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■「丸善」のない日本橋(下)              田村洋一
■ 翻訳劇のフシギ・翻訳劇の魅力 5          今井克佳
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ☆☆☆「対訳君」
■ 翻訳業界雑記 第17回                吉野 陽
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■「丸善」のない日本橋(下)              田村洋一

 ところで「丸善」に美術とくれば、思い出すのは梶井基次郎の短編
「檸檬」の次の一節です。

 『変にくすぐったい気持が街の上の私を微笑ませた。丸善の棚へ黄金
色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後に
はあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにお
もしろいだろう。』

 ご承知の通り、この話の舞台は河原町通に面した丸善・京都店なので
すが、やや薄暗い中にぎっしりと大型の画集が並んでいた一昔前の日本
橋店の美術書売り場の記憶と結びついて、私はこの情景をセピア色のモ
ノクロームにレモンだけが鮮やかな黄色で浮かび上がる映画の1カットと
して思い浮かべてしまうのです。

 話を本に戻して、私は海外雑誌の年間予約購読も丸善で始めました。
その一つが英国の「Punch」です。購読を始めてすぐ名編集長Alan Coren
氏が着任し、翌年サッチャー政権が発足しました。Maggy (サッチャー氏)
と石油を握るアラブの富豪たちは Punch にとっては格好の材料で、毎号
のように似顔絵つきで皮肉られていました。当時英国では民営化をめぐる
労働争議が頻発し、港湾ストのため雑誌が日本に届かないこともありま
した。社会風刺とユーモアだけでなく優れた短編小説を掲載したことも
Coren 氏の功績です。これは後に「The Punch Book of Short Stories」
や「Pick of "Punch"」と題されて出版されました。英国の文化財ともい
える Punch でしたが1990年代の低迷を経て2002年についに廃刊となりま
した。最近の世界情勢を見ていると「Punch ならどうする?」と思うこと
が度々です。内外を問わず「風刺」が衰退したのはなぜでしょうか。Punch
の遺産は下記のWebサイトで公開されています。Punch はサッチャー政権
下の英国を研究する人には必見の資料であることは確かです。

 【参考】PunchのWebサイト -- http://www.punch.co.uk/

 さて、人ごとながら丸善・日本橋店で気になるのは2007年春に開店す
る予定の新店舗が一体どんな形態になるのかということです。同社は引
き続き日本橋で営業すると公約していますが、従来の書籍、文具・雑貨、
アパレルという構成だけではインパクトに欠けます。書店という面では
「2年半後に新装開店する書店のあるべき姿」を構想することになります。
二つ目の超大型書店は必要ないでしょう。さりとて、文庫、新書、雑誌、
新刊主体の1フロア程度の店舗では丸善の歴史が泣くというものです。
アカデミックな特長の一つだった「本の図書館」は丸の内店に移転して
しまいました。丸善のオンライン書店はまだ一人前とはいえず、それを
補強するような店舗はどんな機能を持つべきでしょうか。電子出版が本
格化する前にビデオやテレビのブロードバンド配信(翻訳の新市場?)が
普及しそうなので、教育学習分野でのデジタル家電を取り込むことも考
えられます。同社の事業の柱の一つである図書館向けサービスを絡める
ことは日本橋という場所で可能でしょうか。

 一方、アパレルについてはオリジナルブランドの高級品のほか、ファ
ッション性を高めることが必要と思いますが、真向かいにある高島屋や
改装した三越本店と競合するのか相乗効果を生めるのかは微妙なところ
です。4階に入っていたクラフトセンター・ジャパン直営店のようなアー
トの要素も必要です。もちろん美味しいレストランと喫茶店も。

 こんなわけでこの新店舗のプラニングはかなり難しい戦略的要素を含
んでいて、まだ不透明のようです。著名海外ブランドの旗艦店に席巻さ
れた銀座とは別の意味で本物志向を目指す、やや英国調の落ち着いた雰
囲気の店…というのが妥当な線ですが、実は上質のイベントスペースや
意外なテナントを入居させて予想を裏切ってほしいという期待もありま
す。どんなデザインのビルが建つのかを気にしながら、ここしばらく、
私は何となく落ち着かない気分で日本橋を歩くことになるでしょう。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。


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■ 翻訳劇のフシギ・翻訳劇の魅力 5          今井克佳

『ときはなたれて』/『チェーホフ的気分』

実在の人物が実際に発した言葉を素材に構成された芝居を、偶然にも続
けて二本観た。

一つ目は燐光群アトリエの会の『ときはなたれて』The Exonerated。作
者らは2000年にアメリカ全土を旅して、無実の罪で死刑判決を受け、
後に釈放された人々にインタビューをしたという。彼らの収監期間は数
年から数十年。これらを素材として、裁判記録をも含めてこの劇作は構
成された。

会場は「梅ヶ丘BOX」。客が50人入ればいっぱいの、稽古場を兼ねた小
空間だが比較的新しい建物のせいか、小劇場につきもののアングラ臭は
感じられない。床は落ち葉の散り敷いた公園の一隅のようにしつらえら
れて、木製の腰掛の他には何の装置もない。主要な六人の俳優はここに
腰かけ、交互に立ち上がって、自分が逮捕され、判決を受け、収監され、
釈放されるまでの顛末を断片的に語り継いでいく。差別・偽証・任務怠
慢・監獄での虐待。おそるべき人間の闇。そして世界で一番優れて強い
民主国家であるはずの国の抱える、愚かさと弱さ。

