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 ■ 〜Nichigai Introduction Party〜
 ■ 植草甚一さんの本棚                                 田村洋一
 ■ トランネット便り    音楽オコル・・・
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
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 ■ 〜Nichigai Introduction Party〜 Please join us!
 『英和/和英対訳 最新軍事用語集』編 

 このコーナーでは、日外アソシエーツ発行のCD-ROM商品や書籍をご紹介
 しています。

 2008年1月末、アメリカの偵察衛星が軌道を外れ、地球に落下の恐れが
 あるというニュースが報道されました。偵察衛星は英語で
 "reconnaissance satellite" または "spy satellite"と言います。
 そこで今回は、「偵察」を意味する"reconnaissance"に注目しました。
 次の用語の日本語訳を考えてみてください。

 (1) reconnaissance aviation

 (2) reconnaissance by fire 

 (3) reconnaissance flare  

 日本語訳はメルマガの終わりでチェックしてくださいね。
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 ■ 植草甚一さんの本棚                                  田村洋一

  2007年の秋、東京の世田谷文学館で「植草甚一/マイ・フェイヴァリ
 ット・シングス」という企画展が開催されました。同館は世田谷区に縁
 のある作家・著述家の資料を収集し展示する施設です。映画、ミステリ、
 モダンジャズを中心に精力的にエッセイを書き続けた植草甚一さん(190
 8-1979)も世田谷区の住人で、2008年が生誕100年にあたることを意識し
 ての企画だったようです。

  私が植草さんのエッセイに出会ったのは早川書房のミステリマガジン
 (HMM)でした。1970年前後のことですから、植草さんが雑誌「ワンダー
 ランド」や「宝島」でカリスマ的な人気を得る少し前です。文章を読ん
 でいると何となく生活圏が重なっているような印象があり、そのうち当
 時の私の家と植草さんの家はすぐ近く、つまり小田急線の経堂駅近辺と
 わかりました。また、私のよく知っている神保町の古書店も登場し、何
 となく親近感を持ちました。植草さんの文体は、ある種の「とりとめの
 なさ」が特徴で、正直なところ私には抵抗なく読めるとは言いにくく、
 むしろ波長がピッタリ合ったのは同時期にHMMに評論「パパイラスの舟」
 を連載していた小鷹信光さんのキリリと引き締まった文章なのですが、
 植草さんの「本」に対する尋常ではない情熱(書物の隙間で暮らしてい
 る風情)と、時に鋭く閃く感覚が、私を惹きつけるものを持っていたの
 です。1960年代から70年代にかけては米国の激動の時代でした。キュー
 バ危機、JFK暗殺、ベトナム戦争、公民権運動とキング牧師暗殺、等々。
 植草さんは大衆文学や黒人ジャズメンを通して米国社会の矛盾を見つめ
 ていたように思います。「雑学の大家」や「サブカルチャーの教祖」と
 いう世評は、ご本人の演出があったとしても、目的と手段を取り違えた
 見方のように感じられます。

  今回の企画展には植草さんの膨大なコレクションの一部が(写真でな
 く実物で)展示されると聞けば、出無精の私でも見逃すことはできませ
 ん。実際、大変見応えのある展示内容でした。スイングジャーナル誌に
 掲載されたコラージュやイラストの原画(初公開?)は、植草さんのアー
 ティストとしての非凡さを納得させるものでした。几帳面な購入記録も
 珍しいものでした。しかし、私にとって何より興味深かったのは会場に
 入って最初のコーナーに展示してあった蔵書の書棚です。

  実用本意のスチール書棚1本に、ぎっしりと収まったペイパーバック
 は300冊ほど。書棚の前には蔵書カードの山が置いてあり、ざっと6000
 〜7000冊分に見えますが、それでも植草さんの膨大な蔵書の一部に過ぎ
 ません。書棚の中身はミステリ、SF、ノンフィクションなど雑多ですが、
 同じタイトルの本が2冊ある(しかも1件だけではない)のは不思議です。
 植草さんの場合、うっかりダブって買ってしまったとは考えにくく、判
 型が微妙に違うところを見ると、版次による内容の違いがあるのかもし
 れません。

