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■ これ、カタカナでいいんですか?            田村洋一
■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その13)        山本ゆうじ
■ 翻訳読書ノート12                  北田敬子
■ 翻訳業界雑記 第4回                 吉野 陽
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ
■ O.E.D.を引こう!   <hostage>
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■これ、カタカナでいいんですか?
                           田村 洋一

 外国語から翻訳された日本語の文章にはさまざまなカタカナ語が登場
しますが、「本当にアルファベットをカタカナに換えただけでいいんだ
ろうか?」と疑問を感じることも少なくありません。2002年に国立国語
研究所(http://www.kokken.go.jp/)が「外来語」委員会を設置して
「『外来語』の言い換え提案」をまとめていることはご存知の方も多い
と思います。「外来語」とカッコ付きになっているところに微妙なニュ
アンスがあります。今年5月には第3回の中間発表が予定されています。

 さて、固有名詞や既に定着した外来語は除くとして、問題になりそう
なカタカナ語には大別して以下の3種類があります。1番目は「和製英
語」。できれば使いたくない言葉です。2番目は、外国語をカタカナに
置き換えただけの慣用語句。適当な日本語にするのが望ましいと思いま
す。例えば「ロードマップ」や「ソリューション」など。最近は企業の
組織名にもこの傾向があり、名刺の肩書が長い長いカタカナだけという
例が増えています。3番目は、まだ日本語訳が定まらない新語。これが
翻訳者を悩ませます。ここ3年ほど私が注目しているのが米国のIT関連
ビジネスで使われることの多い「best practices」という言葉。意味と
しては、特定分野で試行錯誤を経て得られた最善と思われる対応策をま
とめたものです。訳語には「最善策」や「最良事例」などがありますが、
一番多いのは「ベスト・プラクティス」です。簡単な言葉ですが結構手
ごわいと見えて、いまだに固定化しません。個人的には、拡大解釈では
ありますが、その字面から「適例」を使いたいところです。

 確かに日本語になりにくい言葉は存在します。Webニュース等の翻訳で
は時間的制約が大きい上に話題の新奇性が特徴でもあることから、気に
はなるもののついカタカナ語で済ませてしまう場合もありそうです。で
も、そこで頑張って新しい日本語表現を工夫していく努力は無駄ではな
いと思います。翻訳者と翻訳家の違いはこの辺にあるのかもしれません。


【著者プロフィール】
 田村 洋一(たむら・よういち)
 東京生まれ。幼稚園に入る前からFENを聴いて育った生粋のビートルズ
 世代。SEとして日米のコンピュータ会社に勤務し業界の栄枯盛衰を目
 の当たりにしてきた。現在はフリーの翻訳者、編集者。自分の眼を信
 じる美術愛好家でもある。


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■「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その13)      訳語検索の意味

翻訳中に訳語がわからない語がでてきたらどうするか。これは、あらゆ
る翻訳者にとって日常的に出くわす問題です。辞書に載っていない語は
インターネットなどで探すのはいまや常識ですが、翻訳メモリを使う場
合は、まずメモリ内で「訳語検索」を行う必要があります。特に、支給
されたメモリの場合は「これまでに使われた訳語に必ず合わせる」こと
が、義務になります。たとえば configuration の訳語が「構成」か
「設定」か「コンフィギュレーション」かは、通常、分野やクライアン
トによって決まっているので、メモリ内で確認してその語を適用しなけ
ればなりません。この機能に関しては、文単位で一致しなくても、「同
じ分野」「同じクライアント」のメモリというだけでも、より適切な用
語を選ぶ手がかりになります。つまり、訳語検索については、文単位で
の一致率が高くない「同分野の別製品」のメモリをサブ メモリ(前回
のコラムを参照)として取り込んで使用する意味が十分にあるわけです。

TRADOS の場合は、Workbench で表示されている語句を選択して右クリッ
クし、[訳語検索]を選択することで、その語句が、他の文で、どのよう
な文脈でどのように使われているかを確認できます。このように、以前
の訳語を確認してそれに合わせることで、翻訳メモリを使ったときと使
わない場合では、用語の統一という点で決定的な差が出ます。ただ、こ
れは翻訳メモリを使う上で基本的かつ重要な手順でありながら、意外と
行われていないことがあります。訳語検索を怠ると、訳語がバラバラに
なり、チェッカーや、次にそのメモリを使う翻訳者が苦労します。訳語
検索は何も人のためだけではありません。自分でメモリを作成している
場合は「これまでに使った訳語を確認する」という意味で、自分自身の
ためでもあります。

