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■ 翻訳劇のフシギ・翻訳劇の魅力 3          今井克佳
■ 翻訳業界雑記 第12回                吉野 陽
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
■ 在日翻訳者 アルボン・ロバートさん
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■ 翻訳劇のフシギ・翻訳劇の魅力 3          今井克佳

『お気に召すまま』

通っていた大学が、郊外の河川敷近くにあったため、よく中古車で通学
して、講義後は仲間と近辺をドライブして時間をつぶしていた。そんな
場所に20年後、シェイクスピア全作品を上演しようという芸術劇場が現
れるとは夢にも思わなかった。当時、演劇めいたものといえば、キャン
パスの空き地の一つに学園祭の期間、出現していたアングラ演劇の黒い
不気味なテントくらいであったのだから。

そのアングラを出身としながら、商業演劇に転じ、シェイクスピアをは
じめとする古典翻訳劇の演出に独自の日本的美意識を導入し、世界的に
知られるようになった蜷川幸雄が、この劇場の芸術監督である。

『お気に召すまま As You Like It』は、この蜷川演出のシェイクスピ
ア・シリーズの一環として、この夏、上演された。今回は若くアイドル
的な風貌の俳優二人を主役に据え、女役も含めて全員が男優という趣向。
確かにもとをただせば、シェイクスピアの時代は、歌舞伎と同じくすべ
て俳優は男。しかしながらこの奇矯で現実離れした筋立ての喜劇を、い
っそう喜劇化する意図も感じられる。

追放された前侯爵の娘、ロザリンドはオーランドという若者に恋をする
が、自身も追放されて、男装しアーデンの森へ逃れる。そこでやはり追
放されてきたオーランドと再会するが、ロザリンドは男装したままオー
ランドと接し、正体を現さない。男装した女性の役を、男優が演じるの
だから複雑である。

さすがに難役、まだまだ、若手には荷が重いか。かなり頑張っているの
はわかるが、演技の固さも見え、野太い声には興をそがれる。むしろ女
装のままの従姉妹、シーリア役が女らしい。それでも、オーランド役を
含めて、若い輝きに、九割方女性の観客はうっとり。決めの場面では拍
手が起こり、二階席の客は手すりに乗り出し(後席からはとても迷惑、
マナー違反)、ウェディングドレス姿でのカーテンコールではスタンデ
ィングだ。やれやれ。

そうか、ここは歌舞伎小屋なのだ、とふと気づく。蜷川の演出では、常
に歌舞伎が意識されてきた。それは客席通路を花道に見立てて演技に使
うということだけではなく、常に観客を挑発し、舞台に観客を参加させ
ること、そして、現状を壊し新奇を創出し、本来の意味で「傾(かぶ)
いて」いくことである。この一見、俗に堕した劇のありようも、蜷川の
創出した江戸的芝居小屋と思えば、納得がいく。

巨木の立ち並ぶ舞台装置はグレーに統一されて、照明とともに深い森の
持つ神秘性を表現して迫力があった。


【上演】
『お気に召すまま』: 彩の国さいたま芸術劇場 2004年8月6〜21日
 作:W.シェイクスピア  翻訳:松岡和子
 演出:蜷川幸雄  出演:成宮寛貴 小栗旬 月川勇気 他
 装置:中越司   照明:原田保


【著者プロフィール】
 今井 克佳(いまい かつよし)
 東洋学園大学・現代経営学部専任講師
 埼玉大学卒業・東京都立大学大学院博士課程満期退学
 専門は日本近代文学・特に詩の分野。
 文学研究の参考にと、古典翻訳劇の上演には長く足を運んできたが近
 年は演劇の面白さにハマり、ジャンルを問わず様々な舞台に出かけて
 いる。


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■ 翻訳業界雑記                     吉野 陽

