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■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その15)       山本ゆうじ
■ "Art" のはなし(下)                田村洋一
■ 翻訳読書ノート13                  北田敬子
■ 翻訳業界雑記 第6回                 吉野 陽
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
■ O.E.D.を引こう!   <robot>
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■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その15)
                                                      山本ゆうじ

MultiTerm を活用しよう

前回に続いて MultiTerm の紹介です(MultiTerm とは TRADOS の用語
管理ツールで、TRADOS の一部ライセンスには含まれています)。

 一見きれいにみえる部屋でも、掃除機をかけるとゴミやホコリがいっ
ぱいあることがわかります。用語の統一についても同じです。ツールを
使用しないでいると、自分でいくら完璧にチェックしたと思っていても、
1度ツールで確認してみればミスがいくつもでて驚かされることがあり
ます。

 用語集を検索するのに、Word やエディタを使われている方もいます。
Word ではあいまい検索ができますし、エディタの中にもあいまい検索が
できるものがあります。ただ、翻訳に使用する用語を確認するのに、最
初の数ヒットだけで判断するのは危険です。より適切な訳語が、用語集
の最後の方にあったとしたらどうでしょうか。そこにたどり着くまで何
度もクリックして確認しなかった場合は、誤った用語を採用してしまう
ことになります。MultiTerm なら、類似の語を含めてすべての用語のヒ
ットを一覧で確認できます。

 また grep 検索をするためのソフトで、前後の文脈を含めて一覧で出
すものもあります。しかし、インデックスを作成しないタイプの検索ツ
ールは、数千から数万語の用語を検索するには速度に問題があります。
時間がかかると、確認がおっくうになりがちです。特に確認したい単語
がいくつもある場合は、少しでも早く検索したいものです。MultiTerm
では、多数の用語に対しても非常に高速に検索できます。

 また、インターフェイス、インタフェース、インタフェイスなどの表
記のゆれを吸収できるのも、MultiTerm の特徴です。これは、一般的な
あいまい検索のように長音や中黒などの「ゆれやすい表記」を設定する
のではなく、表記のゆれを(TRADOS 同様に)文字の違いから数学的に
計算して、類似度を導いているためです。人間が犯しやすい、事前に予
測できないパターンの間違いやゆれにも対応することができます。

 作業に慣れてくると記憶に頼って翻訳しがちですが、これはかえって
誤りを増やすことになります。特に同一プロジェクトで、複数の会社の
用語を切り替えて翻訳する必要があることがあります。このような場合
に、記憶に依存していると間違いが増えます。MultiTerm は、該当する
(もしくは設定可能な範囲でのあいまい一致に該当する)用語を
Workbench 内で自動的に指摘するので、ユーザーはその語を簡単に適用
できます。もちろん複数の用語集を併用したり、切り替えたりすること
ができます。「用語の確認」という作業を、半自動化できるわけです。

 さらに MultiTerm では、「訳振り」をすることもできます。翻訳メモ
リ(訳振りするだけなら空のメモリでもかまいません)と事前に用意し
た MultiTerm の用語集を開き、Workbench を[ツール]、[翻訳]の順にク
リックすると、[ファイルを翻訳]ダイアログ ボックスが開きます。次に、
[既知の用語を翻訳]で、[置換]を選択します。詳しくは、Workbench の
このダイアログ ボックスのヘルプを参照してください。

 MultiTerm による用語管理は、理想的にはクライアントが行うものです
が、翻訳者や翻訳会社で使用しても大きな効果があります。正直いって
以前のバージョンの MultiTerm 5.5 は複雑で、使い勝手はあまりよくあ
りませんでした。新バージョンの MultiTerm iX は、操作性、用語の取
り込み、速度など多くの点で改善されています。Excel や CSV、または
旧 MultiTerm 形式の用語集があれば、簡単に取り込むことができます
(その際のディレクトリやファイル名は、英数字を使うとうまくいきま
す)。せっかく MultiTerm を持っているのに埋もれさせている方は、
ぜひ使ってみてください。

 ご質問、ご感想、ご要望、ご意見などがありましたら、
tran@nichigai.co.jp までどうぞ。

【著者プロフィール】
 山本 ゆうじ(やまもと・ゆうじ)
 フリーランス実務翻訳者。国際学校 UWC イギリス校で二年間学び、
 筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。
 日英仏語で、美学・比較文学・芸術学・文章技法などを学ぶ。

 transPC  【実務翻訳】	 http://transpc.cosmoshouse.com/
 秋桜舎  【文芸談義/文芸翻訳】http://cosmoshouse.com/
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■ "Art" のはなし(下)
                            田村洋一

