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 ■ 翻訳読書ノート24 「蛙三昧」            北田敬子
 ■ 翻訳業界雑記  第23回               吉野 陽
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
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 ■ 翻訳読書ノート24 「蛙三昧」

 百匹では収まらない蛙(かわず)が揃った。「蛙コンペ」とも言うべき
 宴に集うのは、東西の文人・識者。但し御大芭蕉はいない。何故ならこ
 この蛙は英語版。120ページ余りの小型ペーパーバック"One Hundred 
 Frogs" (ed. Hiroaki Sato, illustrations by J.C. Brown, Inklings 
 edition, Weatherhill1995)をパラパラめくると、水墨画の蛙が池の畔に
 とまるトンボめがけて大きくジャンプし、そのまま水中へポチャンと飛
 び込む仕掛けになっているのも愉快だ。「古池や蛙飛び込む水の音」は
 訳者それぞれの個性を映し出す。

 ニューヨーク在住の編者の元へ約二十通りの英訳「蛙句」が送られてきて、
 「訳者を当ててご覧なさい」と挑まれて以来、Sato氏の「蛙集め」が始
 まったという。文献目録付きで寄せられた研究論文収録の五十編を含め、
 本書第一部をなす第一版が出来たのが1981年のこと。それ以降も蒐集は
 続き、Sato氏のリクエストによって書かれた新作を加えたものが第二部
 をなす。翻訳年代順に並べられた第一部の筆頭を飾るのは子規であり、
 Lafcadio Hearnがそれに続く。新渡戸稲造は二編、「飛び込む」は"took
 a sudden plunge"から"jumps in--"に変化している。実直な訳に止まら
 ずリマリック形式、ソネット形式や数字の7の形をした文字配置で書かれ
 たものなど、思いがけないひねりが加えられたものもある。第二部では
 変奏は更に自由度を増し、William Matherson のように3ページに及ぶ散
 文(男女の会話からなる蛙句の謎解き)といった解釈・批評をも許容する。
 いや豪勢なものです、蛙君。

 語に解体すれば僅か六つか七つの要素が、訳者によってこれほど多様な
 詩句に変化するのは圧巻だ。「池」だけでも mere, pond, lake, pool, 
 depth, bog(ge) . . .これに「古」がくっつくと生まれるバリエーショ
 ンの多さ!改行の仕方、感嘆符のあるなし、また擬音を入れるかどうか
 の判断など、微細な違いが興味深い。ふと思う。俳句は確かに禅の公案
 のようだと。(訳者の中には鈴木大拙もいる。)頭でひねくり回しても
 本懐は得られない。直覚が動くかどうか。伝えようとして伝わるものば
 かりではない。しかし、仏教も日本文化やその精神もことばを拒絶して
 はいられない。

 ついで手を伸ばした"Haiku"「俳句」(選・文 高橋睦郎  写真 井上博道
 アートディレクション 高岡一弥  翻訳 宮下惠美子  ピエ・ブックス 
 2003)を読み且つ眺めながら、このわびさびは日本人にしか分かるまい
 などという時代は疾うに過ぎたのを感じる。放っておけば日本人にすら
 分からなくなっている。だが、俳句を好む現代の若者たちは多い。(ネ
 ット俳句サイトには人気があり、「俳句甲子園」は映画にもなっている。)
 ことばは伝承に発展にどこまでも食い下がるしかない。蛙の宴は始まっ
 たばかりだ。


 【著者プロフィール】
   北田 敬子(きただ・けいこ)
   東洋学園大学・現代経営学部教授
   東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
   バージニア大学教育学部にて在外研究。
   専門は英語文学、言語とコミュニケーション
   ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/
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 ■ 翻訳業界雑記                    吉野 陽

 ○翻訳と著作権

 先日CS放送で『ジョー・ブラックをよろしく(原題:Meet Joe Black)』
 が字幕で放送されていました。この映画は私の大好きな映画のひとつで、
 めったに購入しないDVDも持っています。

 もう何十回も観た映画なのですが、ビールを片手にテレビに釘付けになっ
 てしまいました。

 しかししばらく観ているうちに、違和感が沸いてきました。「年を取っ
 たせいで感受性が鈍ったか」と、“死と税金”同様に逃れられない“時”
 を思いながらビールの空き缶は増えていったのですが、あることに気が
 ついてDVDをデッキに挿入して、再生ボタンを押しました。

 シンクロするDVDとCS放送の映像。同じ場面を見比べてみると、なんと
 字幕が全く違うのです。

 なぜ字幕が違うのか。これは著作権が関係しています。ビデオ・DVD化
 の権利を取得した会社は、その会社の予算などの都合にあわせて翻訳者
 を探し、翻訳を依頼します。同様にBS・CS放送の権利を取得した会社は
 その会社で翻訳者を探して翻訳を依頼します。

 つまり権利ごとに翻訳者が違ってしまう可能性が高いということになり
 ます。このことは話では聞いてはいたものの、目の当たりにしたのは初
 めてのことでした。

 ちなみに私はDVDの字幕の方が性に合っているようです。何度も観て、慣
 れ親しんだからかもしれませんが。

 翻訳に「これだ」という正解はありませんが、いろいろな訳を見比べて
 みるのも勉強になって面白いものだと実感した初秋の夜の出来事でした。

                    (アメリア事務局 吉野 陽)
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 ■ 後記
 
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 を聞きました。何でも、企業の社内情報漏洩危機対策の影響で、翻訳の
 仕事も外注できないということがあるとか。皆様の身近でもその様なケ
 ースがありますでしょうか?

                              (青)
 ……………………………………………………………………………………
 北田先生の今回の書評「蛙三昧」、興味深いですね。ちなみに私のお気
 に入りは、明治・大正期 の英語学者・斎藤秀三郎(1866-1929)の以下
 の英訳です。

   古池や     Old garden lake!
    蛙飛び込む   The frog thy depths doth seek,
     水の音     And sleeping echoes wake.

『斎藤和英大辞典』(1928)の「古池」の項に載っています。「英米人の
 文章の引用は、和英辞典には載せるべきではない」と考えた彼は、この
 辞典に個人的主観、趣味嗜好を大いに取り入れ、俳句、和歌、都々逸、
 漢詩などの英訳を随所にちりばめているのです。

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                              (竹)

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