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 ■ 仕事しての翻訳                   井口 耕二
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 ■ 仕事としての翻訳 
 
 ●ステップアップ−大量翻訳者 vs. 高品質翻訳者 
 
 前回は、翻訳者としてどのような道を歩むのかを人生設計との絡みから 
 検討するというお話をしました。今回は、翻訳者として仕事をするパタ 
 ーンにどのようなタイプがあり、どれを自分が選ぶべきなのかを考えて 
 みましょう。 
 
 「仕事」として翻訳を考えるなら、収入が大きなポイントになります。 
 最低限、必要となる年商をクリアできなければ暮らして行けず、撤退も 
 考えなければならないからです。では、翻訳で稼ぐにはどうしたらいい 
 のでしょうか。 
 
 道は大きく2つ。量で稼ぐか単価で稼ぐか、です。 
 
 収入(売上)となるのは単価×処理量ですからね。両方が大きければベ 
 ストですが、とりあえずはどちらかを狙うことになります。翻訳者とし 
 て仕事を始めたあと、どちらを目標に進むべきかは各人の状況と目的に 
 よって異なるので、ここでは、どのように考えて選ぶべきなのかを検討 
 したいと思います。 
 
 まずは一般的な話から。 
 
 ◎翻訳マーケットの構造 
 
 世の中の流れなどもあり、このところ、単価引き下げの圧力が続いてい 
 ます。つまり、全体的には安い仕事が増えているのです。しかし、高い 
 単価で取引される高品質・高価格マーケットも存在します。つまり、翻 
 訳マーケットは、安価で品質はそれなりの大きな市場と高品質・高価格 
 の小さな市場に二極分化していると言えます。 
 
 どのくらい違うかというと、翻訳会社から翻訳者に支払われる単価で見 
 ても、各社、上限は下限の倍くらいにはなっているようです。つまり、 
 それなりには品質に応じた単価となっているわけです。 
 
 ◎大量翻訳者への道 
 
 量の追求ではツールの使いこなしがポイントになります。適切なツール 
 を導入すれば、比較的短期間に、誰でもある程度の効率(収入)アップを 
 実現可能だからです。雑誌やウェブを見ても、ツールで効率アップとい 
 った話が多く、業界全体がこの方向に流れている感があります。また、 
 翻訳メモリなどのツール各種が登場し、誰でもお金さえ払えばそれなり 
 のツールが手に入るようにもなりました。そのため、量の追求は魅力的 
 な道に見えることが多いでしょう。 
 
 翻訳支援ツールはたしかに便利なのですが、その一部にクセが強く、翻 
 訳者としての成長を阻害したり、スキルダウン(翻訳能力の低下)の原 
 因になったりしうるものがあるので注意が必要でもあります。 
 
 紙と鉛筆で翻訳をしていた昔から、ワープロ・パソコンを使うようにな 
 り、電子辞書、インターネットと、翻訳で利用するツールはどんどん便 
 利になってきました。しかも、これらのツールは、便利さ・効率の向上 
 と品質の向上を同時に果たしてくれるものばかりでした。このようなツ 
 ールは、人間が不得意な作業を代わりにやってくれるものだったからで 
 す。 
 
 しかし、最近のいわゆる翻訳支援ツールには、功罪両面を持つものが多 
 いと私は思います。 
 
 翻訳の基本に立ち返ってみましょう。翻訳を教える人たちは「翻訳者に 
 なるためにはいい文章を大量に読むこと」が必要だと口をそろえて言い 
 ます。ところが、機械翻訳ソフトをツールとして使うと、ソフトウェア 
 が出力したおかしな訳文を、毎日、大量に読み続けることになります。 
 この状況で言語感覚を正しく保ち、さらに磨きをかけていくのが困難な 
 のは当たり前でしょう。 
 
 これに対しTradosに代表されるTM(翻訳メモリ)には、TM構築時の訳が 
 まともであれば、そこまでのリスクはありません。でも、作業上、どう 
 しても1文単位で考えがちになるため、注意しないと文脈を読み取る力
 が低下する危険があります。 
 
 翻訳支援ツールを使う翻訳者の意識にも、落とし穴が潜んでいます。 
 
 効率向上を目的にツールを導入するのですから、時間と手間をなるべく 
 かけないで仕上げようとするのは当然のことでしょう。そのため、「な 
 んとか理解可能」というレベルで納品しがちです。でも、原文を読んで 
 いる翻訳者がなんとか理解可能と判断したレベルは、訳文だけを読んだ 
 人には理解不能なことが多いのです。このように不十分な品質を十分だ 
 と判断し続ければ、スキルアップしないだけでなく、品質判断の力が狂 
 ってスキルダウンしてしまうことになります。 
 
