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■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その16)       山本ゆうじ
■ "Freedom and Democracy" の旗の下で         田村洋一
■ 翻訳業界雑記 第7回                 吉野 陽
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
■ O.E.D.を引こう!   <慈悲>
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■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その16)
                                                      山本ゆうじ

翻訳資産という考え方

 翻訳メモリと用語集は、クライアントにとっての資産、つまり「翻訳
資産」です。クライアントにとっては価値あるものですから、「タダで
ついてくるもの」とは考えるべきではないでしょう。翻訳資産を軽視し
ていれば、それに基づく翻訳も、それなりのものにしかなりません。

 翻訳メモリの導入時の、最初のメモリと用語集が重要であるというこ
とは、簡単に想像がつくはずです。その後のすべての翻訳が、そのメモ
リと用語集に基づくわけですから。これをそれぞれ、「マスターメモリ」、
「マスター用語集」と呼んでいます。翻訳会社は、最初のメモリである
マスターメモリの翻訳とマスター用語集の作成は、熟練翻訳者にまかせ
るべきです。また相応の値段も払うべきでしょう。

 言葉という巨大な存在を相手にする翻訳者には、もしかすると、習熟
ということはありえないのかもしれません。しかし、最近では特に、熟
練した翻訳者を軽視したり、使い捨てにしたりする傾向が感じられます。
翻訳者の募集にも「経験不問」というものがあり、目を疑うことがあり
ます。翻訳者の質がバラバラだと、翻訳資産を継承していくサイクルの
中で、せっかく練られ、チェックされた訳文を、初心者の勘違いでめち
ゃくちゃにするということがありえます。アクセス権、フィールド、属
性などの、翻訳メモリの設定によりある程度回避することはできますが、
翻訳者の質を判断できないと根本的な解決にはなりません。

 良質の翻訳資産の維持という観点からも、翻訳者の能力を客観的に測
定する仕組みが必要のように思われます。ご存じかもしれませんが、た
とえばチェスやオセロなどでは、レーティングの仕組みが発達していま
す。翻訳者同士の相互レーティングによる評価制度は、可能性として興
味深いと思います。

 日本市場に参入したばかりの外資系企業では、発注側の教育が不十分
で、自社製品への理解不足から、奇妙な用語が指定されてくることがあ
ります。翻訳者をある程度信頼していただき、フィードバックを反映し
ていただければ、修正される点ですが、この過程がきちんとしていない
と、奇妙な用語がそのまま定着してしまいます。時がたつと、なぜその
用語を使うようになったのかという経緯は知る由もない、ということに
なります。「ストレージ」という訳語も、このような無反省な翻訳から
生まれた語のひとつです。英米人に「ストレージ」と発音しても絶対に
通じません。英語の storage のアクセントは第一音節にあるからです。
そのため、この語は「ストーリッジ」と訳されなければならなかったは
ずです。

 翻訳資産という考えでは、100%一致の作業量がタダということにはな
りません。100%一致であっても、それが不一致部分の前後の文脈であれ
ば、そこを読まなければ適切な翻訳はできません。いや、一致率にかか
わらず全文を読まなければ適切な翻訳はできないはずです。また100%一
致の部分に間違いが存在しないとは限りません。
価値ある翻訳資産であるからこそ、常に翻訳者の目を通して不自然な点
がないか点検し、継続的に訳文を磨いていくべきでしょう。正しく使え
ばそのようなことが可能なのも、翻訳メモリならではです。

 また定期的に熟練翻訳者に依頼して、翻訳メモリに目を通してもらい、
変な表現や用語はないかチェックしてもらう作業も重要です。このよう
な積極的な定期点検を、「翻訳メモリのリフレッシュ」と呼んでいます。
このような定期点検を怠るのは、車検をしていない車に乗るようなもの
です。大きな企業であれば「飛行機」かもしれません。奇妙な表現や用
語を使い続けることで、あるとき突然大きな事故を起こして墜落するか
もしれません。定期点検を行うことで、はじめて安心して使える翻訳メ
モリを維持できるわけです。翻訳メモリはコスト削減のためだけにある
のではありません。品質の向上にもまた不可欠なものといえます。