  その書棚の本を目で追っていくと、ミステリ本に挟まるように、やや
 小型の白い背表紙が見え、そのタイトルは「Woman Times Seven」。こ
 れには目を疑いました。心の中では「そうか!! 本があったのか!!」と
 叫んでいたのです。「Woman Times Seven」は1967年制作の映画で、監
 督はビットリオ・デ・シーカ、主演はシャーリー・マクレーン。カリカ
 チュア的に女性の心の綾を描いた少しエロチックな7つの短編コメディ
 からなるオムニバス作品(それで「女×7」※注1)で、その7役をシャー
 リーが1人で演じ分けます。各編は15分ほどの、小説でいえばショート
 ショートなので、状況設定とその展開が見どころです。共演はピーター・
 セラーズ、マイケル・ケイン、アラン・アーキン、アニタ・エクバーグ
 など豪華な顔ぶれ。舞台はフランスのパリで、全て英語ながら、ユーモ
 アとペーソスにヨーロッパの香りがします。シャーリーの衣装デザイン
 はピエール・バルマン、カメラワークは優れ、さりげなく登場する美術
 品などディテールにも凝っています。最後のエピソード「Snow」の余韻
 もいいし、映画作りを学ぶ若い人には格好の教材だと思うのです。とこ
 ろが…

  この作品、日本ではいつ劇場公開されたのかさえ不明らしく、私の知
 る限り、テレビでも過去に1度だけ、荻昌弘さんのTBS「月曜ロードショ
 ー」で「女と女と女たち」という、あまり感心しない邦題で放映された
 ことがあるだけです。当時、原作本でもあればと期待して探してみまし
 たが見つかりません。その後、VHSビデオは米国版(絶版)だけで日本で
 は発売されず(一部、翻訳しにくいところがあるため?)、米国を含めて
 どこでもDVD化されず(権利の問題?)、ほとんど「幻の名作」になって
 います。(※注2)

  植草さんの蔵書の1冊が本当にこの映画と関係があるのかどうか確か
 めたいという衝動に駆られ、できればVHSビデオも入手したいと思い、
 再び探索することにしました。なにぶん40年前の作品なので、ほとんど
 コレクターズ・アイテムですが、幸い現在はインターネットがあります。
 iMDBで映画の脚本の情報を調べ、古書の書誌情報と付き合わせてみると、
 私の推測は正しかったようです。結局、一方はカナダ、他方は米国で見
 つけたので多少の時間とコストはかかりましたが、非常に状態の良いペ
 イパーバック(1967初版)とVHSビデオ(1993)を入手することができまし
 た。この本は米国コネチカット州の出版社Fawcett Publicationsの叢書
「Gold Medal Book」の1冊で、Cesare Zavattiniによるオリジナル脚本
 を、Charles Einsteinが忠実にノベライズしたものです。この出版社は
 企業買収されたため現存しませんが、ミステリにも力を入れていました。
 植草さんがどのような経緯でこの128ページの小さな本を入手したのか
 は、今では知る由もありません。

【注1】映画「Woman Times Seven」の7つのエピソードは、◇The Funeral
 Procession◇Amateur Night◇Two Against One◇The Super-Simone◇At 
 the Opera◇The Suicides◇Snow
【注2】「幻の…」と嘆いていたところ、ユニバーサルから日本向けの
 DVD(日本語字幕)が3月発売と発表されました。このタイミングは全くの
 偶然ですが、予定通り発売されれば映画ファンには貴重なチャンスです。

 ●参考:
 ・世田谷文学館
  http://www.setabun.or.jp/
 ・Fawcett Publicationsの歴史(Wikipedia)
  http://en.wikipedia.org/wiki/Fawcett_Publications
 ・ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  http://www.universalpictures.jp/


 【著者プロフィール】
  田村 洋一(たむら・よういち)
  東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートル
  ズ世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を
  目の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を
  信じる美術愛好家でもある。
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 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

 1月23日(水)夜間から弊社システムにトラブルがあり、25日(金)の夕方
 までオンラインによるご注文の確認やメールの送受信ができなくなって
 いました。この間ご注文くださった皆様、大変ご迷惑をおかけいたしま
 した。