 スキルダウンしてしまったり、そもそもスキルアップができなかったり 
 すれば、高品質・高価格マーケットへ参入する道は閉ざされてしまいま 
 す。つまり、最終的に、量と単価、両方を高くすることはできなくなる 
 わけです。 
 
 ◎高品質翻訳者への道 
 
 高い単価を得るためには、訳文の品質を高める必要があります。 
 
 高品質を実現するためには、質の向上を常に心がけ、1文1文を大切に訳 
 していかなければなりません。こういうスキルアップというのは、薄紙 
 を重ねて塔を作るようなものだと私は考えています。1日の終わりに塔
 が高くなった実感など得られるはずがありません。でも高くなったはず
 と思って毎日を過ごすしか方法はありませんし、そうしてゆけば、いつ
 か、ずいぶんと先まで来た自分に気づくはずです。 
 
 つまり、質の追求には時間がかかります。しかもその間、処理量が増え 
 にくいという問題があります。短・中期的に収入が伸び悩みになります 
 し、場合によっては収入が低下してしまう可能性もあります。道として 
 は、つらいものになる可能性、大です。 
 
 でも、高い翻訳スキルを身につけることができれば、翻訳業界がある限 
 り、勝ち組として活躍することができます。単価が同じなら高品質のほ 
 うが好まれるのは当然で、高い品質の訳文を生み出せる人へ相対的に高 
 料金の仕事が集中するという業界構図は変わりようがないからです。 
 「安価で品質はそれなり」という市場においても、その中の比較的高単 
 価の仕事が高品質翻訳者に集まるのです。 
 
 また、よくよく考えて翻訳をしていれば、次第に、考えなくても使える 
 「技」が増えてきます。また、どこには時間を使わなければならないの 
 か、どこはそこまでしなくてもいいのか、勘が働くようになります。そ 
 うなればスピードが上がってきます。量も質もという最終目標を達成で 
 きるのは、まず品質を重視するという道筋しかないと私は思っています。 
 
 (この話は次回、継続します。ここまではある意味、理想の話なので、
 次回は現実的な側面を検討する予定です) 
 
【著者プロフィール】
  井口 耕二(いのくち・こうじ)a.k.a. Buckeye
  技術・実務翻訳者、翻訳フォーラム共同主宰、社団法人日本翻訳連盟
  常務理事
  高品質・高価格をめざして翻訳の現場で日々努力するとともに、オン
  ライン・オフラインの各種記事、セミナーなどさまざまな場で翻訳者
  という立場からの提言や主張を行っている。
  著書に『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)、訳書に『スティー
  ブジョブズ−偶像復活』(東洋経済新報社)、『ウィキノミクス−マ
  スコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(日経BP社)などが
  ある。
  ホームページURL:http://buckeye.way-nifty.com/translator/
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 ■ トランネット便り 〜	  SHOULDER

 to give somebody the cold shoulder: [informal] to deliberately 
 ignore someone or unfriendly to them, especially because they 
 have upset or offended you (Longman) = to give [turn] the cold 
 shoulder to sb: ((略式))人によそよそしい態度を取る(以下略)(GENIUS)

 かつての英国紳士階級の面々は質実剛健を宗とし、日々の食事も少量の
 パンと肉のみで済ませ、果物、野菜はほとんど摂らなかったと言う。肉
 は、そのまま火で炙っただけの文字どおりの焼肉……。一方、一家の主
 婦もまた、ご亭主に劣らぬ剛健ぶりを示したそうだ。
 例えば、何日も宿泊したままの客の撃退法。食べ残しの肩肉を冷たいま
 まで件(くだん)の客人に供する。骨の付いた冷たい肉を噛み取るのは
 至難の技だし、だいいち、まずくて食えたものではない。これを二度、
 三度やられると、さすがの長っ尻氏もすごすごと退散せざるを得なかっ
 た。
 かくして上述の成句ができたらしい。


《JAPANESE WRITERS' HOUSE》
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  【英 語 版】http://www.trannet-japan.com/ep/tjc_top.asp
  【日本語版】https://www2.trannet.co.jp/jwh/jp/jtjc_top.asp

《Publishing House Japan》
   >>作家が出版で世界戦略を立てる、新たな時代の幕開け<<
  http://www.trannet.co.jp/pre_up/web_phj/phj_news.html
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 ■ 後 記

 昨年亡くなった父は時々我が家のルーツについて次のようなことを言っ
 ていました。「我が家はもとをただせば由緒正しき赤松一族であった。
 しかしながらある時、姓を変えて都落ちせねばならぬことがあり、赤を
 青、松を木に変えたのじゃ」と。
 麻生太郎氏の「華麗なる系譜」に思いをはせつつそんな話を思い出しま
 した。
 もっとも「冷静になって考えてみれば、前橋の方で材木屋だったという
 説がある。それがどうやら本当だ」とも父は言ってましたが。                                                             (青)
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 ※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
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