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 ■ 迷惑メール?
 ■ Cell、Cell、そして Cell(その3)         田村 洋一
 ■ 翻訳読書ノート22                 北田 敬子
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
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 ■迷惑メール?
 
 こんにちは青木です。

 長いお付き合いを頂いている読者の方よりお便りをいただきました。
 なんでも、「メールソフトを変更したら、『読んで得する翻訳情報マガ
 ジン』に迷惑メールマークが付けられてしまいました!!!」とのこと。
 今回のケースがそれに当てはまるのかどうかはわかりませんが、ウイル
 ス撃退ソフトによっては、小メルマガのタイトル中にある「得」という
 文字を「いかがわしいゾ」と判断し、はじくケースもあるとか。
 
 本件なんとか対策を講じたいのですが、何分に実情が不明であります。
 そこで、今回はいつもながらの件名で配信させていただきますが、上記
 のようなケースがあるのであれば、ご一報いただけると大変助かります。
 お忙しい中、大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
 
 尚、上記のお客様の場合、配信元=tran@nichigai.co.jp にメールを送
 ることで迷惑メール扱いではなくなるということでございました。
 そのような場合はどうぞ遠慮なく tran@nichigai.co.jp 宛に空メール
 をお送り下さい。
 もちろん一言でも近況などをコメントいただけると、望外の幸せでござ
 います。こちらの方もどうぞ宜しくお願い致します。
 
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 ■Cell、Cell、そして Cell(その3)          田村 洋一

 3)「Cell」プロセッサ (Cell processor)

  ITの世界では昔から「cell」という用語はよく使われてきました。
 携帯電話は「cellphone」ですし、MS Excelなどのスプレッドシートの
 枡目も「cell」です。計算機科学では「セル・オートマトン」(cellular
 automaton)が有名です。

  今回とりあげるのは、そのものズバリの「Cell」ですが、これは「STI
 グループ」(ソニー・グループ、東芝、IBM)が数年前から共同で開発中
 の高性能プロセッサの開発コード名です。2005年2月に米国サンフラン
 シスコで開催された半導体技術の会議「ISSCC 2005」(IEEE 2005 
 International Solid-State CircuitsConference)でその詳細が正式に
 発表され注目を集めました。Cellは2005年末頃に発売されるソニーの次
 世代ゲーム機「PlayStation 3」(PS3)に搭載される予定です。このプロ
 セッサについて、なるべくカタカナの業界用語を使わずにご紹介しまし
 ょう。

  このチップの構造はユニークです。従来の多くのパソコンに搭載され
 ている Intel や AMD のプロセッサ(MPU: Micro Processing Unit/通
 称「CPU」)に内蔵されている演算ユニットは1個だけですが、Cellには
 「PPE」(Power Processor Element) と呼ばれる演算ユニットが1個と
 「SPE」(Synergistic Processor Element) と呼ばれる演算ユニットが
 8個搭載されています。つまり「頭脳」が9個あるわけで、うまく仕事を
 分担できれば格段に能率があがるというわけです。8個の SPE は全く同
 等で、同時並行的に処理を行うことができます。また、これらを数珠つ
 なぎにして1番目の処理結果を2番目に渡し、2番目の処理結果を3番目に
 渡し…というように直列的に仕事をさせることもできます。しかも2番
 目の SPE が仕事をするとき、1番目の SPE は次の仕事に取りかかって
 いるという具合で、全体として非常に大きな処理能力を発揮します。
 これはデジタル化された映像と音声の連続処理に適した機能です。PPE
 は SPE にさせる仕事の準備と割り振りをし、SPE に実行や停止を命令
 する「旗振り役」と考えればいいでしょう。

  Cell は大きな潜在的能力を秘めています。現在のパソコン用プロセッ
 サの10倍の性能を同等以下の消費電力で発揮すると予想されます。さら
 に複数のCellを連携させる仕組みを備えているので、多数の Cell で構
 成されたスーパーコンピュータを組み上げることも容易です。IBM は、
 Cell を64個搭載すれば標準ラック1台に収まる大きさで最高 16TFLOPS 
 の高性能ワークステーションを実現できそうだと発表しました。昨年ま
 で世界最高性能のスーパーコンピュータだった日本の「地球シミュレー
 タ」(建物1棟を占有)の演算能力が約 36TFLOPS であることを考えれば、
 その性能の高さが…と言ってもなかなか実感できないかもしれませんね。
 (1TFLOPS は浮動小数点演算を毎秒1兆回実行できる能力)

  ここまではハードウェアの特徴から期待できる性能の「可能性」とい
 う話ですが、「コンピュータ、ソフトなければただの箱」というIT業界
 の古い川柳にあるとおり、Cell の性能をフルに発揮させるためには、ま
 ず並列処理の制御に優れたソフトウェアが必要不可欠です。コンピュー
 タを制御するオペレーティングシステム(OS)やファームウェアはもちろ
 んですが、最も重要なのは Cell に最適な実行コードを生成するコンパ
 イラ(C言語等の言語処理系)です。テキサス州オースチンにある開発拠点
 では既に試作機が完成し、パソコンの形でのテストが開始されたと伝え
 られていることから、ソフト面の開発も進んでいるようです。また、パ
 ソコンではありませんが、東芝は2005年4月の展示会で Cell を利用して
 48本のデジタルビデオを同時に再生するデモを実演しました。東芝のソ
 フト実行環境は自社構築によるものということです。順調に行けば、
 2005年末から2006年にかけて Cell の開発ツールが公開されるようにな
 ると思われます。

