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■ 翻訳読書ノート9 「モダン」を超えて         北田敬子
■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その7)        山本ゆうじ
■ 電子辞書SHOPからのお知らせ 「セイコー電子辞書」新発売
■ O.E.D.を引こう!   <haiku>
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 営業マンの青木です。
 
 ハリー・ポッターの翻訳で知られる、静山社の松岡佑子社長にお会い
 できるかもしれない、という話があります。
 電子辞書SHOPの姉妹店、点辞館で「朗読CD版 ハリー・ポッターと賢者
 の石(朗読:江守徹)」の販売をはじめたのがキッカケです。
 最近ご無沙汰の加藤隆太郎さんと、突撃インタビューに及ぼうかと目論
 んでいます。
 
 正式に決まりましたら『読んで得する翻訳情報マガジン』読者の皆様に、
 「松岡社長に尋ねたいこと」を募集したいと思います。
 どうぞお楽しみに。
 
   http://www.nichigai.co.jp/yomikata/harry_potter.html

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■ 翻訳読書ノート9                 北田 敬子

「モダン」を超えて

それは続けざまに1000ページ以上読んでもどこかに発してどこかへ至る
過程ではなかった。『ある男の聖書』(高行健 Gao Xingjian 著 飯塚容
訳 集英社 2001年)と『霊山』(同 2003)に渦巻く言語の奔流は、欧米
系文学の律儀な約束事には収まらない。この在仏の自発的故国喪失者
(exile)にして中国語で書き続ける作家に「モダニズムの系譜」といっ
た20世紀的呼称が当てはまるとも思えない。

『ある男の聖書』(原著出版 1999年)が「自伝的」というのは頷ける。
革命寸前の中国に生まれ、毛沢東率いる共産主義国家に育ち、文化大革
命の嵐をくぐり抜け、やがて国からも同胞からもあらゆる束縛から逃れ
出ることで自己を保とうとする「作家/芸術家」の遍歴が語られるとい
う点においては。しかしこの旅に終わりはない。「霊山」を目指して放
浪する作家の物語(原著出版 1990年)はさらに壮大な規模で古代から現
代の中国まで、自然、人、文化を俯瞰しようとする。個人を超えた魂の
記録とでも呼ぶしかない。これは言語表現という行為を自問し続ける
「メタ・小説」でもある。

国家という仕組みへの懐疑、文革時代の理不尽な施策批判、為政者と人民
の確執の活写、繰り返される濃厚な性愛描写などが、高行健の作品を中華
人民共和国が発禁処分にする理由だろう。国外からしかこのようなものが
生まれ得ないところに、現在の中国の状況は推察できる。しかし中国大陸
から今後出てくるものが、産業・科学技術・巨大市場などばかりではなく、
数千年に及ぶ歴史の蓄積から醸造される言語芸術を含むものに違いないこ
とは予感できる。高行健には2000年度ノーベル文学賞受賞作家というレッ
テルもほんの付け足しのように感じられてならない。飯塚容の闊達な訳業
に、我が国の外国文化受容の根元に中国があり続けたことを再認識し、漢
字文化が相互にやりとりしてきたものの意味を改めて熟考したくなる。

【著者略歴】
北田敬子(きただ・けいこ)
 東洋学園大学・現代経営学部教授
 東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
 バージニア大学教育学部にて在外研究。
 専門は英語文学、言語とコミュニケーション
 ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/