ちなみに、Workbench で単語を選択して、訳語検索やコピーしたいとき
に、マウスなどでは範囲をきちんと選択するのに手間取ることがあります。
このような場合は、Word と同じようにダブルクリックすれば、単語をひ
とつだけすばやく選択できます。また Workbench では、矢印キーを使う
こともできます。Ctrl と Shift キーを押しながら矢印キーを押せば、
単語単位で選択できます。この他、Home、End なども同様に使用でき、
Shift キーと同時押しで、それぞれ、行頭と行末まで簡単に選択できます。
ちょっとしたことのようですが、作業のストレスを軽減できるはずですの
で、まだの方はぜひお試しください。

さて、訳語検索はその名の通り、訳語しか検索できません。特定の原語
を確認したい場合はどうしたらよいのでしょうか。この場合は Workbench
の[ファイル]メニューから「メンテナンス」機能を使います。ここでは、
原語、訳語はもちろん、作成者/変更者、作成日/変更日といった項目、
そして前回触れたテキスト フィールドで絞り込むこともできます。これ
は、翻訳メモリが「必要なデータを絞り込む」ためのデータベースであ
ることの利点です。また、すべての文に含まれる特定の語を検索し、全
置換することもできます。当コラムの第10回で紹介した例では、クライ
アント側の担当者の方が、メモリに対してメンテナンス機能で訳語を訂
正していれば、わざわざ翻訳会社に訂正を依頼する必要がなかったわけ
ですね。訳語をどのように統一するか、という点はクライアントでなけ
れば判断できないことがあります。メンテナンス機能は、クライアント
の方にぜひ活用して欲しい機能です。

さて訳語検索やメンテナンス機能では、自分から検索して確認しない限
り、ある訳語が正しいかどうか、指定された用語かどうかはわかりませ
ん。この手順を、もっと楽にできないでしょうか。

その方法は、また次回に。ご質問、ご感想、ご要望、ご意見がありまし
たら、tran@nichigai.co.jp までどうぞ。

【著者プロフィール】
 山本 ゆうじ(やまもと・ゆうじ)
 フリーランス実務翻訳者。国際学校 UWC イギリス校で二年間学び、
 筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。
 日英仏語で、美学・比較文学・芸術学・文章技法などを学ぶ。

 transPC  【実務翻訳】	 http://transpc.cosmoshouse.com/
 秋桜舎  【文芸談義/文芸翻訳】http://cosmoshouse.com/


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■ 翻訳読書ノート12                  北田敬子

「純愛」という衝撃

イラクでの戦争にじわじわと深く関わり始めた日本が「邦人誘拐」「解
放」と一喜一憂する一方で、世界情勢とは関わりのない幻の王国が多く
の人々の意識の中に築かれている。玉座に君臨するのは「純愛」と呼ば
れる感傷である。バイオレンスとも、セックスともドラッグとも無縁の
領土だ。

ベストセラーは揶揄の対象にもなり、驚異でもある。『冬のソナタ(上・
下)』(キム・ウニ/ユン・ウンギョン著 宮本尚寛訳 NHK出版 第14刷
2004)は韓国のテレビ番組の所謂「ノベライゼーション」だから、余韻を
楽しみたい視聴者向けの出版だったに違いない。予め与えられた登場人物
のイメージ、周知の展開、解かれた後の謎。それでも求められ続ける書籍
の魅力とは何か。映像が書きことばに定着する時、読者は虚構への本格的
な参入を許される。改めて想像力が刺激され、幾度でも新たな感情移入の
機会が与えられる。韓国産の物語でありながら、この作品には土着的風俗
は殆ど無いに等しい。いつ、どこの、誰に起こっても構わない初恋談義の
プロトタイプである。

