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■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その21)        山本ゆうじ
■ 使える電子辞書の時代(下)             田村洋一
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ―ワンポイント・レビュー
■ O.E.D.を引こう!   <裸の体操>
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■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その21)       山本ゆうじ

◆使いこなしの研究

『解体新書』に代表されるように、およそ翻訳は、日本のすべての近代
的な学問の原点であり基礎でありながら、軽視されてきたことが多かっ
たように思います。あらゆる学問分野において、研究者ならだれでも多
かれ少なかれ翻訳をしなくてはなりません。しかし現時点でも、翻訳の
手法を総合的に体系化して考える翻訳学会は存在していないようです。
これは(学習法と教授法を含め)日本語自体の研究がなかなか進んでい
ないこととも関係しています。一例として、日本語の基本中の基本とも
いえる、格助詞「は」と「が」の使い分けをすらすらと説明できる人で
さえ、なかなかお目にかからないものです。私のような未熟者が言うの
もなんですが、「どうすれば効率的かつ正確に翻訳できるか」の研究は、
まだこれからと感じます。

私は4年前から翻訳ソフトを実務翻訳の仕事に投入しています。この4年
間で翻訳ソフトが劇的に変化したわけではありません。用語適用ツール
として使用する場合、翻訳ソフトは少なくとも4年前からすでに実用段
階にあったのです。「現在のレベルの翻訳ソフトでは仕事に使えない」
という考え方は完全に誤っています。翻訳ソフトにそもそも何を求める
べきか、という点で勘違いをしているのです。そのような見方では、お
そらく5年たっても10年たっても「使えない」ままでしょう。翻訳ソフト
は、翻訳者に代わって翻訳をするわけではないのです。用語適用ツール
としての翻訳ソフトは、翻訳者に代わって「入力する」だけです。

問題は翻訳ソフトの使いこなしの研究が翻訳業界でほとんど行われてこ
なかったことにあります。翻訳ソフトを使いこなしている人はごく一部
に限られ、大多数の人には誤解されたままでしたし、今もそうです。翻
訳ソフトはあくまでも用語適用ツールとして考えるべきであり、訳質が
翻訳ソフトに帰せられるような使い方はすべきではありません。訳質の
責任はあくまでも翻訳者が持つものです。

◆ユーザー優位とは

翻訳ワークフロー SATILA では、翻訳者が翻訳の工程を完全に掌握して
いる状態を「ユーザー優位」と呼びます。これは「翻訳者優位」と言い
換えても差し支えありません。逆に翻訳ソフトが主導権を握っている状
態は「ソフト優位」です。ユーザー優位を実現するには、翻訳ソフトが
ユーザー優位を可能にする機能(すなわち対訳エディタと一定以上の辞
書管理機能)を備えているとともに、翻訳者が翻訳ソフトの誤りを常に
指摘できる技能を持つ必要があります。これはあくまで全体的な状態を
指しているのであり、ソフトとユーザーのどちらかの状態だけを指して
いるのではありません。一般ユーザーが使う上ではソフト優位で何ら問
題はありません。その場合、ユーザーはボタンを1つ押すだけですが、
ソフトのそのままの翻訳結果に満足するしかありません。これに対して
ユーザー優位であるということは、徹底的なカスタマイズを行うという
ことであり、ソフト優位とは対極的な高度な作業が求められます。しか
し、翻訳結果はユーザーの意思を完全に反映したものになります。

「仕事として翻訳をしている」のでなければ、ユーザー優位を実現でき
る能力を持っているユーザーは、翻訳ソフトをほとんど必要としないで
しょう。では「仕事として翻訳をしている」翻訳者の場合はどうでしょ
うか。翻訳者の場合は、ユーザー優位を余裕で実現できる能力を持った
者が、適切なツールを使うことにより、指定された用語や表現をきちん
と反映した上で、効率的かつ高品質の翻訳を実現できるわけです。

《このコラムは音声認識ソフトを使用して口述で執筆し、音声読み上げ
により校正しています》

ご質問、ご感想、ご要望、ご意見などは、tran@nichigai.co.jp まで
お気軽にどうぞ。


【著者プロフィール】
 山本 ゆうじ(やまもと・ゆうじ)
 フリーランス実務翻訳者。国際学校 UWC イギリス校で二年間学び、
 筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。
 日英仏語で、美学・比較文学・芸術学・文章技法などを学ぶ。

 transPC  【実務翻訳】	 http://transpc.cosmoshouse.com/
 秋桜舎  【文芸談義/文芸翻訳】http://cosmoshouse.com/
『世界に通じる学校――国際学校UWCの異文化理解教育』発売開始