***** For your reference *****

高 行健 (Gao, Xing-Jian)
 (国籍) フランス (職業) 作家;劇作家;画家
 1940年1月4日中国・江西省に生まれる。
 北京外国語学院フランス語部〔'62年〕卒
 1957年北京外国語学院フランス語部に入学、アラゴンやサルトル、ブレ
 ヒトを知り、戯曲や脚本、小説、詩の創作を開始する。'66年から文化
 大革命下で農村に下放。'77年北京に戻り、'79年中国共産党に入党。
 '81年より北京人民芸術劇院に所属。'82年の戯曲「絶対信号」以来、
 演出家の林兆華と組んで中国の実験的な小劇場演劇の先頭に立つ。
 '83年不条理劇「バス停」を発表するが当局の"精神汚染"追放キャン
 ペーンで批判を受け、'86年には劇の上演が禁止される。この頃から
 水墨画の手法を使った抽象的油絵を描き始め、'87年ドイツの芸術財団
 の招聘を受け出国。'88年フランスに政治亡命し、パリに渡る。のち
 フランス国籍を取得。'89年天安門事件に触発され戯曲「逃亡」を発表、
 同作品は中国共産党から批判される。同年共産党を離党。のち中国本土
 では作品が発禁処分となる。また演劇評論や小説も手掛け、画家として
 も活躍。2000年中国の小説や戯曲に新たな道を切り開いたとして、中国
 系作家として初めてノーベル文学賞を受賞。他の作品に「野人」「現代
 折子戯」「霊山」など。近年はフランス語でも執筆 

                (データ提供:日外アソシエーツ-WHO)

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  〜第5回は<セイジンシキの巻>です〜


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■ 「山本ゆうじの翻訳道具箱」(その7)入力方式

生物の教科書などで、頭と手が発達した「ペンフィールドのホムンクル
ス」というものを一度はご覧になったことがあると思います。

 http://images.google.com/images?q=Penfield+homunculus

これを見ると、脳の感覚野に占める顔と手の重要性がわかります。キー
ボード、IME、入力方式などの入力環境では、知的活動のインターフェー
スである手の役割が大きく、そのせいかユーザーの思い入れ、こだわり
が非常に強いようです。新しい方式にはなかなか慣れないのもそのため
でしょう。IME や入力方式についてどれが良いかは、Windows と Mac の
どちらが優れているかといったことと同じように、宗教的な論争になる
こともあるようです。

さまざまな入力方式の種類については、こちらのサイトも参考になります。

「かなを入力するためのキーボードレイアウト各種」
 http://www.asahi-net.or.jp/~ez3k-msym/charsets/keymap.htm

◆入力方式

私は、初めてパソコンに触れてからこの20年間というもの、ずっとロー
マ字入力で入力していたのですが、指の負担を減らすために2003年3月ご
ろ、ふと思い立ってかな入力に切り替えました。3日ほどでそこそこ使え
るようになり、少しずつ練習を重ねて、今ではすっかり慣れてタッチタ
イプできるようになりました。ふだん目にしていながら使うことのなか
ったキーボードのかな印字を使いこなせるようになったのは、なかなか
新鮮な体験であり、またできるようになると結構達成感があるものです。
普段入力することの多い英文混在の文章では問題が出るかなとも思いま
したが、その心配もありませんでした。

ここで私が求めていたのは「速く入力する」ことではなく「楽に入力す
る」ことでした。そのとき、入力方式についてもちょっと調べてみて、
親指シフトも少し練習してみました。確かにキーボードを3段しか使わな
い親指シフトでは、キーボードを4段使うかな入力よりもタイプミスを減
らし速く入力できるかもしれません。ただし以前にご紹介した推測変換
を使用する場合は、状況が少々異なります。最初の数文字を入力しただ
けで入力候補が出るということは、入力に使うキーの数が多いほど、少
ない文字数で候補が絞り込まれるということです。そのため、最も合理
的な配列だとは思っていませんが、入力方式としては結局かな入力を選
びました。なお親指シフト入力ソフトのパッケージ製品である Japanist
2002/2003 にも入力予測機能があります。

推測変換機能と音声認識は、キーボード多用者の間では課題のひとつで
あった「速く打つ」という、キーボードに求められる条件のひとつを大
きく変えると思われます。
キーボードや入力デバイスで、今後はこのようなソフトウェアの進化を
考慮したデザインが出てきてもよいのではないでしょうか。

