな時代の幕開け<<
  http://www.trannet.co.jp/pre_up/web_phj/phj_news.html

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 ※コラムに対するご感想・ご意見お待ちしております。
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 ■ 後 記

 麻生首相の支持率が落ち込んでいます。原因の一つに「舌」があるよう
 です。一国の首相としがないサラリーマン(=私)を同列に扱うのは気
 が引けますが、私も先日舌禍を起こしました。
 母、姉、兄嫁、姪と廊下に立っていたら、向こうから妻と次男がやって
 来ました。すると姪が「○○ちゃん(次男)、背が伸びたね」と感心。
 確かに中二の次男は最近、ひょろひょろっと大きくなりました。で、横
 の妻です。中年期を迎え気力も充実していますが、体型の方も充実して
 います。しかし、背の方はいまや次男の肩あたりもありません。
 そこで私が「スターウォーズのR2D2とC3POだねまるで」と言わ
 ずもがなの一言を。
 以降、妻が口をきいてくれません。
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