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━━━━━━━   コンテンツ・メニュー   ━━━━━━━━━
■ 〈著者自らが語る自著〉異文化の橋とその翻訳     三谷康之
■ 「丸善」のない日本橋(上)             田村洋一
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
■ 翻訳業界雑記 第16回                吉野 陽
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青木です。

「イギリス紅茶事典」の三谷先生の新しい事典が11月に弊社から刊行さ
れます。例によって無理におねだりし、文章と写真を頂戴いたしました。
それが今週号でご紹介いたします『著者自らが語る自著』です。先生は
常々仰っています。「背景的知識がないと翻訳はできない」、と。

なんて書いていて急に先週末の出来事を思い出しました。(今号は格調
高くと思っていたのですが)話題は西武対中日の日本シリーズに飛びま
す。あの誤審騒ぎとなったプレーを一緒にTV観戦していた家内に説明す
る辛苦をです。
「谷繁にキャッチャーはタッチできなかったから、2塁に送球したワケ
で、球を捕ったショートはホースアウトだと思ったからランナーにタッ
チしなかったのよ。で、西武はダブルプレーだと。ところが主審が谷繁
タッチアウトとコールしたものだから、中日としては・・・ガァァァ」
ホースプレーもタッチプレーも知らない家内に、コトの次第を説明する
のはどだい無理な話なのです。

背景的知識がないと人間とスポーツ観戦するのは難しい、と実感しまし
た。

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■〈著者自らが語る自著〉
 「事典・イギリスの橋―英文学の背景としての橋と文化」

 ◆異文化の橋とその翻訳
                            三谷康之

 一般に外国文学を研究したり翻訳したりする上では当然のことである
が、単に味読し鑑賞する場合ですら、その国の文化的背景に関する知識
を必要とすることは論を俟たない。本事典はイギリスの文学および文化
の理解に必要不可欠である広範な背景的知識の中から、「橋」を取り上
げたものである。橋にはさまざまな種類があり、それがいろいろな形で
文学に登場するが、英和辞典は元より英々辞典にさえ掲載されていない
ものが少なくないのが実情である。
 
 例えば、'chapel bridge' がそのひとつである。
あるいは 'packhorse bridge' などはイギリス人がこよなく愛着を抱い
ているものながら、OED でも見出し語として取り扱われていない。前者
は 'chapel' の「礼拝堂」から、後者は 'packhorse' つまり「荷馬」 
の意味から、それぞれの橋の姿形を推量してみたところで、まさに「掻
靴掻痒」の感を覚えるだけであろう。仮にそれらの語義の解釈に出会っ
たところで、「異文化」というものは単なることばのみの説明では、な
かなか釈然としないところが残るものである。そもそも風土や習慣のち
がいから我が国に存在しないものは、たとえ幾千語の文字で解説を試み
たとしても、そのものの持つイメージを彷彿させ得るまでには至らない
場合が少なくないからである。 

 また、そのような橋梁用語の意味の問題だけにとどまることでもない。
具体的に概略すると、R. D. ブラックモアの『ローナ・ドーン』には 
'crossing made by Satan for a wager'(悪魔が賭けをしてこしらえた橋)
が描かれているが 、架橋と悪魔伝説との結びつきを歴史の中に理解する
必要がある。C. ディッケンズの『大いなる遺産』では、主人公が旧ロン
ドン橋の下をボートでくぐり抜けるのに'shoot the bridge'(橋の下を矢
のように通過する) という表現が 使われているが、そういう言い回しが
流行した当時の時代背景も心得なくてならない。あるいは、T.フッドの
詩のタイトルに 'The Bridge of Sighs'(嘆きの橋)という決まり文句が
付けられているが、それは映画『哀愁』の原題が Waterloo Bridge であ
ることとも関連して、「橋」と「死」とのつながりも知るべきことになる。
 
そこで、古代から現代までのイギリスの橋について、建築土木学的意義
に触れつつその文化史を詳説し、それに数多くの写真やイラストを添え
た上で、詩・童謡・童話・小説・戯曲・エッセイ・紀行文など実際の文
学作品からの引用を示した事典を執筆した。取り上げた橋の種類は約40
種、固有名詞としてのそれは約100基。掲載写真とイラストは計200点。
引用した著者は48人、作品数は延べ85。