揃って1970年代生まれの両作者と訳者が、彼らより10歳も20歳も上の世代
からごく若い世代までを虜にしている。おそらくその殆どが女性である読
者層は、第二次世界大戦以前の日本と韓国の歴史的経緯の実情を知らず、
したがってかつての偏見からも自由である。「無垢」(ないし「無知」)
が「純愛」に飛びつく--これこそ「初恋」のエッセンスだろう。愛の辛酸
をなめるのはその後の過程にある。初恋を手放さないことは甘美だが苦悩
の始まりでもあることをこの作品自身がよく示している。主人公たちの親
世代の「過ち」が子ども世代に及び、その克服が仄めかされるというプロ
ットも実に示唆的ではある。非西欧的、儒教的、禁欲的価値観が現代の日
本に与えるインパクトは意外に強かった。韓国語からの翻訳作品がこれか
ら日本の出版市場に続々と「侵出」してくることは想像に難くない。


【著者プロフィール】
 北田 敬子(きただ・けいこ)
 東洋学園大学・現代経営学部教授
 東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
 バージニア大学教育学部にて在外研究。
 専門は英語文学、言語とコミュニケーション
 ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/


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  朝日新聞夕刊コラム「TV構造改革」の著者による面白エッセイ
  〜第11回<“お引っ越し”の巻>です〜


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■翻訳業界雑記 第4回 映像分野             吉野 陽

さて前回は実務分野でのトライアル審査の現場についてご紹介いたしま
したが、今回は映像分野について。

CS 放送や DVD メディアの普及で、映像翻訳の需要が高まっている反面、
優秀な翻訳者が不足している状態にあります。この「優秀な」というの
がポイントです。それでは現場で求められているスキルはどんなものな
のでしょうか。

1. 正確な言葉選びとかなづかいができているか 
2. 一般教養に不足がないか
3. 映画、フィルムに関する知識があるか

これら 3 つの条件を兼ね備えている翻訳者が必要とされているようです。
順に見ていきましょう。

1. 正確な言葉選びとかなづかいができているか
限られた文字で最大限のメッセージを伝えなければならない映像字幕に
は正確な言葉選びとかなづかいが要求されているようです。

2. 一般教養に不足がないか
総合芸術といわれる映画ではあらゆる分野の知識が要求されます。最低
限新聞に出ている一般教養は必要とされるようです。

3. 映画、フィルムに関する知識があるか
映画の字幕・吹き替えの翻訳の場合、当然要求される知識ですが、意外
にもこの知識を兼ね備えている映像翻訳者が少ないようです。映画や
フィルム技術、俳優や監督など、映画の裏の裏まで知らないと、現場で
通用する翻訳ができないようです。

3 に関しては勉強して身につけるというものではないでしょう。やはり
「映画が好き」と言う気持ちから、俳優や監督、撮影方法などの知識が
身についていくように思います。映画が大好きな方、一度映像翻訳とい
う分野を考えてみてはいかがでしょうか。

◆さりげなくアメリア 「字幕チェッカー適性テスト」開催中!
映像字幕・吹替の制作会社ACクリエイト(株)が提供する「字幕チェッ
カー適性テスト」を随時開催。正確な言葉選びとかなづかいは、どの分
野の翻訳でも必須。例えばこんな問題が出ています。

<誤った用字用語はいくつ?>
 腕づくで連れて来い
 野性の馬は手ごわいからな

<括弧内には何が入る?>
 『レインマン』の中で世界一安全な航空会社といわれたのは(   )
 航空である

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■ 電子辞書SHOPからのお知らせ

★「CD-ROM 世界大百科事典 第2版 & マイペディア」発売開始
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
《概要》
 知の最高峰、平凡社の「世界大百科事典」と、同じく平凡社の小百科
 事典「マイペディア」を収録しています。
《収録コンテンツ》
 「世界大百科事典 第2版」 「マイペディア」(<2003年6月>最新の
 データ・項目に改訂/追加収録しています。)
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 「デジタル地図帳」(2004年改訂版)

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   ◆◆◆翻訳者の実力養成と訓練に最適の100講◆◆◆
 「翻訳力錬成テキストブック―柴田メソッドによる英語読解」
     柴田耕太郎〔著〕 日外アソシエーツ〔刊〕
   定価10,290円(本体9,800円) 2004年4月20日刊行