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■使える電子辞書の時代(下)              田村洋一

 「理想の電子辞書」とはどんな製品でしょうか。利用形態を考えると
大きく二極化しそうです。

 まず「ど忘れ対策タイプ」です。どんな漢字?送り仮名は?英語のス
ペルは?いまの単語の意味は?…というように、とっさに思い出せない
ときの参照用です。それほど多くの語彙は必要としませんが、速く引け
ること、暗いところでも表示が見やすいことが条件です。日常的な外出
はもちろん、海外旅行や海外出張などに持っていく「お守り」代わりの
製品です。持っているだけで安心感があるというわけです。使いやすい
電卓機能、通貨や単位の換算機能、アラーム付き世界時計機能も必要で
す。簡単な外国語会話集や旅行案内などがオプションのメモリーカード
で提供されれば理想的です。とは言うものの、機能を欲張ってはいけま
せん。旅行中の電池交換は避けたいので省エネ設計が重要です。

 もう一つは「本格派タイプ」です。高校生から社会人までを利用対象
とする、書籍版の辞書と同等以上の製品で、基本的にデスクワーク用で
す。本格的な辞書を複数搭載します。英和・和英・国語・漢和辞典は標
準搭載。ただし先に述べたように、本格的な漢和辞典を搭載するために
は技術的なハードルがありそうです。2〜4個のメモリーカード・オプシ
ョンで、英英辞典や類語集、専門用語辞典、英語以外の外国語辞典など
を追加できることが条件です。メモリーカードの種類とデータ形式を業
界共通仕様とすれば、魅力的なコンテンツが増えるでしょうし、電子辞
書を買い換えた場合(他社機でも)もそのまま流用できます。これは長く
使いたい本格派タイプには必要な機能で、是非実現してほしいものです。

 本格派タイプの第1の課題は、個人用機器であることを前面に出して、
カスタマイズ機能を充実させることです。カメラなど最近の民生用電子
機器に共通の設計として、1機種にできるだけ多くの機能を詰め込む傾向
が見られます。「各利用者には自分に必要な機能だけを選んで使っても
らえばよい」というスタンスです。もちろんコストダウンのためで、特
定用途向けの機種を個別に開発するより効率は良く、総合的に見れば品
質管理もしやすくなることは確かなのですが、利用者がカスタマイズし
やすい設計にしないと、結局は誰にとっても使いにくい製品になってし
まいます。手元にマニュアルがないと使えないようでは失敗です。電子
辞書でも今後は同様の傾向が見られるようになると思います。カスタマ
イズ項目としては、搭載された多数の辞書の中で自分が常時使うものは
どれか、検索する辞書の優先順位、標準の表示文字サイズ、検索履歴や
メモの扱い、自動電源オフまでの時間、などが考えられます。シャープ
の「PW-A8100」という製品は46種類もの辞書・参考書類を搭載していま
すが、辞書のメニュー画面をカスタマイズできるようになっています。
ここで述べた機能を一部先取りしていると言えるでしょう。

 第2の課題は、搭載する辞書の増補改訂を可能とするかどうかです。
既にシャープの「コンテンツカード」で実用化されているように「リー
ダーズ・プラス」のような追補版をメモリーカードで提供するのならよ
いのですが、最新版(全体または差分)をWebサイトからダウンロードして
更新するような方式を採用すると、電子辞書のブラックボックスとして
の利点を損なうことになります。カシオの「Ex-Word DATAPLUS」シリー
ズでは本体のメモリーやオプションのSDメモリーカードにオプション辞
書・事典を追加したり入れ替えたりすることができるのですが、これに
はCD-ROMドライブ付きのパソコンを必要とします。パソコンから転送す
るといってもあくまで専用の辞書です。この方式が利用者に支持される
かどうかは注目に値します。辞書の増補改訂機能は電子辞書本体の耐用
年数とのバランスを考慮する必要があります。本体が10年程度は使えな
いと意味がありません。

 今後、電子辞書を脅かすものがあるとすれば、それは携帯電話機の辞
書機能です。これについてはまた別の機会に考えてみたいと思います。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。


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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ―ワンポイント・レビュー

『CD-世界大百科事典』や『CD-ビジネス技術実用英語大辞典』など、当
ショップの売れ筋商品の中に隠れたロングセラー商品があります。翻訳
や語学用途を謳った商品構成の中、一際異彩を放つ漢和辞典の最高峰、
『CD-ROM版 字通』(白川静著)です。

「字統」「字訓」に続く白川博士の50年にわたる研究の集大成で、漢字
の成り立ち、意味の展開、造語力を組織的かつ体系的に曉通することを
目的に編集された、まさに「字通」となるための辞典です。親字約9,500
字、熟語約22万語を収録。用例は、古典の精粋を網羅しています。