 ただでさえややこしい"art"に"contemporary"がつくと事態は悲惨にな
ります。一般に「現代美術」と訳されることの多い"contemporary art"は、
残念なことに「難解」と「自己満足」の同義語のような存在と思われて
いるようで、おそらく国民の1%の関心も得られていません。これは先
駆者の宿命とばかりは言えず、多分に食わず嫌いから来ているものです。

 このジャンルを私なりに定義すれば「過去30年以内に制作された作品」
です。30年は「一世代」という意味で、「美術史(音楽史、etc.)の文
脈でまだ評価が定まらない」というニュアンスを含みます。それ以前の
作品は"modern art"と呼ぶべきでしょう。良く言えば新進気鋭の、悪く
言えば玉石混淆のアーティストたちが意欲的に制作活動を展開する最も
刺激的なジャンルですが、発表の機会や場所を得ることが必ずしも容易
ではありません。そんな中、東京都現代美術館が運営方針を大きく方向
転換しようとしているのが気になります。既に新規購入予算はゼロとな
りました。先行投資のリスクを避けるという意味でしょうか。現在所蔵
する作品だけの美術館では30年後には「近代美術館」になってしまいます。
また、持ち込み企画展だけでは美術館としての存在意義を疑われます。
文化施設が独立採算を求められる現在、公的な文化支援の在り方が問わ
れています。

 "contemporary art"の世界でも、最近は村上隆氏のように意識的に売
れ筋を狙い商業的に成功するアーティストも登場しました。この陰には
優れた画廊の支援があります。アーティストは自分の作品を紹介する
ポートフォリオを用意して、画廊や美術館のキュレーターを訪ねます。
最近はパソコンやデジタルカメラの普及で、作品資料のデータベース化
や資料作成、さらにはウェブページの作成も容易になりました。しかし、
それは日本語での話。いま日本人アーティストに要求されているのは海
外(当面は欧米)でのプレゼンテーション能力であると言っても過言で
はありません。そのためには協力者を求める必要もあるでしょう。

 日本人は「作品至上主義」といいますか、作品を見てもらえば全てわ
かると思いがちです。しかし、欧米人はそれだけでは満足しません。自
分の活動を言葉で説明すること、つまり説得力を持った「講釈」が必要
なのです。私はこれが常に正しいと言っているわけではありません。欧
米人のアーティストには口が達者なだけで中身(実力)が伴わない人も
いるようです。それでも、欧米人に売り込み、自分の世界を広げていく
ためには、それなりの戦略が必要です。東洋の神秘性に頼る時代ではな
くなっています。外国語でプレゼンテーション資料を作成するには、単
に日本語の資料を翻訳するだけでは不十分です。ときには、日本人の批
評家が個展カタログに寄稿した文章が難解で、翻訳しても意味が通じる
かどうか疑わしい場合もあります。そして、最終的には膝を突き合わせ
ての交渉です。"art"と相手国の国民性に通じた優れたコーディネーター
が求められます。最近、日本の大学でもこの分野(アート・マネージメ
ント)の人材養成が始まりました。これは朗報であり、その成果に期待
しているところです。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。

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◎大好評エッセイ『わが家にWebWHOがやってきた』
⇒フリーライター丸山タケシさんちに“WebWHO”がやってきた!
  朝日新聞夕刊コラム「TV構造改革」の著者による面白エッセイ
  〜第13回<“ボーナス”の巻>です〜


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■ 翻訳読書ノート13                  北田敬子

「語る人、聴く人」

読むことに加えて読書に「聴く」楽しみが加わるとどうなるだろう。一冊
で二度楽しい、いや「三倍楽しむ」を謳い文句にした本『ナイン・インタ
ビューズ 柴田元幸と九人の作家たち』(柴田元幸訳・編 アルク 2004
年)では、現代作家のインタビューを英語で読み、翻訳と解説を日本語で
読み、おまけに作家と翻訳者の対談をCDで聴ける。多産かつ気鋭の翻訳家
柴田元幸は、自ら手がけた作家たちを訪ね、作品に関する質問を繰り出し、
彼らをして存分に語らしめる。九人の中には、漫画家アート・スピーゲル
マンもいれば、イギリスから来日したカズオ・イシグロもいるし、電話イ
ンタビューで参加するポール・オースターもいる。(但し九人目の村上春
樹だけは日本語インタビューなので声は聴けない。)

この本を非常に面白い試みだと思う理由は、翻訳家の積極姿勢にある。彼
はいわば影武者の装束をかなぐり捨てて読者の前に飛び出し、「声」をもっ
て問いかける一人の批評家ともなる。対訳を供するのは仕事場を公開する
に等しい。以前から『翻訳夜話』(文春新書 2000)でも柴田の翻訳に対す
る自負は公にされてきたが、この度はさらに一歩進んだ。しかしながら翻訳
者を介してのみ異国語の世界に認知されうる作家たちに、柴田はどこまでも
「聴き手」の姿勢を崩さない。それはあくまでも「仲介者」であることを引
き受ける者の語り口だ。彼の声は一般読者に向かう時教師のトーンを帯び、
実作者に向かう時弟子のトーンを帯びる。

