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 ■ 仕事としての翻訳   勉強方法−どこで何を勉強するか  井口 耕二
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
 ■ トランネット便り 〜 Up Kii-no-kuni-zaka
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 ■ 仕事としての翻訳                        井口 耕二

 ●勉強方法−どこで何を勉強するか

 翻訳会社のトライアルにまだ合格できず、プロの入口に立てていない人
 を「卵」と呼ぶことがあります。翻訳者のコミュニティでもよく使われ
 る言葉なので、ここでも「卵」と呼ぶことにしましょう。

 さて、卵の時代にすることと言えば、なんといっても勉強です。翻訳は
 実力勝負の世界であり、実力さえあれば学歴・経歴など問題になりませ
 んが、逆に実力がないとどうにもならない世界です。実力をつけるしか
 プロの仲間入りをする道はありません。また、プロとなったあとも、勉
 強して力を高めていかなければなりません。

 では、どこで何をどのように勉強したらいいのでしょうか。

 ◎独習

 実は、世の中で一番よく行われている翻訳勉強法は独習です。

 たくさん訳すことから身につくこともあります。試行錯誤で自分なりの
 工夫をして、使えるパターンを身につけていくこともできます。文章の
 書き方、読み方、文法といった書籍を参考に工夫してみることもできま
 す。

 プロになったあとは、独習で自分の力を高めていくしかないケースがほ
 とんどです。必ずしも効率のよい方法ではないし、おかしな道に迷い込
 んでしまって実力向上がうまく行かないこともあります。翻訳者は一人
 ひとりばらばらに仕事をしていることが多い、プロ向けの教育サービス
 は存在しないに等しいなどの要因から、どうしてもこうなってしまうの
 です。

 多くの人がやっているなら卵時代も独習で乗り切れるかというと……な
 かなかに難しいと思います。産業翻訳には産業翻訳のお約束があります。
 そういう基礎も知らずやみくもに進んでも、まさしく砂上の楼閣になり
 かねません。基礎の部分は他人から学ぶのが早道だと思います。

 ◎書籍

「訳出技術に関する情報」の項目でも書きましたが、「こういう表現は
 このように訳す」というような情報は、本として、書店の語学の棚にた
 くさんあります。ですが、このような本は、自分は本当に翻訳に興味を
 持っているのかといった確認に使ったり、独習の補助に使ったりするの
 がいいと思います。本で学んだだけでプロ翻訳者になれる人は少ないは
 ずです。

 ◎勉強会

 仲間がいるので勉強するモチベーションが維持しやすい、他人の意見も
 聞けるなど、勉強会にもメリットがあります。

 ただ、卵レベルの人を中心に、トライアルにようやく合格できる駆けだ
 し翻訳者レベルの人が混じっているという勉強会だと、討議がかなり首
 をかしげる内容になってしまうこともあります。

 中堅以上のプロ翻訳者が集まって勉強会をするということもあります。
 このような勉強会は、自分も同じレベルであればいろいろと得ることが
 多いはずです(卵レベルの人は、参加しても話について行けないと思い
 ます)。チャンスがあったら、積極的に参加することをお勧めします。
 自分の周りで聞いたことがないという人は、翻訳者のコミュニティで自
 分が呼びかけてみる手もあります。

 ◎翻訳学校

 翻訳の仕方を教えてくれる専門学校で、通学制と通信制があります。産
 業翻訳における約束事などを含め、基礎を一通り学ぶことができます。
 どういう翻訳学校がどういうコースを提供しているかは、インターネッ
 トで検索しても出てきますし、ムック本などにも情報がまとめられてい
 ます。

 ところで、翻訳学校については賛否両論があります。

 なんといっても大きな「否」は、翻訳学校になど行かずにプロ翻訳者と
 なった人がたくさんいる、翻訳学校に行ったからといって全員がプロに
 なれるわけではない、プロになれる人は翻訳学校に行かなくてもプロに
 なれる、という主張です。

 実は私も、翻訳学校にも行かず、それどころか翻訳の勉強さえせず、い
 きなりプロになってしまいました。だから、この「否」に一理も二理も
 あるのはよく知っています。それでもなお、翻訳学校で勉強することに
 メリットがあると思っています。

 まず、駆けだしクラスを中心に、意外なほど、「お約束ごと」を守らな
 い訳文を作ってしまう人が多いということがあります。最低限の表記の
 原則や改行の使い方などがおかしいケースがあるのです。このあたり、
 きちんとした講師であれば、必ず教えてくれるはずです。また、独習で
 もプロになれる人がいたとして、同じ人がある程度、集中的に習えば、
 プロレベルに到達するまでの期間を短縮できるはずだということもあり
 ます。

「翻訳学校に行ったからといって全員がプロになれるわけではない」と
 いう点は、翻訳に限らずどのような学校にも当てはまることです。この
 点については、自分はプロになれそうかどうかを自己評価し、無理だと
 思えば転身を考えるべき、ということになるでしょう。

 なお、翻訳学校は講師によって教える内容も教え方もまったく異なりま
 す。学校というのは大なり小なりそういうものだと思いますが、翻訳は
 普遍的なメソッドが確立されていないからか、その差が特に大きいよう
 に思います。体験授業がある場合には、そこで講師の教え方を確認して
 から受講することをお勧めします。

