┏┌┌┌
   ┏┏┌┌  読んで得する翻訳情報マガジン
   ┏┏┏┌ 〜トランレーダー・ドット・ネット〜
   ┏┏┏┏

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃    寒い時期にはおうちでゆっくり調べもの。    ┃
 ┃―――――――――――――――――――――――――――┃
 ┃ * 翻訳・語学のためのオンラインCD-ROM辞書専門店 *  ┃
 ┃   ★ http://www.nichigai.co.jp/translator/ ★   ┃
 ┃  ネット上でも対面販売の気配りを大事にしています  ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 ━━━━━━━   コンテンツ・メニュー   ━━━━━━━━━
 ■「科学技術ばなれ」の考察               田村洋一
 ■ (新コーナー)カタカナ語適訳講座
 ■ 翻訳業界雑記  第19回                吉野 陽
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■「科学技術ばなれ」の考察               田村洋一

  このところ子供から大人まで科学技術に対する関心や期待感が低下し
 ているという話をよく耳にします。この傾向は日本に限ったことではな
 く、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)では電子工学を志望する学生
 が急減し、英国の名門校の一つエクセター大学(Exeter University)では
 歴史のある化学部が廃止されることになりました。その一方で、科学技
 術の水準は企業間、国家間の競争力に直接関わっており、人材育成と研
 究環境の整備の必要性は高まる一方です。このような乖離現象が起きて
 いる背景を少し考えてみたいと思います。

  第1に、科学技術の進展に人々の理解力がついていけなくなったことで
 す。理論物理学や宇宙論など日常生活から距離のある分野はもちろん、
 生命科学やナノテク(nanotechnology)など成果物が既に日常生活に入り
 つつある分野でも同様の傾向が見られます。例えば生命科学の領域では、
 遺伝子組み換え(GM)作物が環境に与える影響、あるいは遺伝子治療や胚
 性幹細胞を利用する再生医療の可能性、さらにはヒト遺伝子の特許問題
 など重要な動きがあります。ナノテクは様々な工業材料や電子機器に利
 用され化粧品にまで応用されています。しかし、これらの実態を知り本
 質を理解している人は少数派ではないでしょうか。眼に見えない領域、
 「直感」が通用しにくい世界はどうしても敷居が高くなります。「そん
 なものか」で終わってしまっては理解に結びつきませんし、「科学は所
 詮ひとごと」と考えてテクノクラートだけに下駄を預けるのも危険です。
 科学は魔法ではありません。しかし難解な事柄を平易なモデルでわかり
 やすく解説するには卓越した知識とセンスが必要です。私が高校生の頃、
 岸田純之助と星野芳郎という二人の気鋭の技術評論家が先端技術と技術
 革新について著作やTVで精力的な仕事をされていて、私は多大な影響を
 受けました。現代のジャーナリスト、評論家、そして科学技術に関わる
 翻訳者も一層の努力を求められていると思います。

  第2に、科学技術利用の倫理面について不信感が蔓延していることです。
 足尾鉱毒問題や水俣病以来の様々な公害は数十年かけて漸く対策の枠組
 みが整いつつありますが、つい最近も新たに工場排水の垂れ流し事件が
 発覚し、公害問題の根の深さを実感させられました。また、地球温暖化
 もいわば大規模な公害であり、今後はバイオテクノロジーの弊害などが
 顕在化する懸念もあります。公害問題の難しさは新しい有用な技術に必
 ず負の副産物が伴うことで、しかも対策が常に後追いになっていること
 です。一方、日本では原子力開発に伴う様々な「嘘」の積み重ねも科学
 技術への不信感を煽る元凶となってきました。「人間は必ずミスをする
 ものであり、そのミスが大きな事故につながらないようにフェイルセー
 フやフールプルーフを組み込んだ設計が大切である」という基本的な認
 識が共有されていないように見えるのは甚だ残念なことです。システム
 の設計者や運用に当たる現場の技術者に厳しい倫理観が求められるのは
 確かですが、それ以上に企業経営層や行政当局の責任は大きいと言わな
 ければなりません。そして、もう一つは科学技術が戦争に奉仕してきた
 事実です。「戦争があったからこそ科学技術は進歩した」という論はそ
ろそろ終わりにしたいものです。

  第3に、基礎系の科学は「金=マネー」に結びつかないという近視眼的
 な発想が大学関係者や受験生に広がりつつあることです。例えば、英国の
 ニューカースル大学(Newcastle University)の大学院では物理学の学位
 課程を廃止し、代わりにナノテクなどの応用物理学コースを拡充します。
 東京工業大学は大学院の電気系専攻で「博士一貫コース」を新設します。
 現在は修士課程と博士課程で5年間ですが、これを4年間に短縮し残りの
 1年は海外でポスドクとして研究経験を積ませるというものです。需要の
 多い「即戦力の博士」(?!)を育てるためだそうですが、私はつい懐疑的
 になってしまいます。本来、応用は基礎の上に成り立つものです。この
 ような傾向が続くと現状の延長線上でしか物を考えられない研究者ばか
 り増えてしまい、長期的にはマイナス要因になりかねません。確かに期
 間を限定して目標を設定することは重要ですが、基礎研究において「結
 果を出す」までの期間は1年や2年ではなく、場合によっては文字通り
 「ライフワーク」になることは科学史が証明しています。しかも画期的
 な研究成果ほど当初は周囲に理解されないものなのです。大学の制度改
 革の影響で財源が厳しく制約されるとしても、貴重な研究の芽を摘んで
 しまわないように、研究助成金を審査する側には今まで以上に確かな眼
 が求められ、同時に大きな責任が課されることになります。