この本を傍らに、ポール・オースターのエッセイ集『トゥルー・ストーリー
ズ』(柴田元幸訳 新潮社 2004)を開くと翻訳家は姿を消し、そこには希
代のストーリーテラーが現れる。「信じられないような本当の話」を語るオ
ースターは柴田の声がなくては存在しないのに柴田の声はオースターに明け
渡される。われわれが聞くのは果たして誰の声なのか分からないほど透明に
なった時、柴田の本領が最高に発揮されていると言う他はない。それが翻訳
者の存在証明になる。


【著者プロフィール】
 北田 敬子(きただ・けいこ)
 東洋学園大学・現代経営学部教授
 東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
 バージニア大学教育学部にて在外研究。
 専門は英語文学、言語とコミュニケーション
 ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/


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■ 翻訳業界雑記 第6回 日本語を愛する         吉野 陽

小さい頃悩んだことがあった。家で留守番をしていると電話が鳴る。私
に用がある電話ではなく、父親、または母親宛ての電話である。

「はいもしもし」
「吉野さんのお宅ですか?」
「はい」
「あら?もしかして、あっちゃん?(←私のこと)覚えてる?ひでこお
ばちゃんよ!あら〜大きくなってー。ついこの間まで・・・(しばらく
私の思い出話が続く)・・・ところで、おかあさんは?」
「今出かけてます。夜まで帰ってきません」
「あら〜、夜まで一人でお留守番?偉いわね〜。ついこの間まで・・・
(また暫く思い出話が続く)・・・それじゃまた遊びにいらっしゃいよ!
お母さんに宜しくね」

と、一方的に電話は終わる。何とか電話の応対はできたものの、ひでこ
おばちゃん(仮名)の記憶が自分にはほとんど無い。あとで母親に訊け
ば済むことかもしれない。しかし問題は、ひでこおばちゃん(仮名)の
最後に残した言葉だった。

「お母さんに宜しくね」

なんて無責任な言葉だろう。母親が帰るまでの数時間、悩みに悩む。いっ
たい何を宜しく伝えればいいのだろう。時間だけが刻々と過ぎて行く。
この悩みから早く解放されたい。母親の帰りが待ち遠しい一方で、何と
伝えれば良いのか未だ分からない。答えは出ないまま、玄関のカギを開
ける音が聞こえた。母親に駆け寄り電話の件を伝える。

「えーと、ひでこおばちゃんから電話があって・・・」
「あら、久しぶりね。それで何だって?」
「えーと、う〜んと・・・“お母さんに宜しくね”だって」
「あらそう」

・・・通じてしまった。あまりの結末に言葉が無かった。何とも釈然と
しないまま、「〜に宜しくね」はそのまま伝えればいいものだと思って
いた。

しかし数年前、思わぬところでこの答えを見つけた。金田一春彦先生の
著書だった。

普段何気なく使っている日本語でも、本当の意味を言えないこともある。
日本人の心、日本語の素晴らしさ、美しさが金田一先生の著書にはあふ
れている。日本語を愛さなければ良い翻訳は生まれない。そんなことを
5月19日の悲報を耳にして思った。

2004年5月19日 金田一春彦先生が御逝去なさいました。心よりご冥福を
お祈りいたします。


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■ O.E.D.を引こう!   <robot>

水曜深夜にTVを付けると懐かしい歌声が聞こえてきました。

   ビルの町にガオー
   夜のハイウエーにガオー

これを歌うのは作曲家の三枝成彰氏が団長を務め、作家、俳優、政治家、
官僚、大手企業の役員、医者、マスコミ関係者など259人で構成された
「六本木男性合唱団」です。

そう、テレビ東京でアニメ『鉄人28号』を放映していたのです。完全な
新作ですが、昭和31年(1956)の横山光輝氏の原作そのもののレトロな
タッチには不思議な温もりと味わいがあります。折しも今年4月に横山氏
は不慮の火災でお亡くなりになりました(享年69歳)。

深夜枠のアニメは、かつての『新世紀エヴァンゲリオン』のヒット以来、
盛況で、この4月からは各局20本近いアニメが放送されているそうです。
当然、ターゲットは子供ではなく、20〜30代の大人なんだとか。

さて、「鉄人」は巨大ロボット漫画の元祖と言われますが、この robot
をOEDで引いてみましょう。

robot
[Czech, f. robota forced labour; used by Karel apek (1890-
1938) in his play R.U.R. ('Rossum's Universal Robots')(1920).]
 1. a. One of the mechanical men and women in apek's play;
 hence, a machine (sometimes resembling a human being in appearance)
 designed to function in place of a living agent, esp. one which
 carries out a variety of tasks automatically or with a minimum of
 external impulse.