※以下のサイトで、'chapel bridge(礼拝堂橋)','packhorse bridge
(荷馬橋)','Tarr Steps(タール・ステップス)'の写真がご覧頂け
ます。

 http://www.nichigai.co.jp/translator/bridge/index.html

【著者略歴】
 三谷康之(みたに・やすゆき)
 東洋学園大学・現代経営学部教授
 1941年生まれ。埼玉大学教養学部イギリス文化課程卒業。
 成城学園高等学校教諭、東洋女子短期大学教授を経て、現職。
 1975〜76年まで〈英文学の背景〉の研究調査のため英国にてフィールド
 ・ワーク。
 1994〜95年までケンブリッジ大学客員研究員。 

=====新刊案内=======================
★「事典・イギリスの橋―英文学の背景としての橋と文化」
 三谷康之著 日外アソシエーツ発行 A5・約270頁
 2004年11月刊行予定 定価 6,930円(本体6,600円) 

 ロンドン橋、ウェストミンスター橋、クマのプーさん橋・・・多くの小
 説・詩・童話・演劇・随筆などの舞台となった英国各地の橋について、
 関連の文学作品を取り上げながら解説した「読む事典」です。
 橋の歴史的背景や建築文化、特有の語彙まで記載し、橋を通して英国の
 文化、風俗、慣習がみえてきます。写真・イラスト200点収録。 
 ご予約は全国の書店、もしくはTranRadar電子辞書SHOPでも承っており
 ます。

 http://www.nichigai.co.jp/translator


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■「丸善」のない日本橋(上)              田村洋一

 私のような活字中毒気味の人間にとって、なじみの書店が閉店してし
まうというのはショッキングな出来事です。時折「この関係の本ならあ
の店のあの棚のあたりに…」などと当たりをつけて妙な安心感に浸った
りすることもあるので、その店が突然なくなってしまうと代わりを探す
のが大変です。たしかにインターネット上の大手オンライン書店は手軽
で何でもありそうに見えますが、それは玉石混淆。信頼できる書店(古書
店を含む)、さらに正確に言えば信頼できる店員さんの目で選り抜かれた
商品というところに意味があります。実物の重みはやはり大きいのです。

 2002年1月に銀座の洋書専門店「イエナ」(JENA)が閉店しました。改築
前の木造店舗の時代から利用していた店で、当時の2階の売り場の床は本
の重みで中央が弓なりに下がっていました。書店になる前はドイツの光
学機器を扱う店で、レンズメーカー「ツァイス・イエナ」でも有名なド
イツの Jena 市を店名(イエナ精光)にし、書店もそれを継承したそうです。
イエナは立地も良く経営不振という話も聞いていなかったので閉店の報
道は意外で、移転の間違いではないかと思ったほどです。同じ中央ビル
に入っていた「近藤書店」銀座店も2003年4月に閉店しました。決して広
くはない売り場は巧妙にレイアウトされ、詩集のコーナーなどもある充
実した内容の書店でした。このビルには「Christian Dior」銀座店が入
る予定で、晴海通りの向かい側にある「Gucci」と向かい合うことになり
ます。

 つい最近、2004年7月には「青山ブックセンター」チェーンが突然閉店
しました。債権者から破産の申し立てがあったためです。映画、ファッ
ション、現代美術、サブカルチャーなど先端的な感覚の品揃えが特長の
書店で若いファンも多く、オンライン書店も運営する「clicks and mortar」
形態でしたが、商売としては若干趣味性が強すぎる印象がありました。
9月末に青山と六本木の2店舗を再開しましたがオンライン書店は閉鎖さ
れたままです。