 ご質問、ご感想、ご要望、ご意見などがありましたら、
tran@nichigai.co.jp までどうぞ。

【著者プロフィール】
 山本 ゆうじ(やまもと・ゆうじ)
 フリーランス実務翻訳者。国際学校 UWC イギリス校で二年間学び、
 筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。
 日英仏語で、美学・比較文学・芸術学・文章技法などを学ぶ。

 transPC  【実務翻訳】	 http://transpc.cosmoshouse.com/
 秋桜舎  【文芸談義/文芸翻訳】http://cosmoshouse.com/
『世界に通じる学校――国際学校UWCの異文化理解教育』発売開始

◆News
山本ゆうじ氏 TRADOS 入門の連載を開始
「eとらんす」〈http://www.babel.co.jp/e_tra.html〉にて、
TRADOS 入門を好評連載中です。

>「デジタル翻訳者 村上まりあ」TRADOS入門編
  第一回 「翻訳メモリを使ってみよう」
  http://transpc.cosmoshouse.com/news.htm

まりあとユニオ氏が、翻訳メモリをはじめとするデジタル翻訳のテク
ニックをわかりやすくご紹介します。まだ翻訳メモリを使ったことのな
い方でも、この連載を読むだけですぐに始めることができます。すでに
使われている方も意外な発見があるかもしれません。


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■ "Freedom and Democracy" の旗の下で
                                                      田村洋一

 6月6日はD-Day、つまりノルマンディー侵攻の記念日です。今年は60周
年にあたり、連合国の敵国であったドイツからもシュレーダー氏が首相
として史上初めて出席し、盛大な式典が行われました。EUをリードする
ドイツですが、その「戦後」が終わるまで60年を要したということでし
ょう。1944年6月6日、米軍73000人、英国・カナダ軍83000人が動員され
た「史上最大の作戦」は、ヒトラーのナチスドイツの支配からヨーロッ
パ本土を解放する歴史の転換点になったと言われています。この侵攻作
戦(Operation Neptune)が失敗していたら、あるいは最初の原爆投下地点
が変わっていたかもしれません。正確な数字は確定していませんが犠牲
も大きく、1日だけで戦死者・負傷者は連合国側が約1万人、ドイツ側が
4000〜9000人と推定されています。生き残った元兵士たちも既に80歳を
越え、やがてノスタルジアは歴史的評価に場所を讓ることでしょう。

 米国大統領のブッシュ氏は式典に参加する前にフランスから「D-Dayに
イラクを持ち出さないでくれ」と牽制されたようです。ここでも
"Freedom and democracy"をぶち上げたかったのに…。しかし、ブッシュ
氏が"freedom"や"justice"や"civilized country"などと発言するのを聞
くと、こちらは英語に自信がなくなりそうです。宗教国家的な傾向を強
める軍事超大国が「好きにやらせろ」と言っているように聞こえる
"freedom"では警戒されるのが当然です。各地の収容所では無期限拘束が
続き、"justice"や"human rights"が尊重されているようには見えません。
議会選挙の目処がたたないのでは"democracy"の実現は困難です。ブッシ
ュ氏はアメリカが"civilized country"だと信じているようですが、一般
人が銃砲を持たなければ安心して暮らせないような国を文明国と呼ぶの
は気が引けます。Abu Ghraibで露呈した暴力性や道徳観の欠如は何を意
味するのでしょうか。軍事的・宗教的優越感がアメリカ人を蝕んでいる
のではないかとの懸念を抱かせます。これについてはSusan Sontag氏が
英Guardian紙(http://www.guardianunlimited.co.uk/)に"What have 
we done?"という論考を寄せています。「写真論」でも有名な彼女が
Abu Ghraib の抑留者虐待写真をどう読み解くか、一読をお薦めします。

 米軍による抑留者(detainee)の扱いについて「ジュネーブ条約」が話
題に上りました。赤十字国際委員会(ICRC)によれば、国際人道法(IHL: 
International Humanitarian Law)の中核をなすのがジュネーブ条約
(Geneva Conventions)で、これは1949年に成立した第1〜第4条約と1977年
に追加された二つの議定書(Protocol I/II)からなっています。英国、ド
イツ、フランス、中国、韓国など百数十カ国が議定書を含めて批准済み
(一部は条件付き)なのに対して、日本は米国と同じく1949年の4条約を
批准しただけです。日本語版の条約本文は防衛庁のWebサイト
(http://www.jda.go.jp/)で閲覧できます。トップページで「ジュネー
ブ諸条約」を検索してください。