  Cell は当初の目的がゲーム機ということで動画処理を高性能化できる
 ことは当然ですが、次世代 DVD と組み合わせたデジタル家電や携帯機器
 への利用も検討されているようです。翻訳に関連する用途を考えてみる
 と、デジタル映像・音声の再生や編集が今までより容易になれば、映画
 やビデオの日本語版の制作が楽になります。自然言語処理、例えば日本
 語の形態素解析のスピードアップが可能になり、携帯電話に通訳機能が
 搭載されるかもしれません。文書検索のスピードアップにも有効と思わ
 れます。一方、リアルタイムの画像処理、いわゆる「コンピュータ・ビ
 ジョン」(computer vision)という面では、航空管制システム、監視カ
 メラとの連動や生体認証(biometrics)、さらに、積極的に推奨したいわ
 けではありませんが、軍事用として様々な用途が考えられ、IBMはアプ
 ローチを始めたようです。例えば群衆の中から特定の人物を選別して追
 跡する、あるいは雑踏の中で特定の会話を聞き取る…というような用途
 に Cell は適しているように見えます。ベトナム戦争で米軍が使用した
 初期の「スマート爆弾」にソニーのビデオカメラが搭載されていて問題
 になったことをふと思い出します。

  Cell にまつわる知的財産権の問題なども注目すべきテーマです。互換
 性のない Cell がすぐに Intel や AMD のパソコン用プロセッサを置き
 換えることは考えられませんが、同じ IBM 製の PowerPC プロセッサを
 搭載する Mac については近い将来 Cell が搭載される可能性があります。
 Cell がパソコンを越えて予想もしなかった新しい用途を開拓してくれる
 ことも期待したいと思います。

 【著者プロフィール】
   田村 洋一(たむら・よういち)
   東京生まれ。幼稚園に入る前から FEN を聴いて育った生粋のビート
   ルズ世代。SE として日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰
   を目の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼
   を信じる美術愛好家でもある。

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 ■ 翻訳読書ノート22                 北田 敬子

 「霧のなかへ、私も」

 これまで迂闊にも PTSD が Posttraumatic Stress Disorder(心的外傷
 後ストレス障害)の略語とはっきり認識していなかった。トリイ・ヘイ
 デンというベストセラー作家の本を読んだことがなかったというのも面
 目ない。最新刊の『霧のなかの子--行き場を失った子どもたちの物語』
(入江真佐子訳 早川書房 2005年)で初めて出会った。

 物語といってもこれはノンフィクションであり、トラウマを抱えた人々
 とのセラピーを通じた関わりの記録である。この作品には彼女がアメリ
 カの大都市の総合病院に勤務していた時、母親と別れた実父に誘拐され
 叔父から2年間にわたって性的虐待を受け続けた9歳の少女カッサンドラ、
「選択性無言症」が疑われる4歳の少年ドレイク、脳卒中の後無言の世界
 に閉じこもった82歳の女性ゲルダ、およびその家族との数ヶ月間の交渉
 が書かれている。いずれも「めでたしめでたし」とはいかない複雑なケ
 ースでありながら、一人のセラピスト(教師・心理学者でもある)が通
 常のコミュニケーション手段としての「ことば」を持たない人々に何を
 為し得たのか、為し得なかったのかが詳しく語られる。

 以心伝心をコミュニケーションの最高の形と見なす日本語文化から見れ
 ば、あくまでもことばによって人の心の奥に分け入ろうとする療法には
 俄に受け入れがたい部分もある。だが見えない部分に光を当てるのがこ
 とばの力だとすると、ヘイデンの愚直なまでの取り組みに光明を見いだ
 す人々が後を絶たないのも頷ける。そして攻撃的な、虚妄の、あるいは
 一見脈絡のない言語表現の彼方には必ず「家族の問題」が横たわってい
 ることに、読み手は一様に慄然とした気分になるのではなかろうか。

 ヒトは心の問題を避けて通れない。それは万国共通だ。心の傷、家族の
 病から解放された民族はまずいない。ヘイデンの作品が多言語に翻訳さ
 れ続けるのは、その痛みにつける特効薬がないことの証明かもしれない。
 それにしても「トリイ・ヘイデン読書感想文コンクール」に寄せられる
 作品はどんなものだろう。優秀作品が英訳されて作者の元に届けられる
 のかどうか。「霧のなかへ、私も」とこの作品を我がこととして読み、
 思いを書き 連ねる大勢の読者の姿が目に浮かぶ。

 【著者プロフィール】
   北田 敬子(きただ・けいこ)
   東洋学園大学・現代経営学部教授
   東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
   バージニア大学教育学部にて在外研究。
   専門は英語文学、言語とコミュニケーション
   ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/

 ◇◇◇ For your reference ・・・・・・
 
 ◆ヘイデン,トリイ(Hayden, Torey L.) 
 教育心理学者 
 1951年5月21日、米国・モンタナ州に生まれる。 
 大学時代に低所得者層の未就学障害児を世話するボランティアをして
 以来、教員や精神医学研究者としての学位を取得しながら、情緒障害児
 教室、州立精神病院、福祉施設などで働く。それらの体験をもとにした
 ノンフィクションの著作が多数ある。「シーラという子―虐待されたあ
 る少女の物語」は22ケ国語に翻訳され、TV映画化された。その続編「タ
 イガーと呼ばれた子―愛に飢えたある少女の物語」の他、「愛されない
 子」「ひまわりの森」などもある。

       (データ提供:日外アソシエーツ 人物・文献情報 WHOPLUS)

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