 そして私にとって最も感慨深いのは2004年10月の「丸善・日本橋店」
の閉店です。こちらは経営不振というわけではなく、ビル建て替えのた
めです。リフォームされているので古めかしさは感じませんが、今の建
物は1952年に竣工したものです。閉店は既に6月に予告されていました。
134年続いた「本店」の名称は9月14日に開店した丸の内本店に譲り、書
店としての通常営業は9月25日で終了、10月16日に閉店しました。丸善は
書店というより百貨店に近いこともあり、この40年間にいろいろな物を
買い、いろいろな経験をしました。私が初めて足を踏み入れたのは小学
生の時で、師事していた画家のK先生の個展が開催された時です。この
店は何回か改装されて売り場も随分変わりましたが、以前は常設の画廊
があったのです。外房の荒々しい海を描いた作品がいつもより眩しく見
えました。また、後年の稀覯書展示即売会では美しく装飾されたグーテ
ンベルク聖書の断片に触らせてもらうという珍しい経験をしました。紙
とは違う羊皮紙の緻密ですべすべした感触は独特です。近年は展示スペ
ースに私の友人たちの工芸作品が並ぶこともありました。これはこのビ
ル内に本部と直営店があったクラフトセンター・ジャパンの企画による
ものです。

 今回は少々ノスタルジックになってしまいました。次回は気を取り直
して続編を…。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。


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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

★セイコー IC 辞書新商品のご案内
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「ステッドマン医学大辞典」を収録し、医師・看護師・医学部関係の方
々から絶大な人気を誇る『SR-T6800』の後継機種が11月上旬に発売され
ます。新しい機種では、同じメジカルビュー社の「ステッドマン医学略
語辞典」、「医学英語実用語法辞典」も収録。この機種は量販店では購
入できませんので、是非当SHOPへお越しください。ご予約を承っており
ます。

〈新発売モデル〉
 SR-T7100(英和系大辞典4冊+英英辞典3冊)   \36,500
 SR-T7800(ステッドマン医学大辞典ほか収録)  \54,900
  *いずれも価格は税込価格です

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 http://www.nichigai.co.jp/translator/ic-dictionary/sr-t7800.html


★翻訳ソフトの定番「PC-Transer」シリーズが更にパワーアップ!
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あの「PC-Transer」が『PC-Transer 翻訳スタジオ』として大きく生ま
れ変わりました。残念ながらデモ版はありませんが、試訳を承りますの
で、興味のある方は一度お試しください。

 http://www.nichigai.co.jp/translator/software/transer.html


★バーゲンブック.jp で『うんのさんの辞書』半額セール開催中
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2004年10月15日(金)より、出版社67社の共同企画「期間限定謝恩価格本
フェア」がインターネット上で始まりました。(12月15日まで)
弊社は、総発売元である紀伊國屋書店から『ビジネス/技術実用英語大
辞典』(98年刊の旧版)を格安で販売しております。「英和」「和英」の
二部構成なので、改訂新版(※分冊)が出た今でも「こっちが欲しい」
と引き合いのある人気商品です。

送料も無料ですので、この機会に是非お買い求めください。

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■ 翻訳業界雑記                     吉野 陽

○翻訳力が伸びる人<海外勤務経験者や留学経験者の場合>

海外経験が豊富な方は確かに英語力が高い傾向があります。しかし海外
経験が長い、あるいは各種英語の試験のスコアが高ければ、すぐに翻訳
ができるかというと、そういうわけではありません。TOEIC や TOEFL の
スコアが高く一般的な英文の解釈や会話には問題なくても、専門用語や
理論の理解が不十分であったり、文体や日本語の表現力に問題があるこ
とが多いようです。翻訳の仕事として市場に出ているものは、一般的な
文章ではなく専門性が高いもの、あるいは分量がとても多くて処理しき
れないものなどが大半です。目指す分野の文体になれるためにも、その
分野の入門書を通読して基礎知識を身につけ、より専門的な書籍へと読
み進めて理解を深めておきましょう。もちろんインターネットを利用し
た情報の収集も理解を深める助けになります。また日本語の表現力を高
めるには、前回お伝えした「専門分野での実務経験者」と同様、原語版
と日本語版の両方が入手できる専門書を丁寧に読み比べてみることも有
効です。

                    (アメリア事務局 吉野 陽)
               http://www.amelia.ne.jp/userTop.do


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◎文芸翻訳家兼ライター、坂本あおいの新連載「本日も、風まかせ!」
 がはじまりました。ぜひご一読ください。

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※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
※ 編集協力・取材 加藤隆太郎 http://trans.kato.gr.jp/
【バックナンバー】
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