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 ■ Words in NICHIGAI's CDs and Books
 ■ 翻訳読書ノート40                                     北田敬子
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 ■ Words in NICHIGAI's CDs and Books
                            》》外国映画の原作は? Part 2

 このコーナーでは、日外アソシエーツ発行のCD-ROM辞書や書籍から一部
 を抜粋してご紹介します。

 日本に居ながらにして、さまざまな国の人たちと話す機会が増えてきま
 した。映画の話をしていて、邦題はわかるけれど、英語のタイトルを知
 らなかったために話が進まなかったことはありませんか。以下の英語タ
 イトルは何というでしょうか。

 (1) SAYURI

 (2) トスカーナの休日

 (3) オペラ座の怪人

 英語タイトルはメルマガの終わりでチェックしてくださいね。
 原書名もご紹介しています。
                              (色)
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 ■翻訳読書ノート40                   北田敬子
                                              
「ロシアの奔流」

 ロシア文学の新訳が目につくのは、日本人読者のロシア文学好きを示し
 ているのだろうか、それともロシア文学の懐の深さを証明するものだろ
 うか。本屋の書棚の前で私は迷っていた。と、その時目に飛び込んでき
 たのは『・・・ユモレスカ』の文字。チェーホフだった。その題に惹か
 れて手に入れた三巻本。長短合わせて114の掌編を休む間もなく読み通
 した。さて、何が分かったか。明治時代以来綿々と続く、ロシア文学愛
 好家の長い列最後尾に自分はどうやら立っているらしいこと。

『チェーホフ・ユモレスカ』『同II』『同III』(アントン・パーヴロヴ
 ィチ・チェーホフ著 松下裕訳 新潮社 2006, 2007, 2008)は1880年
 代後半に、医師兼作家チェーホフが各種雑誌に掲載した短編作品の集積
 である。本邦初訳を多数含んでいる。今この時代に、敢えてチェーホフ。
 既に没後100年を過ぎた作家である。それでも演劇作品の上演は相次ぎ、
 こうして短編も現代人に届く。その魅力は何か。ロシア民衆の人情の機
 微、なんというものではない。それも確かに含まれているかもしれない
 が、さらに勝るのは民衆の愚昧さと性懲りもなくその本性を描き続ける
 作家の冷静沈着な目、そして作品に横溢する諧謔精神であろう。テレビ
 のお笑い番組に付き合うのはかなり辛いが、チェーホフには連日ふっと
 笑わせられた。爆笑にはほど遠いし、哄笑とも違う。苦笑か、微笑か、
 失笑か、いや名付けようもないそれは一瞬の「緩み」という方が近いか
 もしれない。作中に出てくるどの男も女も年寄りも中年も若者も、身勝
 手で他愛なく哀れなものだ。不運と要領の悪さに僅かばかり持っている
 ものを、それがなけなしのカネであろうと若さであろうと将来の希望で
 あろうと、ことごとく目の前からかすめ取られてしまう情けなさ。その
 原因の多くがヴォトカであり、ちょっとした欲望であり、何より己の虚
 栄心であるところが救われない。だが、語り手の巧みな描写に乗せられ
 て、これでもかと繰り広げられる人間喜劇にページをめくる手は止まら
 ない。そして背景を成す厳寒の風土、雪解けの季節の麗しさ、都市の汚
 穢等々、精緻な観察が時空を超えた人の世の普遍性を静かに物語るので
 ある。

 帝政ロシア末期の零落した貴族、下級官吏、農奴上がり、役者達、召使
 い、職人、宿無し、奥方、亭主、求婚者、旅人…、彼らの人生の刻一刻
 が見いだされ、ごく簡潔に書きとどめられる。大まじめに犯される失敗
 の数々。そこには現代の利便性のかけらもないけれど、不如意だけは共
 通にある。どのようにしてこのチェーホフの描く世界を日本語にするこ
 とが可能になったか、後書きに記された翻訳者松下裕氏のロシア語習得
 の過程も興味深い。驚愕や失意、そして諦念。無知と偏見、知ったかぶ
 りや追従、疑心暗鬼。それらはほんのささやかな幸福を飲み込んで渦巻
 く。短編が集まって奔流となる様は圧巻である。将来のロシアを知る手
 がかりもこの中に確実にあると思った。100年で人間はそう変わらない。

 【著者プロフィール】
   北田 敬子(きただ・けいこ)
  東洋学園大学・現代経営学部教授
  東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
  バージニア大学教育学部にて在外研究。
  専門は英語文学、言語とコミュニケーション
  ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/

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 ■ Words in NICHIGAI's CDs and Books <英語タイトル、原作名>

 (1) SAYURI   MEMOIRS OF A GEISHA
     2005年12月公開
    『さゆり』 アーサー・ゴールデン著,小川高義訳
     文藝春秋 〔原書名:Memoirs of a geisha〕
    
   ☆衣裳に注目

 (2) トスカーナの休日  UNDER THE TUSCAN SUN
   2004年6月公開
    『トスカーナの休日』フランシス・メイズ著,宇佐川晶子訳
     早川書房  〔原書名:Under the Tuscan sun〕

     ☆イタリア・トスカーナ地方の景色に注目

 (3) オペラ座の怪人 THE PHANTOM OF THE OPERA
     1990年,2005年公開
   (「オペラの怪人」というタイトルで、1925年公開, 1952年公開, 
   1962年制作があります。)
    『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー著,長島良三訳
     角川書店 〔原書名:LE FANTOME DE L'OPERA〕

   ☆アンドリュー・ロイド=ウェバー の音楽に注目

 ※☆印は(色)のお薦めポイントです。
 ※"LE FANTOME DE L'OPERA"はフランス語ですので、紙面では"FANTOME"
 の"O"の上に" ^ " (アクサン・シルコンフレクス)、"OPERA"の"E"の
 上に"´"(アクサン・テギュ)が付いています。
 ※本書では、それぞれの作品について解説が付いています。

 ◇『外国映画原作事典』スティングレイ・日外アソシエーツ編
  2008.8刊 ISBN978-4-8169-2127-8

 1946年〜2008年7月に公開された外国映画4,800本の基本情報を収録。
 映画の原作名と原作が収録された図書情報も記載しています。
 文芸翻訳、映像翻訳の調べ物にお役立てください。

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 ■ 後 記

 最近、週末の自宅DVDシアター(20インチ...今なおブラウン管)で観た
 映画『ノーカントリー』が面白かったです。監督はコーエン兄弟。作品
 賞を始めとするアカデミー賞4部門を獲っています。

 上記『外国映画原作事典』を引くと、原作がピューリッツァー賞作家の
 コーマック・マッカーシー著『血と暴力の国』(2007年刊 扶桑社ミス
 テリー)であることがわかります。そう。タランティーノ的バイオレン
 スの世界であります。が、血生臭いストーリーとは裏腹に画面(カット)
 が非常に美しく、緻密に描かれます。テキサスの荒野の描写は叙情的で
 さえあります。また、登場人物...中でも安岡力也風のメキシカンの殺し
 屋のキャラが異彩を放っており、グイグイ惹き付けられます。トレード
 マークの酸素ボンベは、家畜を殺す(屠殺)時、実際に使われるものな
 んだとか。

 映画の原題(=原書名)は“No country for old men”。見終わった後、
 改めてこの原題の意味は何だろう、と考えさせられます。

 秋の夜長にお奨めの一本です。
                              (竹)
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