親字は直接入力のほか、ヨミ(完全一致・前方一致)、部首、画数、四
角号碼など多角的な検索ができます。また、CD-ROM版ならではの機能と
して、ヨミがわからない漢字もその構成部品から探せる「部品検索」を
装備しています。甲骨文、金文、篆文などの特殊な文字もフォントで収
録し、すべての文字をワープロ等にコピー&ペーストできます。

かなり専門的な内容ですが、一種の読み物としても楽しむことができ、
漢字の語源に興味のある方にお薦めします。

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 ・日本語版 Microsoft Windows 98SE/Me/2000/XP 対応
 ・ハードディスク格納可(約200MB以上の空き)

【著者プロフィール】
 白川 静(しらかわ・しずか)
 明治43年4月9日、福井県福井市生まれ。
 働きながら夜間の立命館大学専門部国漢科に通い、昭和9年文部省教員
 検定試験に合格。10年専門部在学のまま、立命館中学教諭となる。
 さらに中学在籍のまま立命館大学法文学部漢文学科に入学、18年卒業後、
 同大予科教授となる。29〜56年立命館大学文学部教授を務めた。京都に
 文字文化研究所を設立し、所長。漢字研究の第一人者として知られ、59
 年には50年に及ぶ研究成果を盛り込んだ漢字の字源辞典「字統」を刊行、
 続いて「字訓」、平成8年には13年半かけて漢和辞典「字通」を刊行、
 字書三部作を完成させる。
           <日外アソシエーツ人物文献情報WHOより>


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☆書籍販売を出発点にナレッジワンストップサービスへの発展を目指す
 ビジネスネット書店「クリエイジ」 http://www.creage.ne.jp/

 お客様が創造的で迅速な意思決定をすることを支援するための仕組みと
 コンテンツを、総合的、簡便、安価に提供することを目的に、株式会社
 クリエイジが7月1日開業した。
 クリエイジ creage は、creative management の略語であり、前頭葉の
 創造の意味をもつ cre と成熟度を表す age の合成語だ。

 社長の西脇隆氏は同社創業にあたり、
「よく改革改善する人 (Leader) は、よく書き (Writer) 、良く読み
 (Reader)、良くレビュー (Reviewer) する人だと思います。この経営
 幹部の方や経営幹部を支援する方、とりわけ欧米のビジネス書の翻訳
 をなさる皆様に、より良い情報を、より速く、より簡便にお届けした
 いと思います。まず書籍の販売から開始し、ナレッジワンストップサ
 ービスにまで発展させて行きたいと考えています。」と語っている。

 マイソムリエ機能(タイミング良い企画立案決裁に役立つ情報をレビ
 ューする機能)を進化させ、クリエイジサービスの充実を図っていく
 という。


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■ O.E.D.を引こう!   <裸の体操>

平成不況も何処吹く風、第28回アテネオリンピックで日本選手が活躍し、
大いに盛り上がってますね。暑い夏がより一層、熱いです。

近代オリンピックは、1896年のアテネ大会に始まります。ちょうど今年
発祥の地に戻ったわけです。フランスのピエール・ド・クーベルタンが
主唱して、古代オリンピック(オリンピア祭典競技)をモデルに復興さ
れたものと言われています。この時、参加したのは、欧米先進国14ヶ国
の男子選手(総勢280名)のみ。女子選手の参加は、第2回パリ大会以降
になります。

ちなみに古代オリンピックは、紀元前776年(公式記録上)から始まった
古代ギリシアの祭典競技で、当時はなんと全裸で行われたそうです。主
神ゼウスに捧げる宗教行事の一つということで、厳かな儀式として一糸
纏わぬ姿になったのでしょうか?わが国の「裸祭り」の感覚に相通ずる
ものがあるのかもしれません。参加資格は自由市民の男性のみで、女性
の見物は未婚のみが許されたんだとか。既婚女性は原則、見ちゃいけな
いものだったんですね。それってやっぱり倫理的配慮から...!?

この古代オリンピックから来ている言葉に gymnastics(体操)があり
ます。OEDには、以下のような語源説明が出ています。

gymnastic, a. and n.
 [ad. L. gymnastic-us, a. Gr. 〓〓 pertaining to or skilled in 
 bodily exercises (subst. 〓〓 gymnastics), f. 〓〓 (see gymnasium). 
 Cf. F. gymnastique (14th c. in Oresme).] 

 2. pl. gymnastics [see -ics, -ic 2].  a. The practice of athletic
 exercises for the development of the body, now esp. of such
 exercises as are performed in a building set apart for them with
 special apparatus.