第12回 オンサイトのメリット

翻訳の仕事というと在宅というイメージが強いですが、オンサイトでの
案件も数多くあります。

オンサイトは実際に企業に出社して、その場で翻訳の仕事を行います。
在宅に比べて自由度が下がり、就業規則や出勤時間に縛られる場合もあり
ますが、オンサイトでの翻訳には在宅翻訳では得られないメリットがあり
ます。

まず、まわりに他の翻訳者や関係者がいるので疑問点や解釈上の不明点
などもすぐその場で訊くことができます。在宅に比べ、タイムラグも無
く直接話ができるところは魅力です。場合によっては翻訳のテクニック
を直接指導してもらえます。

その他このメールマガジンの連載でご紹介した翻訳支援ツール等、作業
環境が充実している点も大きなメリットです。個人では購入を躊躇して
しまう高価な翻訳支援ツールも利用できる場合があります。

またオンサイトの案件は翻訳未経験者歓迎のものが多く、経験の少ない
駆け出しの翻訳者には最適ですが、中には経験豊富な翻訳者向けの案件
もあります。こういった案件は TRADOS などの翻訳メモリに精通してい
ることが応募の条件に加わっていますが、その分報酬も高くなっている
ようです。

ただ翻訳業界全体的に言えることですが、優秀な翻訳者は慢性的に不足
していて、経験豊富な翻訳者向けのオンサイトの案件も人材不足の状態
です。特に翻訳者として経験を積みたい人にとって、オンサイトは理想
的と言えます。翻訳未経験者でも可能なオンサイトの案件で培った知識
や人脈は、在宅や他のオンサイトの仕事をする際に強力な武器となるで
しょう。

                   (アメリア事務局 吉野 陽)

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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

Google で「電子辞書」を検索するとトランレーダーは5番目に表示され
ます。かつてはドーンとトップに躍り出たことも。私どもがCD辞書の
専門店として認知され、皆さまにご愛顧いただいている証拠とスタッフ
一同、大変嬉しく思っています。

さて、オンラインSHOPを謳っておきながら、いまだに FAX による受注が
主流のトランレーダー。この前近代的なシステムは、一説には「確かな
人手の温もりを感じる」などの好意的な有り難い評価(?)をいただい
ているようですが、いつまでもお客様に甘え、ご不便をお掛けするわけ
には参りません。

今秋トランレーダーはガラリと画面刷新し、待望のショッピングカート
機能の導入を予定しています。これで複数商品を選ぶと何枚にも及ぶ
FAX 申込書の煩わしさから解放されることでしょう。また、ようやく
オンラインのカード決済にも対応いたします。秋の新装開店にご期待
ください。


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                             (竹)


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■ 在日翻訳者 アルボン・ロバートさん

待ち合わせの場所はJR横浜線相模原駅であった。少し早めに着いたので、
駅周辺を歩いてみた。一般に線路を挟んだ両側がともに賑わっている駅
というのは少ない。どちらかが賑やかであれば、その反対側はそうでも
ないというケースが多い。それにしてもこの相模原駅は極端であった。
市役所最寄りの駅として南口はそれなりに栄えている。しかし北口には
全く商業的な施設はない。もっとも理由は明確で、駅の北側は全面的に
米軍相模原基地(相模原補給廠)なのである。
というわけでこの日は、相模原駅から徒歩3分+「入門」手続き5分とい
う「駅前米軍基地」にお住まいの翻訳者アルボン・ロバートさんをお訪
ねしたのである。 

◆翻訳者になったキッカケはサル?

米国のとある霊長類研究所で、大学生時代ロバート青年はアルバイトに
いそしんでいた。主な仕事はサルの尿の採取だったそうだ。その時代に
ロバート青年は研究所に留学していた日本人研究者と知り合いになった。
「大学では日本語学を専攻していました。それで彼が書いたサルに関す
る論文を私が英語に翻訳する。そして発表するという作業を始めたので
す。これが翻訳者になるキッカケでした」
このペアによる論文発表作業はこの後10年間も続いたそうである。
「お陰でサルについては最先端の知識を持っていました」。
後ほど触れるが、ロバートさんの翻訳における専門は医療分野である。
これもこの頃のサル研究翻訳からつながっているのである。