 虐待にしても誤爆や誤射にしても、現在のアメリカの指導層に必要な
のは、異教徒を「人」として尊重し、過ちを素直に認め、誠意を持って
被害者や遺族に謝罪と補償を行い、針路を修正する勇気を持つことです。
そうでなければ解放者(liberator)どころかコルテスと同じ
征服者(conqueror)と見なされます。心あるアメリカ人が一人でも多く、
地球の裏側で起こっていることに気づいてほしいと切望します。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。

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■ 翻訳業界雑記 

第7回 納品の先にある作業               吉野 陽

特に実務翻訳の世界では、訳文作成時にいろいろと指示が出されます。

「訳文はテキスト形式で添付」
「原文内の表組みの各項目はタブ1つで区切る」
「用語については別途支給のスタイルガイドに準拠」
「新規用語は原文と訳語をタブ1つで区切ってテキスト形式で保存」等

残念ながら翻訳者の方の中にはこういった指示が守りきれていない方が
いらっしゃるというお話を聞きます。訳文作成に力を入れるあまり、つ
い疎かになってしまうのかもしれませんが、訳文そのものよりも指示が
守られていないことに対して厳しいクレームがつくようです。いろいろ
と指示が出されるのはやはり理由があるようです。

例えば製品マニュアルの場合、納品された翻訳原稿に対してチェック作
業し、DTP 作業に移っていきます。チェック作業では支給されたスタイル
ガイドに準拠しているかどうか、訳抜けや誤字脱字が無いかどうか等が
チェックされます。スタイルガイドに準拠していない場合、チェッカー
が直すことになり、余計な作業が発生してしまいます。

DTP作業では納品されたテキストを流し込んでいきますが、Microsoft 
Wordなどで作成した文書は、場合によって余計な情報も紛れ込んでしま
い、体裁が崩れてしまうこともあります。もちろんタブが1つでも余計
に入っても体裁が崩れてしまいます。これもまたDTP作業時に余計な作業
が発生してしまいます。

ある翻訳会社で実際にあったお話なのですが、テキスト形式で訳文を送
ってくださいと指示したにも関わらず、Word上で体裁をきれいに揃えて
納品されてきたことがあったそうです。訳文を受け取った担当者は驚い
て直ぐに翻訳者の方に連絡をとりました。原文データがPDFファイルだっ
たので、見た目の体裁をそろえた方が良いと思ってWordで体裁を整えた
という答えが返ってきたそうです。

ちょっと極端な例になってしまいましたが、納品された訳文がどのよう
に流れていくのかを知っておくだけでも指示の重要性が明確になり、ス
ムーズに作業が行えるようです。現場を訪問できる機会がありましたら、
これらの作業がどのように行われているか確認することをお勧めいたし
ます。

◆さりげなくアメリア 
アメリアWebサイトの新コーナー登場!その名も「翻訳ボランティアス
テーション」。翻訳ボランティアステーションは、アメリア会員のみな
さんと翻訳ボランティアを必要とする団体との架け橋です。翻訳ボラン
ティアは活動を通して困っている人たちの役に立つことができるだけで
はなく、翻訳の経験を積むことやスキルアップにもつながります。

 http://www.amelia.ne.jp/user/job/volunteer_top.jsp


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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

営業マンの青木です。
TRADOS 商品説明会ではお騒がせしました。
想像以上に多くの皆様にお申込みをいただきました。有り難うございま
す。今回、ちょっとの差で間に合わなかった皆様、2回目を必ず企画いた
しますので、その節は宜しくお願いいたします。

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■ O.E.D.を引こう!   <慈悲>

長崎県佐世保市の小学校でまた痛ましい事件が起きました。ホームペー
ジ上の悪口が引き金となり、6年女子が同級生を刺殺。自分の少年時代
には想像できないことです。人生、他人との衝突・諍いは避けられない
ものですけど、その時、簡単に相手を排除するという短絡的な思考が、
子供とは言え、空恐ろしく感じます。慈悲の心はないのかと。

「慈悲」の意味は「あわれみいつくしむ心」ですが、どうしてこの言葉
に「悲」という字が入っているのか常々不思議に思っていたところ、作
家の五木寛之さんがNHK人間講座「いまを生きるちから」の中で、次
のように話していたそうです。