  科学技術がバラ色の未来を保証するものではないことは既に明らかに
 なりました。私たちはその得失を冷静に見極め、時には警鐘を鳴らす必
 要があります。そのためにも多くの人が科学技術アレルギーに陥ること
 なく現状と問題の本質を少しでも理解することが重要です。そのための
 手がかりはWeb上にもたくさんあります。皆さんも「世界物理年」を機に
 何かに挑戦してみてはいかがでしょうか。

【参考】科学技術教育に関連するWebサイトです。

・文部科学省の「科学技術・理科大好きプラン」(2002年より実施中)
 http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/daisuki/main10_a4.htm
・同プランの一部、SSH(スーパーサイエンスハイスクール);
 指定校の一つ東京都立戸山高校の事例(詳細な実施計画書あり)
 http://www.toyama-h.metro.tokyo.jp/annai/f_ssh.html
・文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(教育全般)
 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/needs/report/04091701.htm
・教育情報ナショナルセンター(NICER)
 http://www.nicer.go.jp/
・高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「FAQ(よくある質問)」
 http://www.kek.jp/ja/faq/

 【著者プロフィール】
  田村 洋一(たむら・よういち)
  東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
  世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
  の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
  じる美術愛好家でもある。

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■<特集>スマトラ沖大地震関連記事

 No.72にて掲載しました、田村洋一氏による特集記事をご紹介します。
 読み逃してしまったという方、是非ともご覧ください。

 記事全文はこちら↓です。
 http://www.nichigai.co.jp/translator/column/tsunami.html

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ (新コーナー)カタカナ語適訳講座
 
 こんにちは、突発的に始まりました新コーナーです。
 カタカナ語の氾濫に異を唱えつつ、遊んでしまおうと思います。
 皆様からの秀逸なご投稿をお待ちしております。

 第1回目は忌まわしい“犯罪、嫌がらせ”に関しての適訳です。
 
〈カタカナ語〉→〈適訳〉
  スキミング→「盗み読み」
  ピッキング→「鍵遁術」
  セクハラ →「性的嫌がらせ」
  パワハラ →「笠に着る」
                  (東京都 みどりお姉さん)

 「上司がパワハラでさぁ〜」というと愚痴っぽいですが、
 「あの野郎、笠に着やがって」というと、不正な圧力に立ち向かって
 いく感じがします。

 ★ 身近にある、へんてこなカタカナ語に適訳をつけてご投稿下さい。
   宛先は tran@nichigai.co.jp カタカナ語適訳講座係です。
   宜しくおねがいいたします。

                             (青)

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 翻訳業界雑記  第19回                吉野 陽
 
 ○伝えるということ

 翻訳とはちょっと離れたお話になってしまいますが、年明けに何気なく
 見ていたテレビ番組で「澤の屋」という旅館の特集が放送されていまし
 た。確か TBS の「夢の扉」という番組だったと思います。

 この旅館の利用客のほとんどが外国人観光客で、観光マップにも「外国
 人の宿」と紹介されています。全12室のうちトイレ・風呂なしが10部屋
 もあり、昔ながらの下町旅館という感じですが、稼働率はなんと90%以
 上。2003年には国土交通省の「観光カリスマ」にも選ばれたそうです。

 人気の秘密はリーズナブルな価格にもありますが、館主の澤功さんが語
 られていたように、外国の人にとって「宿泊施設は手段、目的は旅」と
 いうニーズにかなっている点があげられるのではないでしょうか。

 旅館は家族で経営しており、また各種イベントも充実しています。外国
 人観光客が真剣な表情で「獅子舞」や「お茶」の実演を観賞し、笑顔で
 旅館を後にしていく姿を見て、なぜか私の方が誇らしげになってしまい
 ました。

 これだけ人気の旅館ですので、後日宿泊客からお礼の葉書が日本語で寄
 せられています。文字としてはかろうじて読める程度で、ちょっと記憶
 が曖昧ですが「お世話になりますした」というような葉書もありました。
 しかし綺麗な文字で「お世話になりました」と書いてあるよりも、慣れ
 ないながらも必死で手書きした「お世話になりますした」の方が気持ち
 が伝わってきました。言葉は気持ちや考えを伝えるための手段のひとつ。
 もちろん翻訳において誤りがあってはいけないことですが、時には(特
 に文字制限のある字幕翻訳では)正確性を犠牲にする場面に遭遇するこ
 とがあると思います。原文から読み取れる目的や真意を伝えることが大
 切であるということは常に意識しておくべきことでしょう。