 ★「広辞苑 第六版 DVD-ROM版」増刷ができました
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 第1刷が品切れしていた岩波書店「広辞苑 第六版 DVD-ROM版」、今週
 から順調に入荷し始めました。みなさま、お待たせいたしました。
 (み)が自宅で使ってみて面白いなと思ったのは、収録動画のなかの「相
 撲のきまり手」。わかりやすいイラストがゆっくり動き、解説文とあわ
 せて見ると「なるほど」と納得です。(ただしこれは前版やザウルスに
 も入っていて、この版のが目新しいわけではないそうです。また、数も
 25種類だけなのがちょっと残念。)

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 ■ トランネット便り    音楽オコル・・・

 日頃、読書をしているとき、職業病なのか、ついつい「この文章を英語
 に翻訳するとしたら、どんな単語を用いてこのニュアンスを表現すれば
 よいのだろう?」などと考えてしまう。翻訳という作業は、単語を別の
 言語の単語に置き換えるだけではなく、その文章が創りだす雰囲気をも
 織り込んでいく創造的な作業だと筆者は考えている。

 小社が運営するJapanese Writers’ Houseで紹介している書籍の中に
『芸者論』という題の示すとおり、芸者にまつわる著作がある。著者は
 かつて、新橋花柳界の創設による劇場に勤めていたので、名妓たちと
 親交がある。
 この著作を読んだときに、芸者文化の優美さを感じさせる美しい文体だ
 と思った。本書の見返しの絵柄のようなしだれ柳が風に揺れ、邦楽が聴
 こえてくる・・・そんな情景の中で読書をしているような錯覚さえ起こ
 した。

 本書の海外プロモーションに使用するため、イギリス人翻訳者に一部翻
 訳を依頼した。正直なところ、花柳界という独特の世界についての専門
 用語がふんだんに登場するこの文章をどれだけうまく翻訳してもらえる
 のだろうか、と不安を抱いていた。
 しかし、それは私の取り越し苦労に終わった。数ヵ月後に送られてきた
 訳文を読んだときに、驚いた。原書を読んだときと同じような優美な音
 楽が頭の中で流れ出したのである。
 私が本を読んでいるときに頭を悩ませている難題を翻訳者はいとも簡単
 に・・・とはいかないだろうが、解決する術を持っているのだ。

 原書を読んだときの感動がその翻訳文を読んだときに再びよみがえる 
 ― 何と贅沢なことだろう。そのときから、入稿された翻訳を読むのが
 いっそう楽しみになった。

【Japanese Writers’House 】
  海外出版を実現するためのプロモーションサイト
 https://www2.trannet.co.jp/jwh/jp/jtjc_top.asp
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 ■ 〜Nichigai Introduction Party〜 <日本語訳>

 (1) reconnaissance aviation  偵察飛行

 (2) reconnaissance by fire  射撃による偵察

 (3) reconnaissance flare  パラシュート照明弾

 ちなみに、偵察衛星は"spy satellite"がニュース等でよく使われるよ
 うです。落下予定は未定だとか。空が異様に光ったら要注意です。
                  
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   金森國臣〔編〕 日外アソシエーツ〔発行〕 2007年2月刊行
  http://www.nichigai.co.jp/sales/military_terms.html
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 ■ 後 記

 BSで香港映画「インファナル・アフェア」3部作の放映がありました。
「男たちの挽歌」以来、じつは香港ノワール映画のファンである私は3
 夜連続で、そして更に録画した3作をぶっ続けで見るという暴挙に出、
 家族を呆れさせました。ところでファンとはいえ最近の香港映画に疎い
 私には気になった点があります。それは登場人物がお互いの名前を、以
 前のようにアンディー、トミーといった様に英語的に呼ばないことです。
 中国返還後、ジャッキー・チェンなんていう呼び方は香港では使い辛く
 なったのでしょうか?
 さて、ラウ、ヤンなどほとんどすべての登場人物が広東語読み中国名で
 呼ばれている中、しかし一人、マフィアのボスの名だけがサムと英語的
 でした。ここには中国返還後の閉塞感に対する香港映画人の反骨がある、
 と思ったのですが、深読みが過ぎるでしょうか。
                              (青)
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 を教えてあげてください。

 なお、バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
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 ※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
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