「日本は戦後、仏教の慈悲のうち、特に『悲』を打ち捨ててきた。その
結果、日本人の心は乾ききってしまった。『悲』は、泣き悲しんでひと
を慰まし、潤す力だ」と。   <2004.5.24 教育新聞「鉄筆」より>


これを聞いて私が思い起こすのは、以前(No.36)にもご紹介した童謡
詩人・金子みすゞ(1903-1930)の一篇の詩です。


The Sad Times         さびしいとき

  When I'm feeling sad     私がさびしいときに、
  Strangers don't know.     よその人は知らないの。

  When I'm feeling sad     私がさびしいときに、
  My freinds all laugh     お友だちは笑うの。

  When I'm feeling sad     私がさびしいときに、
  Mama spoils me.        お母さんはやさしいの。

  When I'm feeling sad     私がさびしいときに、
  Buddha feels sad.       仏さまはさびしいの。


             『金子みすゞ童謡集 Something Nice』より
            D. P. ダッチャー訳 1999.6 JULA出版局刊


ここで Buddha の感じるであろう sad こそ、慈悲の「悲」なんでしょう
か。ダッチャーさんの英訳の方がよくわかるようですね。

自分の中にある人生の痛みや苦しみを他者の中にも見出す時、その苦痛
を癒したいという自発的な深い思いとなって働くのが「悲」なんでしょう
ね、きっと。


さて、慈悲に相当する英語は、mercy です。この語源をOEDで調べて
みました。

mercy
 [a. F. merci, earlier mercit = Pr. merce-s, Sp. merced, Pg. merce,
 It. mercede:― mercedem (nom. merces) reward, fee, in Christian
 Latin from the 6th c. often used in the sense of misericordia (=
 1 below) and in that of thanks.] 
 The post-classical uses of merces are developed from the specific
 application of the word to the reward in heaven which is earned
 by kindness to those who have no claim, and from whom no requital
 can be expected. The Eng. uses explained below represent OF. senses
 that for the most part have not survived in Fr., where the word
 has been in great part superseded by misericorde. The chief uses
 of merci in mod.Fr. are in the sense 'thanks' (cf. gramercy),
 and in phrases corresponding to those in 5 below.

1. a. Forbearance and compassion shown by one person to another
 who is in his power and who has no claim to receive kindness;
 kind and compassionate treatment in a case where severity is
 merited or expected.


フランス語 merci からの借用で、6世紀以降のキリスト教ラテン語の
mercedem, merces(報酬、料金)から来ているそうです。中世になっ
て「天国の報酬」(それは要求もなく見返りも期待できない人々への
無償の親切によって得られるもの)→「慈悲」の意味に変遷したよう
です。

因みに車のメルセデス・ベンツの mercedes も元はラテン語で「慈悲」
を意味します(merces の複数形)。尤も独ダイムラー社の総販売権を
持ったエミール・イエネック氏の令嬢の名前がその由来だそうですけど。


ところで、語源的に似通った英語に commerce(商い)があります。

commerce
 [a. F. commerce, ad. L. commercium trade, trafficking, f. com-
 together, with, + merx, merci- merchandise, ware. Used only
 since the 16th c.; the earlier term was merchandise. The stress
 was orig. on second syllable, as in Watts 1706 (sense 2c); Gay
 1720 (sense 1) shows the present usage.] 

1. a. Exchange between men of the products of nature or art;
 buying and selling together; trading; exchange of merchandise,
 esp. as conducted on a large scale between different countries
 or districts; including the whole of the transactions,
 arrangements, etc.


フランス語 commerce からの借用で、ラテン語 commercium(交易する)
から来ており、接頭語 com- は「〜と共に」、merx は「商品」を意味
し、「共に商いを行うこと」となります。この merx の変化形 merces
が「料金」となり、前述の mercy と繋がるわけです。

日本語では一見、無関係どころか正反対にみえる「慈悲」と「商い」
ですが、各々英語の語源を辿ってみると繋がっているんですね。

つまるところ、商いとは<慈悲深い心をもって行うこと>という結論に
達しますでしょうか。相手の立場を考慮し利益を相互に享受し合うこと、
自他が思い遣って互いに幸せになることが商売の原点なんでしょう。

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※ 発行人 森本浩介  ※ 編集スタッフ 青木竜馬/竹村雅彦
※ 編集協力・取材 加藤隆太郎 http://trans.kato.gr.jp/
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