《推薦の言葉》

英語を学びなおしたい人のための絶好の再入門書だ――山岡洋一
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「日本の英語教育は読解偏重、文法の詰め込みだから良くないといわれ
ている。柴田耕太郎著『翻訳力練成テキストブック』を学べば、この常
識がいかに間違っているかを実感できるだろう。読解も文法もまともに
は教えられてこなかった。だから英語を何年学んでも、読み書きも会話
もできるようにならないのだ。『翻訳力練成テキストブック』は英語を
学びなおしたい人のための絶好の再入門書だ。」

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■ O.E.D.を引こう!   <hostage>

イラクの日本人人質が無事解放されました。ジャーナリストはともかく、
ボランティアやNGOの民間人が家族の反対を押し切り、政府の退避勧
告を無視して、危険な地域に足を踏み入れたことの是非について、自己
責任を問う厳しい意見もみられますが、何はともあれ、よかった。一体
どういう結末を迎えるのか気掛かりで、私もTVニュースに齧り付いて
いた口です。どこか対岸の火事だったイラクの内情が生々しい現実とし
て報じられた点で、この事件は意義深いものだったと言えるかもしれま
せん。

3人の人質解放には、日本滞在6年のイラク人通訳ディア・キデルさん
(36) が一役買ったとのこと。一時帰国中に事件を知ったディアさんは、
宗教指導者たちに人質解放を働きかけたそうです。「私は日本人にお世
話になった。今回は日本のため、自分がやるべきことをやっただけだ。」
と(朝日新聞2004/4/17)、危険な目に遭いながらも奔走し、イラクの人
と日本の人を繋いだディアさんは、最高の「通訳」をしてくれたような
気がします。


さて、「人質」は英語では「hostage」と言いますが、その語源を調べて
みたところ、面白いことがわかりました。まずは Webster からの抜粋
です。

hostage
Etymology: Middle English ostage, hostage, from Old French, from
oste, hoste host, guest + -age * more at HOST


hostage は、古フランス語の hoste(主人/客)+-age(状態)から成り
立っているとのこと。hoste(oste)は〈主人〉であると同時に〈客〉も
表すようです。現代フランス語の hote も同様ですね。

さらなる情報を求めて、OEDで host の項を引いてみました。ご覧の
通り、「軍勢」という意味の host と「主人」という意味の host が別
立てとなっていますが、勿論、密接に関連しています。


host, n.1
[a. OF. ost, host, oost, hoost army (10th c. in Godef.) = It. 
oste, Sp. hueste, Pg. hoste:―L. hostem (hostis) stranger, enemy, 
in med.L. army, warlike expedition. The Latin h, lost in Romanic, 
was gradually readopted in OF. and ME. spelling, and hence in mod.
Eng. pronunciation.] 
 1. An armed company or multitude of men; an army. Now arch. and 
 poet.

host, n.2
[a. OF. oste, hoste (12th c. in Littre), mod.F. hote host, guest 
= It. oste:―hospit-em (hospes) host, guest, stranger, foreigner. 
For resumption of h, cf. prec.] 
 1. A man who lodges and entertains another in his house: the 
 correlative of guest.


前者はラテン語の hostis(よそ者,敵)を、後者は hospes(主人,客,
よそ者)を語源とします。hostis と hospes は同系列の言葉で、その
意味はともに「よそ者」でした。すなわち、「よそ者」は、敵にも客人
にもなり得るわけです。

すぐに思い浮かぶ関連語として hostile(敵意のある)と hospitable
(親切にもてなす)があります。こちらも各々、hostis と hospes を
語源としています。

本来、hospitality(もてなし)とは、遠来の客、見知らぬ旅人に無償で
食事とベッドを提供し、無事に旅を続けさせること、また困窮者や病人
を収容し、治療を施すことなんだそうです。部外者を〈客〉として自分
の家に受け入れた者=〈主人〉は、その間、客の保護者となります。い
わば、客は主人の虜になるわけで、主人が hostility(敵意)を抱けば、
客は hostage(人質)に変わるんですね。

ちなみに、hotel や hospital も同語源で、ラテン語の hospitale「客
をもてなす所」が原義となっているようです。


hostage という言葉の語源に漂うアンビバレントな語感は、異なる文化、
異なる宗教、異なる民族の他者に対して私たちがどう接していくべきか
をあらためて考えさせてくれます。


                             (竹)


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