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 ■ 仕事としての翻訳〈専門分野〉            井口 耕二
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
 ■ トランネット便り 〜 Invasion or the bomb
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 ■ 仕事としての翻訳                        井口 耕二

 ●専門分野

 英語関連の翻訳を仕事としてするとき大事になるのが専門分野です。英
 語以外の翻訳だと専門分野がどうのと仕事を選んでいたら仕事量が確保
 できない可能性がありますが、英語はたくさんの仕事があり、かなりの
 程度、仕事を選ぶことができます。逆に、翻訳者も英語関連は数多くい
 て競争が激しいため、専門分野を絞って仕事の質を高めないとやってゆ
 けないという側面もあります。

 ◎翻訳にはどのような専門分野があるか

 翻訳のムック本には、普通、巻末に翻訳会社のリストがあります。ここ
 を見ると、実に多くの分野に分けられていることがわかります。コンピ
 ュータ(ソフト)、コンピュータ(ハード)、機械、電子、半導体など
 の産業系から医学、薬学など、政治、経済、証券、保険などの文系分野、
 そして音楽、映像などもあります。ざっと40〜50くらいはリストアップ
 されているようです。もちろん、この中には範囲が一部重複するものも
 あります。また、特許のように、内容とは異なる分け方であるために分
 野横断的になっているものもあります。

 この中から自分に合うものをピックアップするというのが一般的です
 (選び方は後述)。

 このリストにないもの、あるいはほんの数社しか取りあげていないもの
 は専門にならないかというとそうでもありません。私が専業になった
 1998年当時、「エネルギー・環境」を専門分野に挙げている翻訳会社は
 ほとんどない状態でしたし、翻訳者へのアンケート調査でも予め挙げら
 れている項目にはなく「その他」に「エネルギー・環境」と書いて出し
 たところ、集計結果に「エネルギー・環境:1」となっていました。こ
 れが今は、翻訳者に対するアンケートでも翻訳会社に対するアンケート
 でも、ベスト5に入る分野になりました。

 世の中は変化し、それに応じて翻訳のニーズも変化します。それどころ
 か、現在も将来も、ニーズが盛り上がりそうになくてもかまわないと思
 います。自分が専門だと言える分野があれば、胸をはって掲げましょう。
 私の知り合いにも、料理だのワインだのインテリアだの、そんな仕事が
 どれだけあるのだろうかと思う分野を専門に掲げている人がいます。そ
 の分野だけで食べていけるほどの量ではないけれど、一定量の仕事は流
 れているようです。仕事量が少ないだろうと予想し、他の分野と併用す
 ることさえ忘れなければいいわけです。

 ◎専門分野の選び方

 翻訳者は2タイプに大別できます。一つは言語系から入る人。英語など
 の外国語が得意で、大学などでも言語系の学部や文学部にいた人たちで
 す。もう一つが専門系から入る人。工学部など理系の人がかなりの割合
 を占めますが、それだけでなく法学部出身、銀行や証券会社で実務をし
 てから翻訳者に転身する人などもいます。

 後者の専門系から入る人は簡単です。自分が専門としてきた分野を翻訳
 者としての専門分野に掲げればいいからです。もちろん、言語系から入
 る人たちと同じように考えて選んだ分野を追加するのもいいでしょう。

 前者の言語系から入る人は、次のように考えて専門を選ぶとよいでしょ
 う。

 まず、自分が興味を持てる分野を探します。趣味としてきたものがあれ
 ば、他の人よりもよく知っているはずで強みになります。いつか学びた
 いと思っていた分野などもいいでしょう。とにかく、興味関心のある分
 野を選ぶことです。翻訳をしながら関連知識を学ぶ際にも、興味のある
 分野の方が頭に入りやすいはずです。好きこそものの上手なれ、ですか
 ら。

 今、何か仕事をしているなら、あるいはしていたなら、その関連を専門
 にするという方法もあります。実務を通じて意外なほど多くのことを吸
 収しているはずです。

 あとは、「翻訳という仕事」のために、専門分野を作る、という方法も
 あります。専門分野を持って生まれてくる人はいません。ある意味、み
 んな、自分の専門分野を築き上げて行くわけです。この場合も、まずは
 興味関心のある分野を選ぶことが大事です。

 翻訳関連の雑誌などには、「IT系、ローカリゼーション系は仕事が多い
 注目の分野」「特許や医薬系は単価が高く稼げる分野」などの記事がよ
 く掲載されます。業界の分析として間違っているわけではありません
 が…… このような記事に惑わされて興味のない分野を専門に選ばない
 こと。まずは、自分が興味関心を持っているか、持てるかが第一です。
 そうやってリストアップした分野の中に「仕事が多い分野」「稼げる分
 野」が入っていたら、それを選ぶのもいいでしょう。逆に、「仕事が多
 い」あるいは「稼げる」ということを第一義に専門を選んでしまうと、
 専門知識の吸収が苦痛になりますし、結局、専門知識が身につかなくて
 仕事の質が上がらず、仕事が取れなくなったり安い仕事しかこなくなっ
 たりします。