さらに語源の説明文中の参照先 gymnasium(体操学校、体育館)を見て
みましょう。OEDは、ここに表示できないギリシア語の原綴(〓)ば
かりでわかりにくいので、英語式に翻字された Webster で補足しますと
ギリシア語の gymnazein → gymnasion から来ており、その意味は「裸
で運動する」だそうです。gymnos 「裸の」から派生した言葉とのこと。
元来、古代ギリシア人にとって体操とは〈裸体で競技をすること〉を意
味したのです。

gymnasium,
 [L., a. Gr. 〓〓, f. 〓〓 to train, exercise, lit. to train naked,
 f. 〓〓 (〓〓) naked.] 

gymnasium の短縮語の gym は、スポーツジムなど馴染み深い言葉ですね。
今日でもうら若き女性たちが勤め帰り、(文字通り)裸に近いレオター
ド姿でいい汗を流しているようです。


さて、体操と言えば、かつて日本のお家芸と言われた種目「器械体操」
です。今回、男子団体総合で、76年モントリオール大会以来28年ぶりの
金メダル。東京オリンピック体操の金メダリスト遠藤幸雄氏(日大教授)
の「目の黒いうちに、表彰台の一番高い所に上がってもらい、君が代を
聞きたいと思っていた。」という喜びのコメントは感慨深いものです。

ルーマニア、アメリカとの接戦を制しての大逆転劇でしたが、日本チー
ムには、体操の華「鉄棒」を得意とする選手が揃ってました。8/17日付
のロサンゼルス・タイムズ紙は「鉄棒を離れる様子はまるでチョウのよ
うだった」と日本選手の最終種目の演技を絶賛しています。


ここでトリビアを一つ。日本選手が鉄棒で連発した終末技(Dismount)
の「新月面宙返り(後方2回宙返り2回ひねり)」ですが、これは「月面
宙返り(後方2回宙返り1回ひねり)」の発展型です。ご存知の通り、塚
原光男監督(直也選手のパパ)がトランポリン技「ハーフイン・ハーフ
アウト」を鉄棒の下り技として採り込んで72年ミュンヘン大会で発表し、
一躍脚光を浴びました。この「月面宙返り」の名付け親は、体操王国ニ
ッポンを築き上げた、かの竹本正男氏だそうです。縦の回転に横の回転
を加え、空中をひらひらと舞うように落下する独創的な下り技は、あた
かも月面の無重力状態を彷彿させるインパクトがあったのでしょう。
所謂ムーンサルトは和製造語です。学研のパーソナルカタカナ語辞典に
よると moon+Salto(独) とのこと。英語では "Half-in, Half-out" や
"Back-in, Full-out" 、"Full-in, Back-out" などと呼ばれています。

さて、英語の呼称を見てもわかる通り、月面宙返りはひねりのタイミン
グの違いで3種類あります。元祖「ツカハラ」タイプは1回目の宙返りで
半分ひねり、2回目にもう半分ひねります(Half-in, Half-out)。今で
はとんとお目にかかりませんね。次に「ギンガー」タイプは、2回目の
宙返りで1回ひねり切ります(Back-in, Full-out)。つまり、ひねりの
タイミングが遅いわけです。そして、1回目の宙返りで1回ひねり切る
「リー」タイプ(Full-in, Back-out)。いずれも創始者の名前に由来
します。

ひねりの早い「リー」タイプは、上記「新月面」へと繋がる発展性があ
り、現在主流です。もう一つの「ギンガー」タイプは流行らないのです
が、見ていて何とも言えない優雅さと安定感があります。最近では、女
子のスベトラーナ・ホルキナ選手(ロシア)が段違い平行棒の下り技に
使っているので、ご注目ください。コマネチ以降、男子ばりのアクロバ
ティックな演技構成が主流の時代にあって、164cm の長身を活かして独
自の方向性を打ち立てた彼女の優雅な演技は見物です。


 【JOC - オリンピックの概要】* 参考サイト
   http://www.joc.or.jp/olympic/index.html


                             (竹)


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【Oxford English Dictionary 2/e on CD-ROM Ver. 3.0 のガイド】
 → http://www.nichigai.co.jp/translator/oed_v3.html

【Oxford English Dictionary Online】※有料−別途会員登録が必要です
 → http://dictionary.oed.com/index.html

【Shorter Oxford English Dictionary on CD-ROM Version 2.0 案内】
  → http://www.nichigai.co.jp/translator/soed_v2.html

【Webster's Third New International Unabridged Dictionary on
 CD-ROM Ver. 3.0 のガイド】
 → http://www.nichigai.co.jp/translator/webster.html


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