 というわけで、私から年賀状が届いた皆様。字が汚いながらも必死で心
 を込めて書きました。気持ちは外国人観光客にも負けません。本年もど
 うぞよろしくお願いいたします。

                    (アメリア事務局 吉野 陽)
               http://www.amelia.ne.jp/userTop.do

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
 
 ★日外の人気商品を搭載したセイコーの電子辞書、新発売
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 セイコーインスツル社から、日外アソシエーツの人気商品「180万語対
 訳大辞典」と「ビジネス技術実用英語大辞典」を搭載した機種が発売さ
 れます。ほかにもNHK出版「やさしいビジネス英語実用フレーズ辞典」
 など、ビジネスに役立つコンテンツを多数収録。ビジネスを本格サポー
 トするビジネス特化モデルです。
 発売は2月24日。ご予約も承ります。

  ●セイコー電子辞書「SR-E9000」:\39,800(税込)
 http://www.nichigai.co.jp/translator/ic-dictionary/sr-e9000.html

 ★「MED-Transer」がバージョンアップしました!
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 クロスランゲージ社の医学・薬学用翻訳ソフト、「MED-Transer for 
 Windows」がバージョンアップ。今回の「V4」では、医学辞典の定番
「ステッドマン医学大辞典」の翻訳用専門語辞書を搭載した製品もライ
 ンナップに加わりました。

 1)MED-Transer V4 パーソナルfor Windows    :\45,360
 2)MED-Transer V4 パーソナルfor Windows
  ステッドマン翻訳専門語辞書+ステッドマン医学大辞典パック
                        :\64,260
 3)MED-Transer V4 プロフェッショナルfor Windows:\120,960
 4)MED-Transer V4 プロフェッショナルfor Windows 
  ステッドマン翻訳専門語辞書+ステッドマン医学大辞典パック
                        :\139,860

 *1) 3) にはステッドマン翻訳専門語辞書、ステッドマン医学大辞典
 は含まれません
 *いずれも価格は税込価格です

  http://www.nichigai.co.jp/translator/software/index.html

 ★「OED Ver.3.1」の発売記念特価、もうすぐ終了です
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 「OED Ver.3.1」の発売記念特価期間は2005年2月28日までです。この
 機会を是非お見逃しなく。
 既に旧版をお持ちの方にはお得なアップグレード版もあります。
 ※なお、「Ver.2.0 or Ver.3.0 ⇒ Ver.3.1」は大好評のため現在品切
 中(イギリス本国、日本の輸入元とも)。次回入荷は3月の予定です。

 ●Version 3.1:¥51,450(2005/2/28まで)
 ●Ver.1.X.X ⇒ Ver.3.1 アップグレード版:\20,906
 ●Ver.2.0 or Ver.3.0 ⇒ Ver.3.1 アップグレード版:¥13,934
  *いずれも価格は税込価格です

 http://www.nichigai.co.jp/translator/oed_v3.html

 ―[PR]―――――――――――――――――――――――――――――
☆『インターネットで検索できる人物情報WHO』(無料配信中)
   ⇒お申込はこちら
    http://www.nichigai.co.jp/web_who/mail_mag/index.html
   ⇒メールマガジンのバックナンバーはこちら
    http://www.nichigai.co.jp/web_who/mail_mag/index.html

 ◎名物コラム《わが家にWebWHOがやってきた》丸山タケシ
  ⇒第25回は「あのときあの人は……」の巻です。

 ◆活用事例も公開中です【「タレント」兼「教授」といえば…?】◆
 クリック⇒ http://www.nichigai.co.jp/database/who-guide.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
配信登録・停止の手続きは、下記↓のフォームからお願いします。
 http://www.nichigai.co.jp/translator/request_form2.html

または tran@nichigai.co.jp 宛に「配信希望」「配信希望せず」と
直接ご連絡いただいても手続きができます。

★友人・知人、親戚・縁者に配信希望の方がいらっしゃる場合、
 →http://www.nichigai.co.jp/translator/request_form2.html
を教えてあげてください。

なお、バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 →http://www.nichigai.co.jp/translator/mail_mag/index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
読んで得する翻訳情報マガジン トランレーダー・ドット・ネット
No.74 に対するご意見ご要望はこちらまでお寄せください。
 tran@nichigai.co.jp ※ 提供 日外アソシエーツ株式会社
 http://www.nichigai.co.jp/
※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
【バックナンバー】
 http://www.nichigai.co.jp/translator/mail_mag/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「読んで得する翻訳情報マガジン」に記事として掲載されたサイト
を利用になる上で発生したあらゆる損害に関して、編集発行人は一
切の賠償責任を免れます。「読んで得する翻訳情報マガジン」に
掲載された記事の転載については、発行人の方にご一報ください。
許可の無い転載は禁止いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyrights (c) 2005 Nichigai Associates. All Rights Reserved.


「読んで得する翻訳情報マガジン」案内へ戻る