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 ■ 翻訳読書ノート26  「啓蟄を待ちながら」              北田敬子
 ■ 情報スポット! 中公新社「村上春樹翻訳ライブラリー」創刊
 ■ 翻訳業界雑記 第24回                 吉野 陽
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
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 ■翻訳読書ノート26                                      北田敬子

「啓蟄を待ちながら」

 寒さ厳しい立春に、待たれるのは啓蟄。今年はこの日に東京都文京区千
 駄木でファーブル昆虫館「虫の詩人の館」がオープンするという。完訳
 『ファーブル昆虫記 第一巻上・下』(ジャン=アンリ・ファーブル著、
 奥本大三郎訳、集英社刊 2005)の美装ハードカバー表紙を撫でながら
 私も楽しみにしている。贅沢な本だ。訳者は現地取材を重ね、専属の
 挿絵画家と写真家を確保し、大きな活字で読者の便宜に応じ、悠々と
 全十巻20分冊の刊行を目指す。『すばる』連載を18年続けた上での満を
 持しての個人全訳(むろん世界初)である。「虫の詩人の館」が訳者の
 自宅敷地に開かれると聞いては、原作者と訳者の深い因縁にまで思いを
 馳せぬわけにはいかない。

 鳴り物入りの刊行であるから書評も相次ぐ。中には「なぜ今『昆虫記』
 なのか」と、ダーウィニズムとファーブルの対決を説き、現代の動物
 行動学進展の見地からファーブルの頑迷さをあらためて指摘する書評子
 もいる。それでも本書の今日的意義を認め、詳細な訳注を含めた翻訳を
 称えるものが殆どである。あらゆる世代に供し、しかも「声に出して
 読んで面白い」というこなれた日本語は確かに得がたいものである。
 狩人蜂や幼虫、また食客たちの行動描写に「ここを先途とばかり」
 「不倶戴天の敵」「鎧袖一触」などという表現が自在に繰り出されると
 流石に笑いがこみ上げてくる。講談調と言ってよいかもしれない。日本
 語に叙情と勢いがある。自然観察の書としては破格である。それはとり
 もなおさず原作の味わいなのだろう。

 小学生の頃ファーブルと出会い、昆虫採集に熱中した訳者と同様の道を
 辿った旧少年たちから、本書は絶大な支持を得ていると思われる。IT革
 命にも市場経済の激動にも真似の出来ないホンモノの興奮がここにはあ
 ると。かつて虫愛ずる姫君であったためしのない私でさえ、読み終える
 までどこに行くにもずっしり重い本書を手放すことはできなかった。
 昆虫とわれらは地球を共有していると実感させる点でも、やはり本書は
 きわめて今日的意義を持っている。

 【著者プロフィール】
   北田 敬子(きただ・けいこ)
   東洋学園大学・現代経営学部教授
   東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
   バージニア大学教育学部にて在外研究。
   専門は英語文学、言語とコミュニケーション
   ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/
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 ■ 情報スポット! 中公新社「村上春樹翻訳ライブラリー」創刊
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 翻訳は「仕事」というより、進んでやっている「好きなこと」という
 作家の村上春樹氏。愛好する作家の作品ひとつひとつを時間をかけ楽
 しんで訳してきたそうです。

 これまでの約30点の翻訳作品を「一望に見渡せる棚を作りたい」とい
 う村上氏の願いによって創刊されたのが、中央公論新社の「村上春樹
 翻訳ライブラリー」です。現在、以下のタイトルが配本されています。

 ・「バースデイ・ストーリーズ」(アンソロジー)
 ・「頼むから静かにしてくれ I」レイモンド・カーヴァー著

 3月には以下のタイトルが加わり、以後も隔月(奇数月)に刊行され
 る予定です。

 ・「月曜日は最悪だとみんなは言うけれど」
 ・「頼むから静かにしてくれ II」レイモンド・カーヴァー著

 ペーパーバックのイメージとともに、なるべく廉価にして若者層の手
 に入りやすいようにと、新書判の判型にこだわったそうです。新シリ
 ーズへの収録にあたり村上氏は、1点1点の訳を見直し、表現に手を入
 れているとのこと。村上氏の<目利き>で手ずから訳した個性的な作
 品の数々をご堪能ください。

                   (06.2.2 「新文化」より)

 ※ご注文は、最寄りの書店にてお願いします。
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 ■ 翻訳業界雑記 第24回                吉野 陽

 ○読点とリズム感

 2006年が幕を明けました。今年は冬季オリンピックやサッカーワールド
 カップなど世界的なスポーツイベントが目白押しです。この状況に触発
 されたわけではないのですが、先日スポーツ中に少し調子に乗ってしま
 い、急遽一週間の入院生活を余儀なくされました。病院内ではパソコン
 も携帯電話も使えないということで、書店で平積みとなっている本が入
 院生活のお供となりました。

 購入した本は小説数冊。しかしそのうちの1冊だけなかなか読み進めら
 れません。内容は面白いのですが、一文一文でつまずくのです。どうや
 ら読点の位置が自分の読み方と合っていないようです。しかし読書以外
 にすることもなく、自分ならどこに読点を打つか考えているうちに、
 文芸翻訳家の真崎義博先生が仰っていた「文章のリズムを意識せよ」と
 いう言葉を思い出しました。

 先生曰く、「リズムには歯切れの良いスタッカートと流れるようなレガ
 ートの両方がある。前者は読点をいれ、後者は読点を入れずに一連の動
 作として表現する」ということでした。幸いその時の例がありますので
 ご紹介します。

 --次の2つの文章でリズムが良いのはどちら?-----------------------

 A:(激昂して)「黙れ」ローソンはそう言って、ライアンの方を見た。
 B:(激昂して)「黙れ」ローソンはそう言ってライアンの方を見た。

 [真崎先生の解説]
 怒り方によって違うが、ここでは激昂しているのだから“言う”行為と
 “見る”行為はほぼ同時のはず。間に休符のないBの方が良い。

 ----------------------------------------------------------------

 2つの文章の違いは「読点の有無」だけですが、読点ひとつだけでもこ
 こまで深いものかと目から鱗でした。その他にも真崎先生による文章の
 リズム感を養うコツが下記のページでご覧いただけます。ぜひ一度ご覧
 になってみてください。

 http://www.amelia.ne.jp/user/reading/paper10_02.jsp

 さて読点についてお送りした今回ですが、私自身どうなのかと今までの
 原稿を読み直してみたところ赤面の至り。どうやら私のリズム感に問題
 があるようです。学生時代の音楽の成績が芳しくなかったことを、ここ
 に白状いたします。

                     (アメリア事務局 吉野 陽)
                 http://www.amelia.ne.jp/userTop.do
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 ■ 後記

 冬季五輪が始まります。先日ラジオでトリノ大学の日本語専攻学生が選
 手団の通訳にあたるのだ、という話題をとりあげていました。聞くと、
 イタリアは日本ブームにあり、日本語を熱心に学ぶ学生が少なくないの
 だそうです。なぜ日本ブームなのか?それは 1)日本製アニメの影響
 2)アメリカと違って好戦的ではない日本人の振るまいが好ましいから、
 という解説でございました。
 つまり、日本のオタク振りと優柔不断さがうけているのであります。
 特に名は秘すけど日外のそこのキミっ、すぐトリノに飛びなさい!
 きっともてるはずですよ。
 相手は女性とは限らないかもしれないけれど。
                              (青)
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