ご推察の通り、robot は比較的新しい言葉です。チェコスロバキアの劇
作家カレル・チャペック(1890-1938)が1920年に書いた劇曲『ロッサム
万能ロボット会社 R.U.R.』の中で、「強制労働」や「苦役」を意味する
チェコ語の「robota」から人造人間を表す「ロボット」という造語が生
み出されました。OEDの初出例は1923年ですが、これは『R.U.R.』が
英訳された年ですね。因みに「robota」と同語源にドイツ語の「Arbeit
(アルバイト)」があります。

ロボットに似た言葉は他にもあります。時系列に並べてみましょう。

automaton
 1. lit. Something which has the power of spontaneous motion or
 self-movement.

語源はギリシャ語で、原始的機械仕掛けの意味だそうです。転じて、
機械的に行動する人、考えずに行動する人も表します。コンピュータ
用語の「オートマトン」は自動装置ですね。


android
[f. mod.L. androides (also used), f. Gr. 〓- man + -〓 -like: 
see -oid.]  <※ゲタ字はギリシア語>
 An automaton resembling a human being. Also attrib.

andr はギリシア語で man、-oid は「〜に似た」という意味の接尾辞だ
そうです。初出例は1727-51年となっています。robot よりもずっと古
い言葉なんですね。


golem
[ad. Yiddish goylem, f. Heb. golem shapeless mass.] 
 In Jewish legend, a human figure made of clay, etc., and 
 supernaturally brought to life; in extended use, an automaton, 
 a robot.

ユダヤの伝説で、土によって作られ、超自然的に仮の生命を与えられた
ヒト形のものです。語源はヘブライ語の「形なき固まり」だそうです。
初出例は1897年です。転じて、オートマトンやロボットを意味するよう
になります。また、旧約聖書によると、アダム(人間)は土くれから形
づくられた神の似姿に Spirit が吹き込まれることで誕生したと言われ
ています。


humanoid
[f. human a. (n.) + -oid.] 
 A. adj. Of human form or character; man-like; spec. 
 (a) distinguished from anthropoid as being more human in character
 (cf. hominoid a. and n.);  (b) as a term in Science Fiction.

一般に人間型のロボットは「ヒューマノイド・ロボット(Humanoid 
Robot)」と呼ばれています。こちらの初出例は1918年です。


cyborg
[Blend of cyb(ernetic a. and org(anism.] 
 A person whose physical tolerances or capabilities are extended
 beyond normal human limitations by a machine or other external
 agency that modifies the body's functioning; an integrated man-
 machine system.

サイボーグは人間の生体機能の重要な部分を電子機器などに代行させた
ものです(広辞苑より)。初出例は1960年となっています。


日本人と欧米人のロボット観は大きく異なるそうです。日本でロボット
と言えば、「鉄腕アトム」を始めとする人型ロボットが一般的ですが、
ホンダの二足歩行の「ASIMO」やソニーのペット型ロボット「AIBO」が
作られ人気を博しているのは、日本特有の現象だとか。欧米ではロボッ
トはあくまで「道具」として認識され、機能を重視した形を取るんです
ね。

これは、キリスト教文化において、生命の創造は神のわざであり、人が
踏み込んではいけない領域である、神以外の者が人に似たものを作るこ
とは「神への冒涜」であるという思想が根強く残っているからです。こ
のため、人型ロボットの開発をタブー視する傾向が強いとも言われてい
ます。

さて、上記のチェコの戯曲『R.U.R.』のストーリーは、人間に代わって
労働を担うべく開発された「ロボット」がやがて戦争の道具として使わ
れ、ついには人類を滅ぼすというものです。私は未読ですが、故・手塚
治虫先生はちゃんと読まれていたのでしょう。アイザック・アシモフの
ロボット工学三原則を経て、ロボットと人間の対立・葛藤というテーマ
は、心を持ったロボット「鉄腕アトム」に引き継がれ、掘り下げられて
いったのかもしれません。

旧日本軍の秘密兵器として開発された「鉄人」には心がありません。
「いいも悪いもリモコン次第」すなわち操る人間の心次第の無機物です。
こちらの方が、より西洋的なロボット像の原点に近いのかもしれません。


【鉄人28号 WEB SITE】
   http://www.tetsujin28.tv/top.html


                             (竹)


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【Oxford English Dictionary Online】※有料−別途会員登録が必要です
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【Webster's Third New International Unabridged Dictionary on
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