ATOK 17 については、後ほど取り上げる予定です。

この連載に関するご質問、ご感想、ご要望などがありましたら、
tran@nichigai.co.jp までどうぞ。


 【著者プロフィール】
 山本ゆうじ
 フリーランス実務翻訳者。国際学校 UWC イギリス校で二年間学び、
 筑波大学を経て、シカゴ大学人文学修士号を取得。
 日英仏語で、美学・比較文学・芸術学・文章技法などを学ぶ。

 transPC  【実務翻訳】	 http://purl.com/transpc/
 秋桜舎  【文芸談義/文芸翻訳】http://purl.com/cosmos/


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■ O.E.D.を引こう!   <haiku>

古来より、日本人には五七五七七の音節で短歌を詠む習慣があります。
七五調の文体は、私たちの耳に心地よく響きますよね。言語学者・大野
晋さんの『日本語の起源』によるとインド南部のドラビダ語族 (Dravid-
ian) に属するタミル語 (Tamil) でも五七五七七の短詩を詠むそうです。

俳句は、元々「俳諧の連歌」の省略だそうです。複数の詠み人の間で七
五調の句を百句重ねていく連歌に始まり、今を遡ること約500年前の室町
末期に流行した卑近・滑稽を旨とする連歌(俳諧)の発句の形式を継承
したもので、季題や切字を詠み込むのを習いとします。

明治28(1895) 年に正岡子規が、新聞『日本』に「俳諧大要」と題する
文を載せ、俳諧の発句に初めて「俳句」の名を与えて、「俳句は文学・
芸術である」と高らかに宣言しました。

同じ頃、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が初めて俳句を英訳して、
海外に紹介しています。以来、多くの日本研究家が俳句を英訳し、また、
それに倣ってオリジナルの英語俳句も作られるようになりました。
O.E.D. でも「haiku」の見出し語があり、初出例は1899年となってい
ます。

haiku
Also haikai, hokku. [Jap.] 
 A form of Japanese verse, developed in the mid-16th century, 
 usually consisting of 17 syllables and originally of jesting
 character; an English imitation of one.
 The hokku was originally the opening hemistich of a linked
 series of haiku poems, but is now synonymous with haiku and
 haikai. An earlier meaning of haikai, an abbreviation of the
 phr. haikai no renga ('jesting linked-verse', was a succession
 of haiku linked together to form one poem.

 1899 W. G. Aston Hist. Jap. Lit. iv. 289 In the sixteenth
 century a kind of poem known as Haikai, which consists of
 seventeen syllables only, made its appearance.


第二次世界大戦後は、北米を中心に一大俳句ブームが起こり、上の説明
に「an English imitation of one」とあるように英語俳句もすっかり
定着したようです。17文字とか五七五にあまり縛られることなく、季語
の制約も無いものですが、虚子の「俳句は日本文化の中で、一番後から
行きながらも、世界文化になる日がいずれ来る」との言葉は、概ね現実
化したと言えるかもしれません。

では、英訳俳句の先駆けとなった作品の一つを見てみましょう。明治31
(1898)年、小泉八雲が「蛙」というエッセーを発表して、芭蕉の句
「古池や蛙 (かわず) 飛び込む水の音」を英訳しています。

●ラフカディオ・ハーン 訳(Lafcadio Hearn, 1850-1904)
  Old pond -- frogs jumped in -- sound of water.

ここで、蛙が複数形になっている点にご注目ください。八雲は、冬眠
から目覚めて飛び出してきた蛙がぽちゃんぽちゃんと次々に飛び込ん
でいく様をイメージして、滑稽な趣を感じたようです。きっとこの句
が春の訪れの「喜び」を表している点に着目したのでしょう。

しかしながら、複数形では「侘び・さび」といった幽玄の趣が感じら
れず、もの足りない気がします。この句は世界でもバイブル的作品と
なり、100以上の英訳があると言われていますが、蛙は単数扱いが多い
ようです。実際、芭蕉が描いた絵では、蛙は一匹だったそうですね。
以下、同句の有名な英訳を幾つかご紹介しましょう。

●B. H. チェンバレン 訳(Basil Hall Chamberlain, 1850-1935)
  The old pond, aye! 
  and the sound of a frog
  leaping into the water.