◆就職難で軍隊に

'95年に大学を卒業したロバート青年は就職先に陸軍を選んだ。
「自分の日本語力を活かしたいと思ったのですが、良い就職先がなかな
か見つかりませんでした。そこで語学力を活かす一つの道として軍に進
みました」。
'95年といえば、1月に阪神大震災に見舞われ、3月には大幅な円高が直撃
と、日本企業が次々に海外拠点を撤退していた頃である。しかし、それ
にしてもなぜ軍隊だったのであろうか?
「軍では、歩兵や空挺部隊に配属されました。しかし一方で、軍の人事
データベースに『日本語通訳・翻訳者』としても登録されていました。
ですから、例えば自衛隊と共同演習があるといった時には、通訳として
呼び出されたのです」。
米軍には、日本語に限らず外国語のスペシャリストが存在し「通訳・翻
訳」の仕事をする機会が少なくないのだという。また、司令官に届けれ
ば、軍の仕事の傍らで自分の仕事(ロバートさんの場合は翻訳)をする
ことも許されるのだという。従って、「なぜ軍なの?」という質問は、
「軍に入るのがナゼ、なぜなの?」と見事に切り返されてしまったので
ある。

◆来日・現在の仕事

ロバートさんにお話しを伺ったのは、米軍相模原基地内のご自宅であっ
た。しかし、ローバートさんは既に除隊している。
「2002年のソルトレイクオリンピック・パラリンピックに公式ボランテ
ィア通訳として選ばれました。参加するためにはスケジュール的に軍を
辞めざるを得ませんでした」という理由からである。
日本へは、奥様、二人のお子様を伴って、五輪の仕事が終わってからい
らしたのだそうだ。
さて、翻訳者として現在はどの様な仕事を日本でしているのであろうか?
「軍にいた当時からずっと同じ分野の仕事をしています。それは医療関
係の翻訳です。具体的にいうと、米国で係争となった場合、日本の製薬
会社が米国の裁判所に提出しなければいけない文書を翻訳する仕事など
です。また、日本の製薬会社が行った臨床レポートの翻訳などの仕事も
します。仕事は米国の翻訳会社から入ります。クライアントは仕事を発
注した翻訳者が自分たちと同じ日本にいるとは思ってないでしょうね」。
「仕事の分野を絞るということが翻訳者にとっては大事なことだと思い
ます。自分の得意な分野以外の仕事に手を出してはいけません。これは
仕事のクオリティー維持と、レート維持に欠かせないポイントです。ま
た、母国語以外の言語には翻訳しないというのが私のポリシーです。日
本語がどんなに出来ても、あるいはフランス語がどんなに出来ても、私
は英語に訳す以外の仕事に手を染める気はありません。」と非常に明確
に語って頂いた。

◆大事なことは母国語

ご自宅を辞去し、基地のゲートまでロバートさんに送って頂いた。話題
はお子さんの教育に及んだ。
ロバートさんには先述したように二人のお子さんがいる。7歳のミミちゃ
んと3歳のショーンくんである。ミミちゃんには、基地に隣接した相模原
市立向陽小学校に通わせているそうだ。
「しっかりとした知識を吸収するために、そしてしっかりと表現するた
めに“母国語”は大切です。娘は日本で生活していますので、彼女にと
っては日本語=母国語を学ばせることが重要です。英語については心配
していません。母国語をきちんと持った人間であれば、父がアメリカ人
なのですから話せるようになりますよ。」とロバートさんは、やんわり
としかしキッチリと語ってくれた。

「私の人生はそんなに面白くないですが…」
インタビューを申し入れた際、ロバートさんにそういわれた。
他人の人生を面白がってはいけないが、ロバートさんのお話は時を忘れ
させる興味深いものであった。

                              (青)


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※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
※ 編集協力・取材 加藤隆太郎 http://trans.kato.gr.jp/
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