(この話は次回、継続します。次回は、「専門分野の作り方」や「『実
 務者としての専門』と『翻訳者としての専門』の違い」などについて書
 く予定です)

【著者プロフィール】
  井口 耕二(いのくち・こうじ)a.k.a. Buckeye
  技術・実務翻訳者、翻訳フォーラム共同主宰、社団法人日本翻訳連盟
  常務理事
  高品質・高価格をめざして翻訳の現場で日々努力するとともに、オン
  ライン・オフラインの各種記事、セミナーなどさまざまな場で翻訳者
  という立場からの提言や主張を行っている。
  著書に『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)、訳書に『スティー
  ブジョブズ−偶像復活』(東洋経済新報社)、『ウィキノミクス−マ
  スコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(日経BP社)などが
  ある。
  ホームページURL:http://buckeye.way-nifty.com/translator/
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 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

 ★8月中の営業について
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 8月中も当電子辞書SHOPは通常通りの営業です(土日祝日がお休み)。
 ただし、スタッフが交代で休みをとりますので、タイミングによっては
 お返事が遅くなる場合もございます。また、仕入れ先が夏休みの場合も
 ありますので、商品によってはすぐにお取り寄せができないものもござ
 います。あらかじめご了承ください。

 ★日外アソシエーツ8月の新刊案内
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 日外アソシエーツから、8月下旬に刊行される書籍をご紹介します。

 「外国地名よみかた辞典」
   A5・950頁 定価12,600円(税込)
   外国地名の原綴りからカタカナ表記を、カタカナ表記から原綴り
   を確認するためのハンドブック。世界の国名・都市名・河川名・
   山岳名などの地名 約44,000件を調べることができる。
   ※どんな内容かは、メルマガNo.166の“Words in NICHIGAI's 
    CDs and Books”も読んでみてくださいね!
     http://www.tranradar.net/mail_mag/mail166.html

 「外国映画原作事典」スティングレイ・日外アソシエーツ共編
   A5・880頁 定価12,600円(税込)
   1946年から2008年7月までに劇場で公開された、原作を持つ外国映
   画4,800本を収録。映画の基礎情報と、原作となった図書の書誌情
   報がわかる。主要作品3,000本には映画解説を記載。「原作名索引」
   「原作者名索引」付き。
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 ■ トランネット便り 〜 Invasion or the bomb

 ご承知のように、第2次大戦中、1945年7月から8月にかけ、日本政府は
 連合国側との和平交渉仲介を(当時は名目上、日本とは交戦状態になか
 った)ソビエト政府に依頼する。ソ連は、交渉要請に当った駐露大使佐
 藤尚武に交渉開始の前提条件として無条件降伏を要求。佐藤の知らせを
 受けた外相東郷茂徳は次のような趣旨の返電を打った(以下Paul D. 
 Walker, “Truman’s Dilemma: Invasion or The Bomb,” Pelican 
 Publishing Company 2003からの引用)。

 In response, Togo explained that unconditional surrender and 
 the humiliation it would bring with the surrender of a powerful 
 force of over two millions of her soldiers, still heavily armed 
 and scattered over a vast empire, along with the expected 
 foreign occupation of her home islands, was more than the 
 ruling government could accept.

[以下に試訳を添える]
 これに答えて東郷はこう述べた。無条件降伏とその屈辱は、今なお重装
 備のまま広大な帝国領に散開する200万余の兵を擁する強力な軍の降伏
 を伴うばかりか、ひいては外国による本土占領を必至とするものであり、
 到底、現政府の容認しうるところではない。

 原文はかなりごたごたしてあまり良い文章ではないと思うが、それより
 何より、重要な文法的誤りを含んでいる。おそらくは上述したように錯
 雑した文脈に惑わされて心理的な錯覚を起こしたのだろう。
 どうか誤りを見つけてみてください。 


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  【日本語版】https://www2.trannet.co.jp/jwh/jp/jtjc_top.asp

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  http://www.trannet.co.jp/pre_up/web_phj/phj_news.html
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 ■ 後 記

 父はTVを見ながらよくもらい泣きをしていました。特に子どもに不幸が
 ふりかかる番組はダメでした。ウィリアム・ホールデンの「クリスマス・
 ツリー」などは、じゃあ見なきゃいいのにと思うほど号泣していました。
 父の生態は少年時代の私には理解不能なものでした。
 日曜日、高校野球を見ていました。最終回、2年生投手がサヨナラホー
 ムランを浴びました。駆け寄る先輩から「気を落とすなよ」とでもいわ
 れたのでしょうか。直後、噛みしめる唇がわなわなと震えました。
「父さん何泣いてんの?」。中2の次男にもらい泣きを呆れられました。
 父が亡くなって初めてのお盆です。
                             (青)
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