長方形の空間の長辺に二列だけの客席は、裁判の陪審席のようだ。弁護
士や検事役の俳優は陪審員である観客に向かって語りかける。この小空
間を共有した私たちは、否応なしにこれらの事件の目撃者・取材者・証
言者となるのだ。社会問題を取り上げ続ける燐光群の坂手洋二演出は、
だが一種のポップさも持ち合わせており、深刻過ぎず受け入れやすい。
長い年月の後、深淵から生還した人々の言葉は時に哲学的な響きを伴い
心に残る。

二つ目は劇団昴の『チェーホフ的気分』。没後百年ということで今年は
チェーホフ上演が盛んだが、この作品はチェーホフと、妹を含む五人の
女性、および編集者との間に交された書簡の言葉を主な素材として、劇
作『かもめ』のセリフも取り入れて構成されている。

舞台中央にチェーホフの位置する仕事机。それを囲むようにそれぞれの
登場人物の空間が割り当てられ、俳優はセリフのない時もほぼ常に舞台
上に存在してそれぞれの時間を過ごしている。チェーホフを囲む人間関
係を空間として見せてくれる。複数の女性と並行して愛を語り、愛され
たチェーホフ。医者であり作家、長身でハンサム。モテモテで、そのく
せ、いざとなると度胸のない男。現代にも存在しそうなタイプである。

作者のユーリー・ブイチコフは、資料研究を通じて新たなチェーホフ像の
提出に成功している。が、背景知識なしで観るには、少し難解過ぎ、演
出も真面目過ぎるのが欠点だ。歌も入るユニークな展開。特に女優達が
生き生きとして魅力的だった。

【上演】
『ときはなたれて』燐光群アトリエの会
 東京公演「梅ヶ丘BOX」2004年10月1日〜11月2日
 作:ジェシカ・ブランク&エリック・ジェンセン
 翻訳:常田景子  演出:坂手洋二

『チェーホフ的気分』劇団昴
 三百人劇場 2004年10月21日〜11月3日
 作:ユーリー・ブイチコフ
 翻訳:中本信幸  演出:菊池准

【著者プロフィール】
 今井 克佳(いまい かつよし)
 東洋学園大学・現代経営学部専任講師
 埼玉大学卒業・東京都立大学大学院博士課程満期退学
 専門は日本近代文学・特に詩の分野。
 文学研究の参考にと、古典翻訳劇の上演には長く足を運んできたが近
 年は演劇の面白さにハマり、ジャンルを問わず様々な舞台に出かけて
 いる。

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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

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医学翻訳の専門会社「MCL」が制作した今までにないタイプの翻訳支援
ツールです。よく間違えられるそうですが(実は私も間違えた)自動翻
訳ソフトではありません。複数の辞書と用例を一度に検索できる"翻訳
支援ブラウザ"なのです。
EPWING形式やシステムソフト形式の辞書などを追加でき、使う人の工夫
次第で自分だけのオリジナル辞書・用例集に鍛え上げることができます。

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★「ステッドマン」収録のセイコー IC 辞書、発売です!
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同じメジカルビュー社の「ステッドマン医学略語辞典」、「医学英語実
用語法辞典」も収録。この機種は量販店では取り扱いませんので、是非
当SHOPにてお買い求め下さい。

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もう1ヶ月以上も前のことですが、「らくだの涙」というモンゴル映画
を見に行きました。
外国映画の「字幕 誰それ」には、映画の冒頭に出るということもあり、
結構注目します。そうしたらこの映画、「字幕監修 旭鷲山昇」。大相
撲ファンの私はそこで思わず興奮してしまいました。(もちろん、ちゃ
んと字幕翻訳の方のお名前も出たのですが、旭鷲山に目を奪われ、どん
なお名前だったか全く記憶にありません)
「そういえば、旭鷲山も日本に来てからずいぶんになるな〜」と考えつ
つ帰宅した私は、「WebWHO」を引いて経歴を確認したのでした。

                             (尾)

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 ⇒第22回は「樋口一葉」の巻です。
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■ 翻訳業界雑記  第17回                吉野 陽

○翻訳力が伸びる人<海外勤務経験者や留学経験者の場合>

海外経験が豊富な方は確かに英語力が高い傾向があります。しかし海外
経験が長い、あるいは各種英語の試験のスコアが高ければ、すぐに翻訳
ができるかというと、そういうわけではありません。TOEICやTOEFLのス
コアが高く一般的な英文の解釈や会話には問題なくても、専門用語や理
論の理解が不十分であったり、文体や日本語の表現力に問題があること
が多いようです。翻訳の仕事として市場に出ているものは、一般的な文
章ではなく専門性が高いもの、あるいは分量がとても多くて処理しきれ
ないものなどが大半です。目指す分野の文体になれるためにも、その分
野の入門書を通読して基礎知識を身につけ、より専門的な書籍へと読み
進めて理解を深めておきましょう。もちろんインターネットを利用した
情報の収集も理解を深める助けになります。また日本語の表現力を高め
るには、前回お伝えした「専門分野での実務経験者」と同様、原語版と
日本語版の両方が入手できる専門書を丁寧に読み比べてみることも有効
です。

                    (アメリア事務局 吉野 陽)
                               http://www.amelia.ne.jp/userTop.do


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※ 編集協力・取材 加藤隆太郎 http://trans.kato.gr.jp/
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