●正岡子規 訳(1867-1902)
  The old mere!
  A frog jumping in,
  The sound of water

●斎藤秀三郎 訳(1866-1929)
  Old garden lake!
  The frog thy depths doth seek,
  And sleeping echoes wake.

●R. H. ブライス 訳(R. H. Blyth, 1898-1964)
  The old pond;
  A frog jumps in, --
  The sound of the water. 

●J. カーカップ 訳(James Kirkup, 1918- )
  pond
      frog
          plop

●ドナルド・キーン 訳(Donald. Keene, 1922- )
  The ancient pond
  A frog leaps in
  The sound of water.

●Kenneth Yasuda 訳
  Ancient pond unstirred
  Into which a frog has plunged,
  A splash was heard.

●マーク・ピーターセン 訳(Mark F. Petersen, 1946- )
  Old pond,
  A frog jumps in,
  Sound of water.

因みに、アメリカの教科書にも載っている「古池や」の英訳は、次の
通りです。

  An old quiet pond・・・
  A frog junps into the pond,
  Splash ! Silence again.


この句のポイントは「水の音」にあり、従来、俳諧では「鳴くもの」と
しか扱われなかった蛙をまったく新しい視点で捉えた点に面白味がある
と言われます。しかしまあ、こうして並べてみると翻訳は実に様々です
ね。英訳俳句の詩的評価など、私には難しすぎて到底できませんが、J.
カーカップさんの「池/蛙/トポン」は、斬新で滑稽な感じがします。

一番印象的なのは斎藤秀三郎訳です。これは『斎藤和英大辞典』(1928)
の「古池」の項に載った例文ですが、まず「古池」を「Old garden lake」
と表現しています。欧米人の目を意識したせいでしょうか、かなり具体
的なビジョンを提示していますね。lake は「湖」ですが、アメリカでは
公園の「泉水」や「池」を指すこともあるそうです。英詩として脚韻を
綺麗に踏ませたいということもあって、lake を使ったのでしょう。

  Old garden lake!
  The frog thy depths doth seek,
  And sleeping echoes wake.

次に続く「The fog doth seek thy depths」という言い回しは、なにか
深遠な哲学的詩情を湛えているかのようです。何故、蛙に「The」を付け
たのでしょう??? そして、最終行の「sleeping echoes」という絶妙
なフレーズ・・・あの「Sound of silence」を彷彿させるような深い余
韻があります。「sleep」と「wake」の対比も鮮明で面白いですね。

芭蕉の詠んだ情景をそのまま英語に直さず、何かしらの意味を汲み取っ
て翻訳したかのような深い趣を感じさせます。これが(何かの引用等で
なく)斎藤自身の作ならば、彼は豊かな詩的才能も持ち合わせていたの
でしょう。


黒柳徹子著『窓ぎわのトットちゃん』の英訳で有名なドロシー・ブリトン
さんは『奥の細道』の英訳も試みていますが、その "Introduction" 冒頭
に次のような自作の詩を掲げて、俳句形式を賞賛しています。

 A seashell           17音の
 Is a Japanese poem       日本の俳句は
 Of seventeen syllables--    貝のよう
 Small and formal in shape    端正な小さい殻の中に
 But containing an ocean     大海原ほどの
 Of thoughts.          思いを秘める

        "A Haiku Journey: Narrow Road to a Far Province"
               1980年 講談社インターナショナル刊


う〜む。英語俳句の世界・・・なかなか奥深くて面白そうですねえ。
では、最後に拙句をひとつご紹介して本稿を締めくくりたいと思います。
季節外れで相すみません。

 泡ひとつ
 金魚もため息
 熱帯夜

 A tiny bubble from the depths of water
 When a goldfish gave a deep sigh
 At sultry night in mid summer


                             (竹)

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