 いずれにせよ、翻訳の技術もくり返し練習して身につけるものです。習
 っただけでできるようになどなりません。「教えてもらう」という受け
 身の姿勢では、受講料を無駄にする可能性が高くなります。課題はもち
 ろん、それ以外にも練習する題材を見つけてトライしてみるなど、積極
 的な取り組みが必要だと思います。

 翻訳学校の選択について、もう一点。

 翻訳学校の中には翻訳会社を併設していたり提携の翻訳会社があったり
 して、優秀な生徒はそういった翻訳会社へ登録してもらえる、という点
 に引かれて翻訳学校を選ぶ人がときどきいるようです。ほとんどの場合、
 ここに期待するのは間違いだと言えます。仕事ではソースクライアント
 が求める品質の訳文を出さなければならないので、提携翻訳会社に登録
 されるほど優秀なら、他の翻訳会社のトライアルにも合格できるはずな
 のです。逆に他社のトライアルに落ちるようでは、提携翻訳会社にも登
 録してもらえないことが多いはずですし、仮に登録されても仕事が回っ
 てくることはほとんどないでしょう。

 なお、「ほとんどの場合」としたのは、通常の流れでは仕事が回らなさ
 そうなレベルの人向けの仕事を別枠で確保し、卒業生に対してOJT的に流
 すといったことをしている翻訳学校・翻訳会社が、ごく少数ながら存在
 するからです。ただ、そういった仕事だけで生計を立てるのは不可能で、
 最終的に、トライアルに普通に合格できる力をつけなければならないこ
 とに変わりはありません。

 ◎OJT

 ごくまれに、翻訳会社や翻訳者がOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニン
 グ)で指導することがあります。翻訳学校の課題とは比べものにならな
 い量の仕事をしながら、そのフィードバックが得られるわけで、勉強し
 たい人にとっては理想的な環境だと言えます。

 もちろん、教える側にも思惑があります。駆けだしクラス前後の力を持
 つ人を中堅クラスまで短期間に引きあげ、戦力となってもらいたいとい
 うことが多いでしょう。つまり、中堅クラスの勉強会と同じで、卵のレ
 ベルでいきなりOJTに入るというのは、まず、あり得ないと思われます。


【著者プロフィール】
  井口 耕二(いのくち・こうじ)a.k.a. Buckeye
  技術・実務翻訳者、翻訳フォーラム共同主宰、社団法人日本翻訳連盟
  常務理事
  高品質・高価格をめざして翻訳の現場で日々努力するとともに、オン
  ライン・オフラインの各種記事、セミナーなどさまざまな場で翻訳者
  という立場からの提言や主張を行っている。
  著書に『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)、訳書に『スティー
  ブジョブズ−偶像復活』(東洋経済新報社)、『ウィキノミクス−マ
  スコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』(日経BP社)などが
  ある。
  ホームページURL: http://buckeye.way-nifty.com/translator/
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 ■ トランネット便り 〜 Up Kii-no-kuni-zaka

 Up Kii-no-kuni-zaka he ran and ran; and all was black and empty
 before him.

 Lafcadio Hearn(1850-1904), “Kwaidan”の中の一篇Mujinaの一節。
 深夜、濠端を通った商人が、しゃがみこんで泣いている妙齢の腰元風の
 女を見かけて「どうしたのか?」と訊ねる。振り向いた女が手で顔を一
 拭いすると…。
 こうして彼は必死に紀伊国坂を逃げ登ることとなる。
 ところで、この濠は千代田城のそれに違いないが、紀伊国坂の方はどこ
 にあるのだろう。これかな?と想定される坂が千代田区と港区にそれぞ
 れ一つずつ、双方、紀伊国坂と命名されて碑も立っている。果してどち
 らなのか?

 やっとのことで屋台のそばの灯りを見つけてへたりこんだ商人、そば屋
 がまた、自分の顔を手でつるり、と…。And, simultaneously, the
 light went out. ということに。

 この『怪談』、斎藤正二、平井呈一、平川祐弘その他の諸氏の名訳があ
 り、それぞれ楽しませていただいている。しかし小社翻訳講座での経験
 からすれば、受講者にとってもっとも難しいのは、この作品のように一
 見、平易な原文を、美しく読み易い日本文にすることのような気がする。
 かといって原文が難解ならばそれはそれで苦労するし…。翻訳とはつく
 づく大変な仕事ですね。


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  【日本語版】https://www2.trannet.co.jp/jwh/jp/jtjc_top.asp

《Publishing House Japan》
   >>作家が出版で世界戦略を立てる、新たな時代の幕開け<<
  http://www.trannet.co.jp/pre_up/web_phj/phj_news.html
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 ■ 後 記

 クルマで運転手の隣の席を「助手席」といいます。元々クルマは厄介な
 乗物だったのでしょう。エンジンのスタートだって助手がいなければま
 まならなかったのかもしれません。しかし今やバスだってトラックだっ
 て一人で乗るのが当たり前です。なのに「助手席」だなんて。実態から
 すると相応しくない言い方に思えます。
 じゃあ英語では何と言うのでしょう。英辞郎で引いてみました。すると
 無難な線の"Passenger's seat" とともに"death seat" なんてのが出て
 きました。米国や豪州の俗語らしいのですが、助手席の方が後部座席よ
 り死の確率が高いのでそう言うのだとか。これもまたあんまりです。
 さて、その「助手席」で妻がグーグー寝ています。運転手たる私をほっ
 たらかして。本当にあんまりです。
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